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32巻 キラキラ
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「なぁ。」
小さな体全部を使ってこちらを見上げてくる姿は可愛らしさ満点。
この生意気盛りの名探偵からこんな期待を込めて見つめられるなんて初の事かもしれない。
基本的に呆れた視線が多いよなぁなんて思い出して涙が出そうだ。
「なぁに?」
何を求めているか、なんて解り切っているけれど最後のアガキで気付かないフリ。
「俺用に難易度ワンランクアップしてくれ」
「やだ」
満面の笑みで両手を出したコナンの姿に色んな意味で目眩がしそうだ。
何をサラッと言っちゃってるんでしょうねぇ、このお子様は。
「なんだよーケチ」
「ケチで結構でーす」
ここで甘い顔をすれば後が大変だ。
今のうちにピシリと躾けておかねば!!なんて妙な使命感を感じつつ、
「この話しはこれで終わり!さぁ今日こそ映画いくよ。」
「ちっ」
舌打ちされましたよっ。
あーもう可愛いく無い!!
「ほら、行かないの?」
「行くけど・・・」
ふて腐れたお子様に
「中身もお子ちゃまでちゅねー」
なんてからかってやれば
「なぁ、こないだの母さん推薦のお菓子、段ボール一個分と引き返えだったらどうだ?」
あうっ大人の駆け引ききましたか(←取引材料がお菓子なあたりがお子ちゃま?(笑))
しかも甘党の快斗くんにとって魅力ありすぎ、ってか段ボール一個って凄くない?
「だ・・・段ボール大で2箱」
恐る恐る小さな要求を口にしてみたら
「よし飲もう。」
軽く請け負われた。このブルジョワめ〜。
「リョウカイしましたー」
後日「難易度ワンランクアップ」されたKID様の予告上を手に怖いくらいの
ニコニコ顔のコナンがいたとか。
おしまい
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