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      4番隊の月と雲〜知りたくなかった事もある(前編)〜
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4番隊を作って気がついてしまった事がある。
今更だから誰かに文句言うなんてできないけど

「だぁぁなんだよこれはっ」
「めんどくささの極みだぜ」

そう、隊長、副隊長のお仕事には隊をまとめる以外にとんでもなく大量の机仕事
があったりしたのだ。

(なんてこったい。知ってたら別の奴に隊長(副隊長)を押し付けてたってのに
)
と言うのが2人の偽らぬ気持ちである。

「っつかさ、他の隊の隊長でデスクワークしてる奴って見たことないんですけど
」
ナルトの言葉は正しい。実際ほとんどの隊長クラスは部下に任せる。
どんな重要書類も全て部下に。

「いかに使えねぇかが解るな」
「シカに同感。」

そんな訳で二人は隊設立後できる限り昼間に書類を片付けていた。

よーするに 

「こぉらナルトーシカマル!授業中に内職しないっ」
アカデミーの更にはイルカ先生の授業中がベスト。

だったりするわけだ。

イルカにバレて以来、2人は全く遠慮しなくなった。
それこそ当然見逃してくれるよな?なんて無言の笑顔すら見せてくる。
それにイルカは深く深く溜息をついた。

「・・・お前らなぁ」


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      4番隊の月と雲〜知りたくなかった事もある(後編)〜
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お互いにバレてしまえば結託は早い。
なまじ表の顔で知り合いだっただけにちょくちょく会っても怪しまれず、更には
裏の顔を知る者も火影以外にはいない。

なんてことだろうか。
完璧に都合のよい愚痴相手ではないか。

・・・と言うわけで何気に相変わらず2班の班長仕事を押し付けられているイル
カと三人で書類片付けをするのも生活の一部になりつつあった。

「全く、俺が表の仕事で忙しい時に着々とお前らだけ裏の仕事片付けるなんて・
・そんな卑怯なこと俺がさせるとでも思ってるのか?」

黒い黒い笑み。
基本的に優しいイルカだが、気心のしれたナルトとシカマルには最近特に見せる
ようになった黒さ。

「自分本位な考え方なんてイルカ先生らしくないってばよ!」

なんて突っ込んでも、

「はは。覚えておけよ、人間は結局自分が一番大切なんだよ。」
「うう。イルカ先生が絶望的な事を生徒に教える日が来るなんてーーー」
「優しい空さんがこんな人だなんて・・・・」

「「知りたくなかった」」

それでも、そんなイルカ(空)を見せてもらえた事に結構優越感を感じてたり・・
・・。



おしまい