◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 31巻 正義の言葉(前編) ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 正義とはなんぞや? こんな歳になると世の中のアンダーゾーンを覗いてしまって善悪が解らなくなる時がある。 例えば、一般的に正義の象徴の筈の警察が必ずしも全ての悪をさばける訳ではないし、 下手をすれば長い物に巻かれてしまう可能性だってある。 逆に世界的な犯罪者だって絶対的な悪かと言われれば俺には一概に言い切れ無い。 「悪は正義の味方に倒されるのが定石でしょ?」 いつか俺も倒されるのかなぁ。 なんて笑いながら言った怪盗を横目になんとなくそんな事を考えてしまった。 「阿呆。」 とりあえず膝蹴りをくらわせておいたが奴は笑みを崩す事はなかった。 冗談めかして言っていたがきっと本心だろう彼にちょっとだけ腹がたったから。 「おメーが悪だと判断したら即座に俺が監獄にぶち込んでやるよ。」 ふんっと言い切ってクルリと奴に背を向けた。 こんな欝陶しいヤローの相手なんざ時間のムダムダ。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 31巻 正義の言葉(後編) ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ オレサマの貴重な5分が勿体なかったぜ。 けっなんて悪態を尽きながら去ろうしたら 「コナンちゃん大好きーー!♪」 「は!?」 背後からガバァっと抱き着かれた。 うざい!ってか何でいきなし復活してやがんだ? 「ありがとっ」 「なんだおまえはマゾか?」 けなしたつもりが礼を言われて思わずビビる。 今の快斗を悪だと思ってない。そうコナンは言ってくれたのだ。 ならば自分にとって1番の正義であるコナンを 信じていればいい。 おまえがそう言ってくれる限り俺はおまえの側で笑っていられる。 だから 「さっすが俺のヒーロー!」 「意味わかんねーっつーの」 おしまい |