ハメラレタ

ピーンポーーン

「おや?」

朝っぱらからの訪問
昨夜からこの家に帰ってきている事をすでに調査済みの白馬は全く反応の無い工藤家の玄関にて首を傾げた。

もう一度ゆっくり押す

ピーーンポーーン

「おや?」

もう一度首を傾げてみた


丁度そこへブルルルと激しいバイクの音が到着

「なんや白馬も来とったん?」

褐色にやけた肌と間延びしたイントネーション。
白馬とは全く正反対の外見の彼、

「服部君。お久しぶりですね」

二人は意外と和やかに挨拶を交わした

「ああ。まさかこんな時間から会えるとは思わんかったわ」
「それはこちらもです」
ニコニコ


時刻は朝の8時30分
確かに人様のお宅を訪問するのは間違っている時間だと思われた。



「昨日黒羽君から嬉しそうに招待状を見せられまして」
「白馬もか。俺もや。なんや工藤から招待状が来たゆうて昨日遅くに電話してきおったわ」

二人して顔を見合わせる

(アホな奴やなぁ)
(意外に抜けてますね黒羽君)

そんな事を言えば自分達が邪魔をしに来る事くらい解るだろうに


きっとそれすら考えもつかないくらいに嬉しかったのだろうとは思うが

「ま、黒羽の立場に立ったら同じことするかもしれへんし下手な事はいわれへんけどな」
「全くですね」
肩をすくめあう。

そしてもう一度今度は服部がチャイムを押してみた



ピンポーン



無反応




「ん?なんやまだ寝とるんか?」
「さっきから反応がないんですよ。でもコナン君でしたらすぐに気付かれると思ったんですが」
「せやなぁ工藤なら電話とチャイムの音には敏感やと思うで」

いつ警察から協力を求められるか解らない工藤新一時代、その二つはかなり頻繁に新一の睡眠を破ったものだ。

「ですよねぇ」
白馬も服部も経験があるからこそ解る。

二人でんーー?と首を傾げていると背後から素っ頓狂な叫び声が聞こえた


「あっれーー?何で二人ともここにいるのぉ?」

奴である

大バカ間抜けの怪盗君である


「いえ、実はコナン君に用がありまして」
「俺もや」

二人のガムテープで貼り付けたような笑顔にようやく快斗は気付いた

「あっっっっっ」
しまった
(俺がばらしちゃったんじゃんっっ)
遅すぎである
コナンから自分だけ招待されるなんてかなり自分って特別?とか思っておもいっっっきり自慢してしまった。
そりゃ妨害にくるよな普通
あああああ。俺のバカァァァア

打ちひしがれる快斗に苦笑を浮かべる二人。


「なんや工藤の奴まーだ寝とるみたいやで?」
「えっ?おっかしいなぁ俺8時半にこいって言われてんのに」
とりあえず壁に頭を打ち付けるのを中断し快斗も首を傾げた

一応チャイムを鳴らしてみる

ぴんぽんぴんぽんぴんぽーーん
3人3様な押し方である

はやり無反応なドアの向こうに向かって一応声をかけてみた

「コナンちゃーーーん。貴方の愛する恋人が参上しましたよぉぉぉん」
即座に両横から後頭部にチョップが入った

そのまま勢いに任せて扉に額をぶつけた

「いた・・痛いって。何二人ともやきもちぃぃぃぃ?」
「ちゃうわっ。事実無根な事朝っぱらから叫ぶなぁぁぁ」
「全くです根も葉もない事叫んでご近所の方に誤解でもされたらどうするんですかっっっ」

「じっじつっだもぉぉん。」
懲りない

とりあえずもう一度二人はチョップを加えておいた

「ま、それは置いといてぇ。」

どつかれてもめげない快斗はヘラリと笑うと二人の見ている前で堂々とポケットから針金を取りだした

「まっっっっっ」
「なーーーーーーーー」

「えへ♪」
カチャリ
二人の言葉が言い終わる前に開くカギ
さすがと言うか、さすがと言うか・・・
犯罪行為を目の前で成し遂げられてしまった探偵二人の脱力感はすざましいものである。

「ふ・・さすが怪盗KIDですねぇっっっ」
「さすがやな黒羽。お前が怪盗KIDやって信じられる瞬間やなぁぁぁぁ」

「お願い叫ばないでぇぇぇ」
わざとらしくご近所に響くように叫ぶ二人に快斗は慌てて二人の口を押さえた

「事実しか言ってませんっ」
「そうやっ」


「事実だから困るのよう」

しくしく
確かにあんまり誉められた行為ではないけれど呼んだのはコナンであり、自分は呼ばれてきたのだ、いいじゃん別にー

中に入る権利はあるっと扉を開放すると快斗は思い切り一歩踏み込んだ

「あれぇぇぇぇ?」

ふざけた叫び声が遠ざかる
まるで落とし穴にでも落ちたかのように反響する快斗の声

「黒羽君!!!?」
「黒羽!!!?」
何事だと二人も慌てて工藤家へと踏み込んだ




ピコピコピコピコピココココン

3名様ごあんなーーい


「え?あれ?へ?」

工藤家へ一歩足を踏み入れた瞬間奈落の底へと落ちる感覚がした。
いつもなら対応のしようがあっただろうが、あまりに油断しすぎて簡単に落ちてしまった

だってねぇ誰が考えるよ。一般家庭に落とし穴なんて?


