きり番「9999」ヒットありがとう。

眞彩様に捧げます。


小さな結託



あるひじょーに晴れた日の事だった。
雲一つない青空からこれでもかと言わんばかりに降り注ぐ太陽は激しく暑く、人々をあざけ笑うかのようだ。
辺りの気温はすでに一般的春の常識を越えていた。
まだ4月だというのにこんなに暑くていいのか?
そう問いかけたいくらいに。

「今日も世のため人のためっ」
そんな暑さも物ともせず朝も早くから元気な五人の子供達が公園にたむろっていた。
だが彼らはただの子供達ではない。
自称
「少年探偵団しゅつじーーん」
探偵団である。
ちょっと肥満が入ったガキ大将のような少年の言葉に続き赤いカチューシャをつけた可愛らしい女の子が腕を振り上げてかけ声をかける。
そばかすの少しめだつヒョロリと縦長の少年、光彦はガキ大将元太と声をそろえて叫んだ。
「「おーーー」」
だが残念ながらあと二人の少年少女は乗ってくれなかった。
大きな眼鏡をかけたテレビに出てもおかしくないほど愛くるしい顔立ちの少年は白い肌を暑さでかほんのり赤く染め、すでに今からグッタリ疲れた様子で地面にしゃがみ込んでいた。しかもさりげなく日陰に避難している。
子供らしさのかけらもない空気を放つ茶色い髪の少女はと言うとそんな年寄りじみた彼の隣にひっそりと立ち元気な三人の様子を微笑をうかべ見守っていた。

「なんだってこんな殺人的な暑さの中パトロールなんかしなきゃなんねーんだ?」
やる気なさげにぶつくさつぶやく。
「何言ってるんですかコナン君。こんな暑い日だからこそ事件というものは起こるんじゃありませんかっ」
そんな少年・・コナンの言葉を聞きとがめた光彦はお気に入りの青い帽子を深くかぶり直すとチッチっと立てた人差し指を左右に振った。
「そうそう暑くてむしゃくしゃしてつい・・・て事もあるんだから」
小さなリボンが後についた赤いスカートと白いネコのワンポイントのTシャツ姿の歩美はふわりと膝丈のスカートを揺らしコナンの前にしゃがみこんだ。
(ハハ・・お前らが求めている事件の質が読めたぜ。ズバリ通り魔殺人。しかも現行犯逮捕の予定・・・なんてお気楽な奴らなんだ。)
春とはいえこんな暑い日に朝早くから(とは言っても9時だが)ちょろっと街をぶらついたくらいでそんなもんに出くわしたら怖くて外あるけねーっつーの。

あきれかえって三人を見ていたら一人この暑い中汗一つ掻いていない少女灰原哀が静かに口を開いた。
「あながち間違いというわけではないけれど。
統計からすると比較的暑い日の犯罪発生率は上昇するわね。まあ通り魔遭遇率で言えば朝より夜のほうが高いでしょうけど」
子供の身では夜のパトロールは不可能だ。
そのためこんな朝からの活動なのだが昼じゃないだけマシなのかもしれない。
だがしかしこの子供達その通り魔さんと出逢ってどうやってとっつかまえるつもりなのか。
微笑ましいを通り越して無謀という文字がコナンの頭を横切る。

「ほーらー灰原さんもこう言っているし、立って立って。」
きっと灰原の言った意味はよく分かっていないものの雰囲気で自分の援護をしてくれたのは分かったのだろう歩美がやる気なさげななコナンの腕を引っ張り立ち上がらせる。
「やれやれ」
仕方なしに立ち上がると灰原と目を会わせ肩をすくめてみせた。
それに相変わらず微笑を見せ灰原はそんなお子様達四人の面倒を見るために最後尾をつとめるのだった。




それが毎週日曜日の習慣である。
たぶん夏が終わるまで続くのだろう。そう思いコナンは今からげんなりする。
ただでさえ朝は苦手なのにさらに元気に走り回る子供達に付き合うのは思った以上に体力がいる。
「健康的でいいじゃない?」
そう言う灰原は珍しい事に毎週パトロールに参加している。
「朝の散歩は体にいいわよ。私はあなたのその不健康な体の為に付き合ってあげているのよ。そうでもしないとあなた理由つけてサボるでしょ?」
確かに灰原がいなければ適当になにかしらでっち上げて不参加しようと思っていたコナン。
灰原がいたのでは間違いなく矛盾点を指摘するなりなんなりして3人の探偵団にチクル。
それは次の日学校でめんどくさい目にあうというリスクを負い、それくらいなら・・とがんばって参加していた。

