工藤新一という男3
さてはて何故3回目というのがやってきたのか私自身わからないがとりあえず新一君の特異をとくとごらんあれ。
今回は以前申し上げた「困った性格」について述べてみようと思う。
彼工藤新一はとっても困った人である。
どう困ったかというと「たぐいまれなる鈍感」と「死んでも治らないだろう事件体質」それらがドッキングして出来上がったあの「超絶に困った性格」これが問題なのである。
とりあえず此処であげるのはタダの一例であるがもし皆さん他にもお気づきであったら是非教えて頂きたい。
このたび着眼したのは彼の携帯について。
彼は携帯を持っている。
これは事件に便利であるから持っているのであって、誰かと話すのを目的としているわけではない。
ただ実用性重視なだけである。
だからこそ。
だれかがメールを送ったとしたら涙を見るのは間違いないのである。
例えば。
皆さんご存じ「おはようメール」
一度それを送ったH氏は完膚無きまでに攻撃を受けた。
「んな無駄なことにメール代使うな。」
痛いです。
胸を押さえてうめくH氏が目に見えるようです。
そして普通の生活でメールを送るK氏。
『新ちゃーーん明日お暇?ヒマだったら遊ぼーー』
そんな文を送ることが多々ある。
内容的には普通と言えるだろう。
きちんとした連絡のため、ムダと言われるような事態には陥らないはず。
彼はH氏のようなアホな事をしないよう十分注意していた。
なにせ前回怒らせて2週間ばかし口を利いてもらえなかった悲しい過去が生々しく胸の傷として残っているのだから。
そしてそれに対する最愛の相手の返事はというと
『だめだ』
短いです。
だがしかしK氏はいつもの事なのでめげない。
ここで「なにか用事があるの?」と聞こう物なら間違いなく
「お前に関係ない」と返ってくる。
そこでK氏は思考をフル回転させ、此処最近の新一の様子とH氏からの情報そして明日の日程等を条件にいろいろと考えてみた。
もしかして・・
『この間の本屋に行くの?』
大体時期的にお礼かお詫びかはたまた災難だったなーじーさん。とやりに行くのか?K氏は思った。
ここで正解ならば「そう」と返ってくる。そしたら話は続き、「んじゃ俺も行っていーい?」と約束をとりつけられるのだ。
だがしかし現実は難しいものですね。あっさり否定されてしまいました。
『ちがう』
それに対する返事もこれまた短い。
こうなるともう下手な事は言えない。
「そっかそれじゃあまた今度遊ぼうねー」
それで会話をうち切るのが一番賢いやり方である。
もう一度この話について尋ねたりすると相手はぶちきれます。
以前「それじゃあ○○へ行くの?」と更に尋ねたら「うざい」
と返信がきたK氏。
あれはさすがに厚顔無恥なK氏の胸にも応えた模様です。
実はK氏新一からの返信で5文字以上来たことがない。
『だめ』『うざい』『ようがある』『いそがしい』『だまれ』『うるせー』『ねる』
などなど・・・。
漢字変換すらしてくれない手抜き。
なんかこう書き立てるとK氏実に哀れですね。
だが、まだまだ甘い。
H氏なんぞ5文字以上返ってはくるものの、その確率は5分の1。
五回に一回しか返ってこないのである。
果たしてどちらがいいのか悩むところである。
まだ優遇されているのはA氏。
だが彼女自分からメールを送るというのを苦手としているため、未だかつて必要連絡意外で新一氏とメール交換をしたことがない。
新一も自分から送る奴ではないからだ。
唯一の例外は彼の幼なじみの存在であろう。
だがあれは多分クスリで小さかった時代のため、仕方なくメールをした・・・そういった事態である。
心配かけまくりの彼女には出来る事はする気でいた彼。
そういう理由でも無い限り彼の性格では自分からメールを送る事はおろか、長文なんぞ絶対に打たないのである。
しかし新一君。
彼はメールを打つのが嫌いなのか?
いやそうではない。単にめんどくさいだけなのだ。
彼の困った性格の一つ「めんどくさがり屋さん」これである。
そんな可愛いものではないのだが、彼のめんどくさがりは筋金入りだ。
特に周囲の人々は本当に「そんな事まで手ぇ抜いてどうすんだ?」と言いたいほどめんどくさがる彼。
例えば朝食。
まず食べない。めんどくさいから。
食べたとしても手近にあった食パン(もしかすると賞味期限が切れているかもしれない。それでも食う)しかも「めんどくさい」から焼かない。生で食う。
せめて焼け。
時々そんな新一の食生活を心配した幼なじみに朝ご飯用と称して調理パンを頂いたりする新一。
それをどうするかというと「夜ご飯」にする。
これには彼女もまいった。
朝これだけ手を抜くのだから夜ご飯くらい食べなさい。母のように叱る彼女に新一氏間違いなく不服そうな顔をむける。
「いーじゃねーかこれでも腹膨れるし。」
よくない。
健康に気を使っていないわけではない彼は一応カロリーメイトやら野菜ジュースやらは用意している。
最近貧血気味だよなー。そう言って鉄分が取れる栄養剤を飲む奴である。
それでいいと思っているのか。
聞いたら迷い無く彼はいうだろう。
「いい」
よくない。
そこでお隣にご在宅のA氏考えた。
「とりあえず夜ご飯はうちへいらっしゃい。」
大したものは出来ないが調理パンや栄養剤よりはマシである。
お隣であれば近いし、まあいいかと思い新一は行くようになった。
だがここで問題発生。
彼が事件に巻き込まれる回数の多さ。
それに比例して夜ご飯の時間に間に合わない事が多くなる。
それはもう週の半分以上を占めている。
一応用意しているが冷えたものを電子レンジで温めるのすらめんどくさがる彼のためにA氏はかいがいしく温めてから目の前に出すようにしている。
でなければ彼は冷えたまま食べるから。
以前ホカホカご飯にキンキンに冷えたみそ汁をぶちまけ猫まんまにして食べた彼。
それはとてもまずかったと彼は言う。
ならせめて温めろ。
それでも彼は一人だったらまた同じ事をするのだ。まずいと言いつつも温めるのをめんどくさがり。
事件には手を抜かないのにご飯に手を抜く男工藤新一。
彼の健康管理は隣人の好意と幼なじみの心配によってなんとか成り立っていると言っても過言ではないかもしれない。
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