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      11巻 K to E(前編)
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気になってはいた。
そりゃさ。
俺だって一応、それなりの好奇心ってものがあるからさ。
あの小さな存在。
彼が一体どういう人間なのか。
無性に気になったりするわけだ。

結局この前の鍵の件だってノラリクラリと関西の探偵はうまくかわすし、コナン
はコナンでその話題になるといきなり不機嫌になる。
何だよ一体っ。俺だって気になるんだぞっ。

そりゃ怪盗の技術を駆使してストーカー・・・いやいや、尾行するという手もあ
ったさ。
でもねぇ。そこまでするのはどうかと思うし。
たかだか自分の好奇心の為にプライバシーを侵害するのもどうかなぁと思い、控
えておいたのだ。


が、しかし。


「やっぱ気になるよなぁ」

何が気になるのか。分らないけれど、今までのコナンの行動、表情、言動。一つ
一つ思い出しては気にかかる。
黙ってればとっても可愛い小学一年生。
でも口を開けば小気味よい悪態が垂れ流し。
フイに見せる笑顔なんかはうっかり本性を忘れてしまいそうなほど可愛かったり
する。
でも何よりも一番は
多分事件に出会ったとき。

言い方は悪いが、あの瞬間コナンの瞳はキラキラと輝く。
まるで大好きなお菓子を手に入れたかのごとく。

「やー可愛いよねぇ」

ポツリと呟いて、それから

「おいおい。何言ってんだ」
思わず自分に突っ込んだ。


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      11巻 K to E(後編)
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2日と空けず偶然であっていた二人であるが、ここ数日はお互いの用事によりす
れ違いが続いていた。
もしかするとそのせいでちょっと物足りない気分なのかもしれない。

「あいつとしゃべるの日課になってたしなー。」

このままでは、まだもうしばらく裏家業の関係でコナンとはすれ違いの生活にな
りそうだ。
だから。
こんなフイに思い出したりして仕事の邪魔にならないように、きっちりと問いた
だしてやろうではないか。

思い立ったら吉日とばかりに快斗は一枚のカードを手に取った。

『明日の午後黒羽家でお茶しようぜ。オッケーだったら例の喫茶店のところに3
時集合な』

到底、あいつがこんなわけ分らない招待を受けるとは思えないが、でもあの好奇
心の塊は「黒羽快斗」という人間に興味を持っている様子。だから「黒羽家」に
もきっと興味があるだろう。

複雑な顔で喫茶店にやってくるだろう子供を思い快斗はククッと笑ってしまう。

白いカードを丁寧に白い封筒に入れ、封をすると。

K to E

それだけ宛名書きの所に書き込んだ。


黒羽から江戸川へ。

鳩が届ける招待状。
果たして彼は受けてくれるだろうか。
おしまい