「今日も平和でつまんねーなー」
まだ歩き出して数分だというのに頭の後で腕を組み、ぐーーとのびをしながら後にいるコナン達に愚痴る。
そんな元太の言葉に一斉に二人が騒ぎ出した。
「そうそう怪しい人の一人くらいみかけそうなものですけどね」
「いないねー。やっぱりもうちょっと遠くまで行ってみる?」
「でもお昼ご飯までに帰ってこれなくなるからなー。あー腹減ったぁ」
「・・・さっき朝ご飯食べたばかりじゃないですか元太君。」
「そうだけどよー。やっぱ食パン3枚じゃ足りねーなー。朝はご飯が一番だ」
「元太君食べ過ぎっだからこのお腹へっこまないんだからっ」


「・・・・」
食パン三枚?非常識な事を聞いた気がするコナンは口元をうっっと押さえた。
「ちなみに貴方は朝食は?」
「食ってねー」
「やっぱり。はい。せめてこれくらいお腹に入れておきなさい」
灰原に手渡されたのはミニミニのメロンパン。手のひらサイズのそれは元太なら一口。
コナンなら5口くらいで食べてしまえるだろう量だった。
「本当ならおにぎりがいいのだけれどあなた朝からご飯食べれないでしょ?」
「食べれなくはねーけど?いつもご飯だし。」
蘭が用意してくれるため頑張って食べてはいるけれどかなり後で胃にくる。
「それじゃあ来週はおにぎりにでもしようかしら」
「・・・うわーミニミニメロンパンだーおいしそー。」
わざとらしく可愛らしい声をあげ空いていないお腹にありがたくパンを詰め込み終えたコナンは少し力が湧いたような気がしてきた。
「まったくの空腹より少しなにかを胃に入れた方がお昼頃にもお腹が空くわ。」
確かに朝抜いて、昼抜いて、夕方になにかパンでも食べてそのまま寝る。
そんな生活を過去何度もしてきたコナンにとって納得できる言葉だった。


「あーコナンずるいぞっお前ばっかりー」
「・・・元太おまえまだ食うつもりなのか?」
「いーじゃねーかーお腹すいてんだから」
「小嶋君。あなたの肥満の原因は間違いなく食べ過ぎよ。その腹部をどうにかしたいと少しでも思っているのなら朝のパンを二枚にして後はサラダか目玉焼きにでもしなさい」
プニッとお腹に指をうめこまれた元太は指どころか手のひらが潜り込んでいき目を丸くする歩美にへへっと笑うと灰原に不機嫌そうな顔を向けた。
(あのお腹マクラにして寝たら気持ちよさそ・・・・)
などと失礼な事を考えていたのはきっとコナンだけではないのではないだろう。
「えーーーそれじゃあ腹膨れねーよー」
唇をとがらせる元太に灰原は真剣な表情で指摘する。

「今に成人病にかかるわよ。そのまえに足腰にくるかもしれないわね。病院で入院して体が平均に戻るまで食べたい物も食べれない生活がやってくるわよ?」
それでもいいのかしら?
間違いなく脅しである。
だが実際本当にそうなる可能性も否定できないめ「本当か?」と問われたコナンは迷わずうなづいた。
「・・・うな重も食べれなくなるのか?」
どうやらそれが一番痛いらしい。
「当然ね」
「・・・・・・う゛ーーー」
真剣に考え始めた様子の元太に一つうなづくと灰原はさっ行きましょとパトロール再開の合図をかけた。


そんなこんなでだいたいいつもの巡回路も終盤にさしかかった頃、結局なにも事件が起こらず不服そうな子供達を見つめコナンはため息をついた。
(なあーそろそろ諦めねーか?暑くなってきたし)
昼に近づくにつれて太陽が強くなってくる。
額に浮いてくる汗を鞄に入れていたハンドタオルで拭いつつコナンは遠くを見つめた。
暑い・・・・。
あの日陰で一休みしたい・・・。
あのコンビニで涼みたい・・・。
早く帰りたい・・・。
クーラーの中で一日ゴロゴロしたい・・・。
彼の頭の中は欲望だらけである。

そんなコナンが恨まし気に見ていたコンビニから一人の青年が出てきた。
少年探偵団達はというとやはり暑かったのかコンビニの開いた自動ドアから爽やかに流れてくる冷たい風に身をゆだねていた。
「あー涼しい」
「そろそろお昼ですし帰りますか?」
「そうだな。今から帰ってまた2時頃集合すっか」
「今度は体力作りよね。この間はブランコでスピード感を鍛えたけど今日はどうする元太君?」
一体どうやったらスピード感が鍛えられるか知らないが、とりあえずひたすらブランコをこいでいた気がする先週。そのうち飽きたのか誰かが靴を飛ばしはじめ最後には靴とばし競争に変わっていた。
「今日はーーんーーーー」
腕を組み頭をひねる元太と光彦。
あほくさくてあらぬ方を向いていたコナンは元太につっつかれ考えているふりをしだす。
「うーん」

