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4番隊の月と雲〜活動開始1〜
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ある程度の人材確保を確認した4番隊の隊長はある日何羽かの白い鳥を飛ばした
。



    班長集合してくれ。



待っていました。と各班のリーダーは喜び勇んで我先にと集合場所に駆け付けた
。

こんなにやる気溢れる隊員が在籍するのはこの4番隊くらいだろう。

「任務ですか?任務ですね?任務だー!」

初めて1から自分で作り上げた班の実力を試せるのが嬉しくてしかたないのだろ
う。

比較的のんびりやって来た5班の班長は扉を開いた瞬間あんぐり口を開いて固ま
ってしまった。
いや、確かに俺はのんびり来たぜ?でもそれは部下となった班員達に取り囲まれ
ていたから時間くっただけで今までの収集では新記録ってくらい速攻来たのだ。

冷静になろうと努めているのだが浮足立つのはしかたないのかもしれない。
収集のかかっていない班員ですら興奮気味だったのだから。



『班長っ任務ですか?任務ですよねっ絶対受けてきて下さいよ!』
キラキラした瞳で一生懸命に。子供みたいな彼らが実は暗部だなんて信じられな
いかもしれない。


(ったく俺も同じ気持ちってのがなぁ)
悔しいやら嬉しいやら。




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4番隊の月と雲〜活動開始2〜
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「しっかし…こんなに班ってあったのか。一体この隊何人いるんだ?」

と呆然と呟いたのはきっと彼1人ではないにだろう。まだ開設して一ヶ月たって
いないの
に。
「現時点では、各班20名以下の構成で50班。最大100人って内訳らしい」

「へーよく知ってるなぁ」
感心しつつ振り返れば愛嬌のある顔をした青年が一人。
「私が第50班の班長だからね」

「…やっぱりお前も引き抜かれたのかヒコ」
「やっぱりってねー。面子見てるとビビるよね。よくこんだけ見つけたもんだ我
が隊長と副隊長は」
「お前はともかく俺なんて一度もあの二人と任務したことねぇんだけどな」

何故かあの二人は自分が医療忍術を使えるのを知っていた。

誘い文句が
「戦える回復役を班長に欲しい」
だ。どこで仕入れてきたか知らないが確かにこれのおかげで今まで生き延びれた
ような物だ。
今回自分の班に誘った者たちは過去自分が助けたことがあるもの達。

前の隊長に知られるとうざいから極秘にしていたが何度かこれで味方を助けてき
た。

だいたい木の葉は医療できる者が少ないのだ。1班に1人は医療忍術が使えるも
のを…なんて決まりはあったが機能しているのはごく僅かな班のみ。
医療をバカにした隊長達のツケが今ごろやってきたって事だろう。

『今他んとこで後継育ててっからさ。ちとしばらく医療メインで頑張ってくんね
?』
それに引き換え。この新しい隊長の素晴らしいさ。
今までがアレだっただけに感動もひとおしだ。
思わず即座に返事しちまったぜ。
『4番隊の5班班長お引き受けします』

『マジ?あーよかったぁ』
心底嬉しそうに笑った隊長の顔はいつまでも宝物となることだろう。



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4番隊の月と雲〜活動開始3〜
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柄にもなくドキドキしたりしてるのかもしれない。シカマルは思った。

「明日収集かけるな」

うちの隊長はいつだって不敵だ。そんでもっておおざっぱだ。だから否定される
のを解っていながら聞いてみた。
「招待状は送らねぇのか?」
「はっ。わざわざ?これる奴だけこればいいだろ。運なんだよ結局。」
「あーソウデスカ」

おお。
鼻で笑われてしまった。実際初めての収集なのだから事前に用事を入れないよう
予告は必要ではなかろうか?と思う俺は一般人だと思う。相棒にいったらこれまた鼻で笑
われたが。
そういう相棒は飛び抜けて変なヤツだ。

運ねぇ


「俺らに見初められたんだぜ、あいつらは運がいい」
ははっ言い切るかソレ。

「じゃぁ俺はすでに運を使いきってるかもな」
お前と会って、相方なんて呼ばれて一生分の運使ったんじゃねぇ?
ふざけ混じりで本音を零してみたらキョトンとし顔をされた。

それから訝しい顔をして
「は?逆だろ逆。俺のが運を使いまくっちまったんだよ」
きっぱり言い切った。

バカが。思わず言葉につまっちまったじゃねぇか。

「まぁあいつら前の隊辞めて暇してるだろうから半分は集まるだろ。来れなかっ
たら副隊長呼べばいいし」
フイと顔を窓へと向けて話しを戻す相方に笑みを誘われる。

「おまえ…顔赤いぜ」
「っせー」


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4番隊の月と雲〜活動開始4〜
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半分なんてもんじゃなかった。

「一人も欠けてねぇな」
「驚いた」
雲の言葉に月が頷く。

「しかも早っ」
「召集かけた俺らが最後ってどーよ?」
鳥を飛ばして約10分。そろそろちらほら集まってるかな?とやってきた二人は
とにかく言葉を失った。


「すげぇ」
「マジかよ」
室内に入って最初の隊長のお言葉は感嘆。
副隊長のお言葉は呆れ。

一斉に振り返った50の班長たちは呆然と扉を開けたまま固まる2人にザッと膝
をついた。


最初の任務はAランクから。
それは班のレベルを見る為に。

「もう、すっげ単純な任務で笑えるぜ」
50の部下に開口1番そう語った。
「1班から5班班長。ちとこっち出て来てくれ」
ちょいと手を振る。
自分の横にならんだ5人
「こいつらの班は回復をメインにしている」
月の言葉に驚いた者多数。

前に立つ5人は誰もが腕利きで、班長に相応しいと思われた。
だが
「回復?」

あの5人が?

「お前らよく隠してきたなぁ」
呆れたような感心したような声音に小さく笑う5人。


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4番隊の月と雲〜活動開始5〜
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「そんな期待されると困るんですけどね」
「私たちが使える医療忍術なんてたかがしれているんですよ」
「重傷までならともかく重体の患者にはお手上げするしかありません」
「俺達自身、独学やらかじった程度できちんと習ってないですから」
「とは言え…この一ヶ月嫌ってほどみっちり仕込まれましたけど」

5人は口々に言葉を紡ぐ。そう、月と雲は新人の回復役の勉強会にこの5班の班
員をほうり込んだ。

おかげで彼らはめきめき医療の知識を手に入れた。
口では文句を言いつつも内心とても感謝していた。

「知っての通りこいつらは戦える。むしろ前線での戦闘に使えるくらいの腕前だ
。しばらくは回復係に専念してもらうが1班から5班は全員が戦闘力が高い。さらに回復
も完璧になれば最強の班になるだろうな」
もともとの戦闘力に医療忍術がつけば凄い事だ。

思わず他の班長はゴクリと喉をならした。

「それを踏まえた上で、今日の任務行くぜ」

彼らは思いしった。医療の大切さを。

その後1〜5班の面々に授業を請う他の班員が見られたとか。







おしまい