宅配便
ある日の事だ
宅配便がコナン宛に届いた。
こんなもの送ってくる予定はない
両親ならば差し出し人にちゃんと名前を書くはず
そこには見知らぬ名前が書き連ねてあった。
明らかに偽名だろう
それを見たコナンは顎に手をやり推理してみる・・・・・
ガムテープが一ミリもずれていない事から見て、差出人はかなり丁寧な人らしい。
更には割れ物注意?考えれるまでも無いほどでかい箱
そう
人一人くらい余裕で入りそうな・・・・・
「快斗からかなぁ何送ってきたんだろー」
とりあえず呟いてみる。
中から反応無し
(ふむ、あくまで無反応決め込む気か)
ならばこれならどうだ。
「宅配って久しぶりで嬉しいなぁ。ここに快斗がいたら嬉しさのあまり思わず抱きついたかも」
ゴトッッッ
「・・・」
怪しい動きを一瞬した箱が一つ
「・・・・・・・・・・・・・・・」
(ふむ。この程度で反応を返すか)
コナンは白い目を向け軽く箱を蹴りつけた
「でも人間入ってそうな大きさだよなぁ。そしたらとりあえず警察に連絡かなぁ?」
わざとらしく呟いてみる。中からゴクリと唾を飲む音が
(おっもしれー)
コナンは宅配の紙に書いてあるお届け先の名前を修正液でそっと訂正しておいた。
中で息をひそめている気配を感じた。
開けてくれるのを今か今かと待ちわびているのだろう。
(そんな親切なこと俺がするかってんだ)
満足ゆく出来映えになると腕を組み一つ大きく頷いた。
よしっ
大きく息を吸い込む。
「おーーーーじーーーーさぁぁぁぁぁん。おじさん宛に宅配便が届いたよぉぉぉぉ」
小五郎を呼ぶ。
その瞬間コナンが何をしたか理解したのだろう箱の中の物体は外へ出ようとあがきだした。
(ぶははは、おもしれぇー)
だが自分で頑丈に密封してしまったらしくなかなか出れないその物体は今度は逃げようと思ったのか箱を中から転がす
ゴットン、ゴットン、ゴットン
実に地道かつ、のろい上に騒がしい作業である。そのうちコナンは飽きて外へ散歩に出ることにした。
ようするに思い切り見捨てたのだ。
その後?
そんなん知らねーよ。とりあえず帰ったら箱はなかったけどな。中味はどうやら帰宅したようだ。
「あいつ泣いてたぞ」
気の毒そうにおっちゃんが言ったが気にしない気にしない。
バカげた事を思いつくだけじゃ飽きたらず実行までしたあいつが悪いんだからな。
まぁ良い暇つぶしにはなったな。
ふふん。
その日の夜服部と白馬から
「もう少し手加減してあげたほうが・・・・・・」
とか
「可哀相に泣いてたで。せめて置き去りはやめといたり」
それぞれ電話で言われてしまった・・・
あいつあんな自分の恥言いふらしてんのか?注意された理不尽さよりあのバカの勇気(?)に感心させられてしまった。
だからさ、
「ま、次は一ミリくらいの情けはかけといてやるよ」
ニヤリと笑ってそういった。
おわり |