だが結構な落下感を感じたわりに怪我はない。
今の状況を見てみればふかふかの椅子に座り頭にはヘンテコなヘルメット
「・・・・なんかやば気?」

見渡してみれば両隣りに同じような状況に陥る探偵が二人

(なっさけないなぁ二人とも落ちちゃったのか)

そんな事を口にすればお前のせいで動揺してたんだっと二人から非難されまくったことだろう

「おーーい。服部ぃ白馬ぁぁぁ。おーーきーーーろーーー」

「んぁ?・・・・・・・ってなんやこりゃぁぁ。黒羽?白馬まで・・何しとるんや俺ら」
「五月蠅いですよ二人とも―――――ってあれ?何してるんです二人ともへんなヘルメットかぶって」
「・・・・・・・人の事言えへんて白馬」
「あっ僕まで。なんですかこれはっ」
「さあ?」
「俺かて今起きたばかりや」

『ヨウコソ ユウシャ ヨ』

目の前に置かれた大きな機械がその声に合わせてピカピカと光った

「「「うわっ」」」

驚きのあまりに椅子にへばりつく3人

「何?なんなわけ?ここどこよ?」


答えてはくれないだうろと思いつつ快斗は尋ねてみた

『ココハ、バーチャルシツ、デス』

「はい?」

『ココハ、バーチャルシツ、デス』

「いや。それは解ったけど、何バーチャル室って?」

『ゲームノヘヤ アナタガタはエラバレシ ユウシャ デス』

「・・・・・・・・・・・・RPG?」

『タイムリミット ハ ゴゴ6ジ ソレマデニ トラワレノ ヒロイン ヲ タスケテクダサイ』

「ひ・・ヒロイン?それってもしやコナンちゃんっっっ!!!」
「く・・工藤を!?」
「まさかコナン君が捕らわれて!?」


『サア ユウシャ ヨ  ヒロイン ガ マッテマス タダチニ シュッパツ ヲ』

「工藤が俺を・・・・・・・・・・・・よしっ行くでっよぉ解からんけど行くでぇぇぇぇ」
「待てっっコナンちゃんが待ってるのは俺に決まってんだろっ俺も行くっっ」
「いえ。ヒロインを助けるのは僕が一番ふさわしいです。貴方方にはまけませんっ」

ガタリと立ち上がる3人に機械は言った

『デハ アドペンチャー ノ セカイヘ 』

その瞬間3人の意識は遠のき立ち上がったはずの足がぐにゃりと折れ曲がりもう一度椅子へとへたり込んだ






午前11時
朝方5時に寝たコナンは気持ちの良い目覚めを覚えた

「んーーーーー爽やかな朝だっ」

いつもならもっと早くに強制的な目覚めが訪れるため久しぶりによく寝たと感じる
グッと背伸びをすると傍に置いて置いたノートパソコンを開いた

「ん?ああ。見事に罠にはまってくれたなぁ。しかも3人とも」

パソコンの中ではピコピコとデフォルメされた3人の姿が魔王に捕らわれたヒロインを助け出すべく動いていた

「思ったよりペース早いな。せめて5時まではのんびりしたいぞ」

カチャカチャと操作をするとやっかいな敵を数匹増やして置く。

「うーん、これでゆっくり読書が出来るな」

満足そうにパソコンを閉じると哀れな3人の事をすっかり忘れさり楽しい読書タイムへと突入した




ゴゴ4ジ35フン
快斗到着
ゴゴ4ジ42フン
服部到着
ゴゴ5ジ21フン
白馬到着


ヒロインは
灰原哀

勇者快斗はヒロインの顔を見た瞬間衝撃のあまりうなだれた
その隙にヒロイン哀はシビレ針をぷすり

勇者平次は倒れた快斗を見て驚いた
その隙にヒロイン哀はシビレ針を仕掛けたが上手く避けられ仕方なく快斗を人質にしてまんまと縛り上げた

勇者探
彼は二人よりもかなりの時間を要してこの塔へとやってきた。
それには理由がある
村人からの情報によりこの塔に住むヒロインは実は魔王である疑いが濃いと聞いたのだ
まさかと思い情報を集めさらには武器などもそろえてやってきた


