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  18巻 シェリー 前編
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快斗の話ばかりでは、とコナンの情報もオープンにしてみせた。
とは言えどもすでに快斗は知ってるという前提でのオープンなのであまりフィフ
ティーでは無いが。

「まぁ確かに調べましたよー。その上でお前の存在が不確かな事は分かったしぃ
。でもそこから工藤新一を繋ぐのはヒジョーに難しかったですっっ」

「まぁ常識的に考えりゃそりゃそうだろうよ。それでも辿り着いただけお前の頭
の柔らかさに感嘆するぜ」

「わーい褒められちゃった♪」

消去法だったとは言え。コナン=工藤新一の図式を思いついた快斗は確かに素晴
らしい発想力を持っている。
それを確信付ける為に電話の盗聴したのはいただけないが。

「博士はなぁ。まー今後電話で俺の名は呼ばねぇよう注意はしとくか・・・・あ
あ・・服部のやつもだな・・・あいつの方が骨が折れそうだ」
「服部ってあの黒い人ね。凄かったよねー。あっんじゃあ、あの時の鍵って工藤
家?」

あまりにはぐらかされたあの時の鍵。
そういう理由なら納得いく。

「ああ、家の掃除と引き換えに宿代わりに使わせてやってる」
「なるほどー。すっきり〜。あ、すっきりと言えば今博士の家にいる女の子もコ
ナンと同じか?」

なんどか博士の家に行ったことはあるが、うまくすれ違っていたらしい。
ちょっと気になって調べてみたようだ。



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  18巻 シェリー 後編
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「本名は宮野志保。組織での名はシェリー。」

サラッと言ってのけてからコナンは(やばかったかな?)などと隣家の少女の氷の
憤怒を思い出した。

勝手に他人に人の一番極秘情報教えるとは・・・・良い度胸ね工藤君。

なんて言われても仕方ないほどの軽い口だった。
まぁ今更反省しても仕方ないが。

それに・・すでにこいつは知ってただろうし。いや、知ってたに違いないっっそ
うに決まってるよな?快斗っっっっ。←それなら言い訳が立つとか卑怯な事考え
中(笑)

「ああ、んで今は灰原哀・・ね。前言ってたKIDのファンって子だよな」
「・・・・・そうだな」

やはり知っていたのだろう(ふぅ命びろいしたぜbyコナン)、さらっと驚いた様子
もなく頷いた快斗。
ついでに思い出したように返され言葉に微妙な顔をしたコナンに快斗は首を捻っ
た。

まだ黒羽快斗としては灰原哀に会った事が無いからだろうか。
多分快斗は哀を普通の少女だと思っている。

「一度でも見れば、俺の感情が理解できるだろうさ。あの灰原にKID様とキラキラ
の瞳で見つめられる恐怖を!」

き・・恐怖?

両腕をさするコナンにどれだけ怯えてんのよ?と呆れるしかない。
ああ、真実を知らないとはどんなに幸せな事か。


ほんの3時間後。少女の生態を知ってしまった快斗はコナンと同じように両腕を
さすってガタガタ震えるしかなかったという。

おそるべしシェリー。


おしまい