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    13巻 見破られた正体(前編)
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あれ以来会うと不機嫌なコナンさん。
最近けっこーいい感じに仲良しさんだったのになぁ。

相手は小学生であるというのに。
黒羽快斗は全力でお相手していた。
そんな会話が出来るヤツ滅多に居ない。

自他共に認める天才児である黒羽快斗の欠点といえば、天才すぎることであろう
。
うっかり少しでも難しいことを口にしてしまうと友人に引かれてしまう。
「え?この程度で?」
ってな事でもヤツラは「何言ってんだ黒羽?」と首を傾げやがる。


幸い「この程度」ならば青子には理解できて笑って突っ込んでくれたりするが。
マジで真剣にありがたい。
それでも日々、細心の注意を払って発言していたりする。
計算づく?
何とでも言え。
これが俺の生活の知恵だ!!


そんな訳でつい最近知り合ったばかりの江戸川コナンとの帰り道の全力の井戸端
会議は快斗的にトップ3にランクインするほどの楽しみだったりした。

そんな楽しみを・・・・・

「ひどい・・ひどいよコナンちゃん」
俺が何したっていうのよ?
ただ単に怪盗の大ファンで部屋にパネル飾ってるだけじゃんっっっ。

道端で出会っても片眉をクイッと持ち上げ不愉快そうにさっさと去る。
そんな子供が恨めしい。

なんてねちっこいヤツなんだ!!


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    13巻 見破られた正体(後編)
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しかしよくよく考えればヤツは高々6才児。

あの小気味良い突っ込みと、回転速すぎて周りからは訳解らんだろう会話につい
てくるあの頭脳。

そして快斗を鼻で笑って言い負かせるだけの豊富な知識。
更にはどんな事件も冷静に対処する図太さ。
犯人を追い詰める姑息なまでの駆け引きのうまさ。


おかしいだろう?
どれだけ天才だろうがありえないだろう?

人生6年。
物心ついてせいぜい4年か5年。
その短期間であれだけの能力を手に入れられるか?

あいつ実はアンドロイドじゃねぇの?
なんて現実味の無いこと思ったりして、面白半分に調べてみたりした。


江戸川コナンの人生を。


結果を言わせて貰えば。

「余計わからなくなったっつーの!!」

あいつは一体何者なんだ?



おしまい