ヒロインが魔王だったという設定はかなり珍しい。
じゃあ本物のヒロインはどこへ消えたのだろうか?
ゲームだとは思いつつも白馬は真剣にヒロインの身を案じた。


「覚悟して下さい魔王っ」

バァンと乗り込んだ白馬。
準備万端。
はっきり言って誰が出てきても負けない気でいた

「あら。さすがね。バレてるとは思わなかったわ」




そう、彼女を見る瞬間までは




白馬にとって・・・いや快斗や服部、それにコナンにとっても最大級に怖ろしいと感じる相手だろうこの少女。

みかけはとってもラヴリィな小学1年生。
なのになのに・・・・・

「哀れね。気付いてしまうなんて」
ふふ。
その笑みがとても怖い
持ってきた剣やら聖水やら怪しいお札などが一気に頼りなくなる瞬間だった。

彼女の傍には縛られて転がされた快斗と服部

「ふ・・二人を解放してくださいっ」
「いやよ。彼らは私の手下になってもらうんだから。後少しで洗脳出来るのに邪魔しないでくれる?」

せ・・・洗脳っっっ

あまりの言葉に白馬は逃げ出したくなってきた

「そ・・そういう訳にはいきませんっっ」
やけくそ気味に持ってきた怪しげな札を投げつけた

「キャァァァァ」

予想外の効き目

「あれ?」
投げつけた本人が驚くほどに魔王哀はその札に打撃をうけた。

床へと倒れ込む魔王
そして

「あれ?白馬?」
「あっ怖いねぇちゃんが倒れとる」
快斗と服部は洗脳が解け目を覚ました


「って事は・・・魔王は倒したんですね」


『ユウシャサグル ヨクゾヤリトゲマシタ ホウビトシテ ヒロイン ノ シュクフク ヲ』


どこからか声が降ってくる

「ヒロイン?あれ?コナンちゃんいないよー?」
快斗はキョロキョロ辺りを見回す

そこへ倒れた哀がムクリと起きあがった




満面の笑みをたたえて




「うっわ。ごっつ怖いわ」
「背筋がヒヤリとするねぇ」

その笑顔はユウシャに向けて

ターゲットは白馬


「あ・・ま、まさか・・・」
「ええ。勇者様助けて下さってありがとうございます。魔王に体を乗っ取られていたのです」

ヒロイン哀は怖ろしいまでに嬉し気な表情で勇者を見上げる

「・・・なんやさっきの怪しい笑みよりこっちのが怖いってのも問題やな」
「哀ちゃんの満面の笑み・・・一生見たくないかも」
ぼそぼそと二人で囁きあう

狙われた白馬はと言うとかなり『しまったぁぁぁ』といった顔で哀を見下ろした

「い・・いえ。僕は当然の事をたまでです。あの二人が囮になってくれなければ僕だけでは何もできませんでしたよ」
「あっ押しつける気だなっ白馬っっ」
「勇者やろっおとなしぃぃくヒロインの愛をうけとけやぁぁぁぁ」

「いえ・・いえ・・僕にはコナン君という心に決めた方がいるので―――――」
「まてっコナンは俺のだぁぁぁ」
「工藤は渡さへんでっっ」

ヒロインを置き去りに3人でけんけんごーごー



そのうち
『6ジデス オツカレサマデシタ』
何故か蛍の光が流れ出し3人はバーチャル世界にお別れを告げた


戻ってきた3人はほぼ同時にハッと目覚めると盛大な息をついた

「「「よかった・・」」」

あまりに笑顔の哀が衝撃的だったらしい



『よぉお前ら腹へってるだろ?ヘルメットとって横の階段上がってこいよピザとってあるから』

そんな彼らの悪夢を救う愛らしい声が聞こえから響き3人は胸をときめかせた

「コ・・・・コナンちゃぁぁぁぁん」
「コナン君っっ」
「くっどぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」

3人は一目さんに階段を目指し我先にと駆け上がった

そして愛しのコナンの元へとやってくると泣きついた

「怖かったよぉぉぉぉ」
「あんな怖ろしいゲーム初めてですっ」
「ってか悪趣味やで工藤ぅぅ」


「そうか?」
3人の嘆きようがあまりに激しかったのでコナンはこっそりほくそ笑んだ
「あんまりしつこいとまた罠にはめるからな。これからは気をつけろよ3人とも」

見事ハメラレタ3人はどうやら秘かに怒りが溜まっていたらしいコナンに渋々頷いた

また同じ目にあったら堪らない

「ま、次は本物の灰原使って実験台にしてやるからな」

3人は今度こそ必至に頷いて絶対にしつこくしない事を約束したのだった



end

ご・・・ごめんなさい。えつこ様!!!
全然きりリク消化できてないですよね〜(涙)
こんなんでもよろしければ貰ってやって下さい