とりあえず唸っているとなにやら少し離れたところで先ほどからジッとこちらを見ている視線を痛いほど感じた。
なんだ?
そう思いゆっくり顔をあげてみる。

「もしかしてコナン君ですか?毛利さんところの」
へ?と顔をあげたコナンの目に飛び込んできたのはスラリとした容姿の一人の男。
あの茶色いズボンは確かさっきコンビニから出てきた人と同じ気がする。
足しか見てなかったコナンはゆっくりと顔を見つめる。
あれ?この顔は・・。
白馬・・・・。

「探お兄ちゃん?」
「ええ。あの事件以来ですね。お久しぶりです」
「うわーすごい偶然だね。」
「そうですね。こんな所で会うなんて思いもしませんでしたよ」
「それはこっちのセリフだよ。ここらへんは僕たちがよく通る道なんだ」
子供らしく胸をそらして偉そうに言うコナンに白馬は素直にうなづいた。
「そうなんですか。今はどこかへ行く途中なんですか?」
「「「パットローールゥゥ」」」
「です」
「なの」
「だぜっ」
二人の会話に割り込むと元太達は偉そうに腰に手を当てた。
「俺達は世の中の平和のためにご町内を見回る義務ってーのがあって忙しいんだよ」
へへっと笑うと元太はでも腹が減るけどなとお腹をなでつけ付け加えた。
「今もパトロールの途中なんです。」
「ぜーーーったいこーゆー日は怪しい人がいるんだからっ」
三人の口々の言葉に白馬はというと真剣な表情で相づちを打っていた。
ほ・・・本気にしている。
それに驚愕をうけたコナン。
しかも更に
「凄いですね。まだこんなに小さいのにそんな立派な事をしているなんて。
パトロール頑張って下さいね。」
尊敬の眼差しを三人に向けお褒めの言葉を投げかけた上に応援の言葉まで上乗せだ。
それのすべてを子供にあわせてやっている風ではなく、心から言っているようで、コナンはなにやら感動してしまった。
(いー奴じゃんこいつ)
子供だからとバカにするのではなく、きちんと一人の人間として扱うのは簡単そうに見えてその実結構難しい。
現にコナンはこの姿になってから何度涙をのんだことか。


「ありがとなにーちゃん」
「力の限り頑張らせて頂きますっ」
嬉し気な二人をよそに白馬の柔らかな笑みにノックダウンをくらった少女が一人。
それもムリの無いこと。
何せ白馬はハンサムという部類に属するお坊ちゃま。
にじみ出る生まれ育ちのよさと純粋培養の柔らかな物腰。
そして母性本能をくすぐる天使の微笑み(本人無自覚)。
老若男女を問わずしてもてるだけの事はある。
「吉田さん。顔が赤いわよ」
そんな小さな乙女心を理解しているのかいないのか、たった今まで一言も口を開かずそこらにたたずむ電信柱とかわりない空気醸し出していた少女哀は後に手を組んだまま冷静に言い放った。
「あっ本当ですよ。春とはいえ暑いですからねー」
都合良く解釈してくれた光彦にホッとする歩美。
熱くなった頬を両手で押さえうつむく。
誰に誤解されても困らないが淡い恋心を抱いている隣の少年にだけは気付かれたくなかった。
(違うのっこれはそのっちょっっっとテレちゃったたげで浮気とかそんなんじゃないんだからねコナン君っっ)
心の中で必至に言い訳をしつつ笑顔でハンサムなお兄さんと会話を交わす歩美の王子様コナンを見つめた。
彼は今日は帽子付きの青いTシャツにベージュ色の半ズボンというラフな格好をしているものの、何故か歩美には格好良く映る。
コナンから放たれるピンと引き締まった空気を歩美は無意識に感じ取っているのかもしれない。
女性の感といったところだろうか。


