◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ 07巻 新一のニセ恋人!(前編) ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ ある日蘭が唐突に奇声をあげた。 「新一に恋人を作るわよっっっ」 「は!?」 何がどうしてそうなったのかはその時(いや、後になっても)全くわからなかった がとにかく蘭が本気で言ってる事だけはわかった。 蘭・・・お前・・・俺が好きなんじゃなかったのかーーーーーーーーーー!?← うぬぼれでは? 蘭の言い分はこうだ。 「実はとっても素敵な人から告白されちゃってどうしようか悩んでるの」 「・・・・・」 悩むのか?悩むのかお前? コナンは複雑な気分で蘭を見た。 なにせてっきり新一一筋と思っていたのだ。 勝手に浮気された気分である。←自分は「ま、いっか」で終わらせたくせに(笑) 「し・・新一兄ちゃんのことはいいの?」 「そうっ。それだけが問題なのよ」 蘭は力説する。 「一応幼なじみっていう関係を続けてきた以上一番身近だったじゃない?恋心と ファミリー感覚との境目がいまいちつかないのよね」 ふぁ・・ふぁみりーですか。 「で?なんで新一兄ちゃんに恋人を?」 「え?だって新一に恋人が出来たらこの気持ちも解るかな?って」 「それで新一兄ちゃんへの思いが恋心だったらどうするの?」 「んー・・・・・きっぱり決別するっ」 うわぁ。どっちにしても工藤新一と付き合う気さらっさら無いってことだね蘭ね ーちゃん・・・。 「だって待って待って待ち続けるのってあたしの性に合わないのよね。それにあ の推理バカと恋人になったらどーなると思う?」 「ど・・どうなるの?」 「まずデート中警察に呼び出される。呼び出されなくても事件に巻き込まれる確 率98%っっ」 「せ・・せめて95%くらいにしてあげて欲しいかな」 ささやかな抵抗である。 「もし結婚したとするわよ?家に帰ってくるの月に何日?」 「・・・・・・」 「帰ってきても事件について気になって調べてたりそれか読書。ねぇあたしとの 会話は?」 「・・・・・」 ど・・どうしよう。ひとっことも否定できない・・・。 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ 07巻 新一のニセ恋人!(後編) ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ 「もし仮に会話したとしてよ?探偵として活躍する以上守秘義務があるでしょ? まぁどっちにしても新一が私に弱みみせたりするわけないし、そうなると事件の 裏話とかはしてくれないわよね?きっと当たり障りないトリックとかを嬉々とし て語られるわけよね?それって私全く興味ないし。」 サックリと。結構厳しい事いわれております。 「ね・・ねぇ。新一兄ちゃんの恋人とか言ってる前にもう蘭ねぇちゃんの中で答 え出てるんじゃ・・・・」 「そうよ。とっくに出てるわよ。でもそれでも一応ケリはつけないとね。って訳 で新一に恋人を作りましょ」 「どうやって?」 「適当な人とくっつけるっっっって相手の人がかわいそうね。うーん難しいなぁ 」 蘭・・お前は俺をなんだと思ってるんだ? 「この際男でもいいわよ」 「・・・・新一兄ちゃんも男ですけど」 「いいわよいいわよ。あのバカなら包容力のある男と引っ付いたほうが世のため よ。むしろそっちのがお似合いね」 ひ・・酷い。これはいくら幼なじみでも酷すぎないか!? 「だって新一が女性に対して気遣いできると思えないし。新一を気遣ってくれる 男性かー。うーん服部君とか?あ、和葉ちゃんがいるから駄目ね。後は・・」 その後とある場所でコナンから紹介された黒羽快斗に白羽の矢が立ち、彼はしば らく蘭から 「ねぇ黒羽君。新一の恋人になってみない?顔はいいわよ一応。今なら特典でこ の洗剤もつけちゃうわよっ」 などと押し売りまがいなことを言われ続けたらしい。 「ねぇなんで俺男の恋人勧められてるの?そんな風に見えるの俺?それともやっ ぱりいじめ?コナンの恨みを蘭ちゃんが代わりにってやつ?ねぇっっなんで俺い じめられてるのーーーーっっっ」 快斗はその夜またもや悩んだという。 |