Step up7


「おーーーーいタケルーーーーー」
「え?」
「お前寝ぼけてんのか?」
バンッと背中を叩かれ昔の回想をうち切ったタケルは目をパチクリさせ目の前でちょっと心配そうにのぞき込む大輔に柔らかく微笑んだ。
「心配してくれたの?」
「ち・・違うっお前がさぼってんじゃねーかと思ってその〜」
「あはは。うわー大輔君が心配してくれるなんて感激だなー。」
「だから違うって言ってんだろっっ」
「だーめー顔に書いてあるもんね」
「ええ!!!」
慌てて顔を触る素直な大輔の行動にタケルはお腹を抱え笑いだした。
(相変わらず可愛いな大輔君って)
「なんだよお前ぇぇちくしょーバカにしやがってっっ」
腹を立てた大輔にタケルは目尻ににじむ涙をぬぐい取ると
「ごめんごめん。怒らないで。ちょっと昔の事思い出してひたってたんだよ」
「は?」
「さっきの写真見てね。懐かしかったから。ねぇ大輔君。僕はあのころから少しでも変われたかな」
「髪型がな」
「そう言う意味じゃないって」
「中身?しんねーよ。ああ。」
そう言えばと手をうつ。
それにワクワクと期待を抱き
「なに?なんか変わったところあった?」
尋ねたタケルに大輔はビシリと人差し指を突きつけた。

「変態になったな」
「・・・」
ひどいや大輔君。
さすがに笑顔の持続は難しくなった。
そんな顔を見て大輔はカラカラと笑いだした。
それはタケルが好きな笑顔で笑われていると言うのに幸せを感じた。
ま、いっかと思う。
昔なら絶対思えなかった。
彼と出会って心が柔らかくなった気がする。
優しい気持ちになれる時が増えた気がする。

毎日毎日、小さくいろいろな事が変化していく。
体も、心も



ステップアップ。
階段を上る。
どれだけ上ればいいんだろうと時々不安になったりもする。
でも隣りに君がいればどこまでだって行けると思うんだ。
仲間がいるから越えていけるものがあると思うんだ。

ね、大輔君一緒に前へ進んでいこうね。
今度は後なんかじゃない。
5人で横に並んでさ。



end



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あとがき
賢君は仲間に入れる気がないのは一目瞭然の彼(笑)
5人です5人。
本当の選ばれし子供は6人であるにも関わらず彼は最後に5人と言い切ります。
だってこのころはめちゃめちゃ嫌ってたし。
まあ最後のほうも好いては居なかったかもしれませんが。
毎日心は変化していきます。
子供だからこその柔軟性で今はダメな事も明日には受け入れられるかもしれません。
だからこそ子供が選ばれたのかもしれませんよね。