あさひ様へ
くだらない話ですみません





「なあタケル。昨日な、変な夢見たんだ」
「どんな?」

朝の教室である。
相変わらずタケルと大輔は一直線上におり、間の女子がまだ来ていない為タケルはまっすぐ前方に座る大輔の背中を楽しそうに見つめていた。
と、突然振り返ったかと思うと大輔はそんな事を言いだした。それにタケルは驚いた様子もみせず問い返す。

「太一先輩が妖怪ベラだったんだ」
「へーそう」
それはビックリだね。と付け加える。
「聞いて驚くなよ。更にヤマトさんが妖怪ペロだったんだ」
「じゃあベムは誰だったの?」
特に感動はないらしくタケルは聞いた
「それこそ聞いて驚くなよ。なんとタケルだったんだ」
そこでようやくタケルは反応を示した

「・・・僕太一さんとお兄ちゃんの子供って事?」
「いや何か設定では太一先輩とヤマトさんに拾われた子供って事になってたぞ」
「・・・・」
「そんでな。俺がベムの友人になってな、光ちゃんと京と伊織と賢でお前を人間にしてやるんだ」
「・・・・」
「なんだよ感動しないのかよ?」
どう感動しろっての?

「あっ私も似たような夢みたわよ。」
突然話題に入ってきた光。
相変わらず何を考えているのか読みとらせない笑顔でタケルに笑いかけると大輔に言った
「どんな夢みたんだ光ちゃんは?」
「なんかねータケル君がドラエモンなの」
「・・・」
なんでそんな色物ばかり僕にやらせるわけ?

「それで大輔君がのびた君でね」
「やだなーあんなにひどくないぜ俺」
「ごめんなさいでも夢だから」
「まあな。それで?」
「それでね、私が静ちゃんでなんと京さんがジャイアンだったの」
「あははピッタリ京っっ」
「それでスネオ君が伊織君でね、出来杉君が賢君でタイムトラベルツアーに出たのよ。そしたらそこにお兄ちゃんとヤマトさんと空さんがいてドラエモンは我々のものだっってさらって行っちゃったの。それを私たちが奪い返す話だったのよ」
「うわー楽しそう」
「でしょ。その後丈さんとかミミさんとかまで出てきて大騒ぎだったんだから」

「・・・・」
どうしても僕は活躍出来ない役らしい。
何故に?
タケルはガクリとうなだれた

「あらなんで落ち込んでるのよタケル君。ここは感動する場面よ?」
どうやったら出来るのさーー
「そうだぜ。みんなが力会わせてお前のために頑張ったって夢なんだぜ?お前大切にされてるなーって思わねーのかよ」
まあそう言われてみればそうだけどさー
「いやよねー素直にそう感じれない人って」
「光ちゃんそれはきついよちょっと」
「そうかしら?感性の問題よね。これがタケル君の役を大輔君がやったらきっと大輔君泣いて喜ぶわよ」
「そこまで喜ばないと思うけど・・・」
大輔もボソリとつっこむ。だが聞こえないフリで光は続けた。
「その方が私も助けがいがあるってもんよね」
夢の中での事の筈なのにそこまで言われるとは・・
「はいはい。助けてくれてありがとう。で、最後にドラエモンはどうなったの?」
「・・・・」
光の笑顔が強ばった
「何?」
「あ・・いえ。何でもないの。もちろんのびた君と幸せに暮らしたわよ」
ニコリと微笑み光は言った
「そう。それは良かった」
大輔君と幸せに暮らしたというならタケルは全く異存はない。

気になった大輔はこっそり尋ねた。
「なあ・・光ちゃん本当はどうなったんだ?」
「・・・ゲンナイさんにスクラップにされちゃった」
「・・・・・」
ここまで責めておきながらそれは言えまい。

「そうかそうか。のびた君と・・それは良かったよなタケルっ」
「そうだね大輔君」
聞かない方が幸せな事って世の中には沢山あるよな。
大輔はこの時タケルを見て、しみじみと思った。


end

ふふ。予想以上にくだらなく読んだ事を後悔しましたか?
それが私の計画さふふ←大嘘です(涙)
とりあえずふと思い浮かんだ一品であり、妖怪人間ってな〜に?なんて
若い娘さん達には解らないネタになってしまっています。
ベム・ベラ・ベロ。彼らは不滅さっっっ