そんな歩美を傍で見ていた灰原はそっとため息をついた。
(あんな鈍感に恋心抱くなんて可哀想で仕方ないわ。あの天然はきっと死んでも治らないんだから)
歩美びいきの灰原は困った彼に冷たい視線を一瞬だけ投げつけた。
「灰原。言いたいことは口で言えよ」
何故かそんな瞳には敏感なコナンが即座に振り返りすでにあらぬ方を向いていた灰原に眉を寄せ言った。
「別に特にないわよ?」
気のせいでしょ?そっけない対応にコナンの前にいた白馬のほうが居心地が悪くなり目をおよがせた。
「お前の視線すっげー痛かったんだけどな」
「あらそお?」
あくまでとぼける気らしい灰原に追究をあきらめるとコナンはすぐににこやかに微笑み探偵団に言った。

「悪い俺午後から探お兄ちゃんの家に行くから鍛錬には参加できねーや」
鍛錬?首を傾げる白馬をよそに3人の子供達が「「「ええーーー」」」と叫ぶ。
「ずっるーーいコナン君歩美もいきたーーい」
「そうですよ僕たちは一心同体じゃないですか」
「一人だけうまいもん食うつもりだなっ」

「・・・・・」
なぜそうなるのだろうか?
一心同体?いつからそうなったのでしょうね。
うまいもん?お前の頭は食い物しか詰まってないのか。
なんで君たち連れてかなきゃなんないのかな?
微笑みの中にまじるそんな感情を冷静に受け取った灰原は
「申し訳ないのだけれど私たちもお邪魔してよろしいかしら?白馬探偵?」
コナンと正面対決を避けなかったらしい。
「は〜い〜ば〜らぁぁぁ」
お前俺に恨みでもあんのか?
低いコナンの言葉を軽くうけながすと灰原は無表情のまま白馬を見つめた。
白馬はというといろいろと頭の中で考えてはいたものの表にはださず
ただ「別にかまいませんよ」
とだけ述べた。


「探偵?探偵なのか兄ちゃんっ」
「え?はいそうです。」
目をきらきらさせ足にしがみついてきた元太にちょっぴり腰を引きながらそれが何か?と尋ねる。
「あのね。私たちも探偵なのっっ少年探偵団っっ」
「え?ああそうだったんですか。奇遇ですね。」
同じ探偵とは言いつつも、ハッキリ言って天と地ほどの差があるとは思うのだが。
これが毛利小五郎あたりなら間違いなく『ああ?ガキのお遊びと一緒にすんじゃねー』などとののしったかもしれない。
「あのっもしよろしければどんな活動をなさったか後で教えて頂けませんかっっ」
光彦も頬を紅潮させ興奮気味に尋ねた。
「いいですよ。でしたらー後で迎えに来ますね。ちょっと歩くには遠い位置に僕の家はありますから家の車をとってきます」
「いいの?」
「ええ。もちろんです。」
「すっげー良い兄ちゃんだなー」
「まったくですこんないい人珍しいですよ」
子供達の口々の賞賛に白馬は照れくさそうに微笑むとそれじゃあまた後でとコナンだけ連れて帰っていった。
コナンを連れていったのは道案内のためだ。
そしてコナンは付いていった事をこの後後悔することになる。

延々歩いてただ今50分たちました。
アホじゃねーの?こいつと思ったのは30分以上過ぎた頃。
なんでそんなに時間かけてあそこまで散歩してんだよ。
てっきり遠いと言っても大人の足で30分くらいだろうと思っていた。
子供なら40分以上かかる。
だがコナンの予想を反して本当に遠かった。
(付いてくんじゃなかった・・)
太陽はすでに真上にありコナンの体力を奪ってゆく。
「探お兄ちゃん。まだ着かないの?」
「え?そうですねようやく半分といったところでしょうか」
「え゛?」
予想外の言葉にコナンは心の声がそのままでてしまった。
「疲れたーーーー僕ここで待ってるーーーもう歩きたくないーーー」
これは子供のフリしてだだをこねるしかないと判断したコナン。日陰をみつけそこにしゃがみこむと首をブンブンふりまわした。
「・・・困りましたね。あ。そうだ電話して迎えにきてもらいましょうか」
ポンと手を叩き白馬が頷いた。

「僕です。探です。ええ。はい。ちょっと車で迎えに来て欲しいのですが。場所は―――――」
携帯を取りだし自宅へとかけ出す。
それを見てコナンはため息をついた。
最初からそうすればよかったじゃねーか・・・。
「すみません。うっかりしてました。そうですよね最初から呼べば良かったんですよね。
50分近くも歩かせてしまってすみません。」
コナンの疑わしげな目に気付いたのか愁傷にあやまる白馬に、これ以上膨れるわけにもいかずコナンは鷹揚にうなづいた。
「うん。別に怒ってないよ。」
呆れてるだけで。
「よかった。今日はあの子達が来るから例の小説については今度語り合いましょうね。」
「あ。そうだね。探お兄ちゃんもあれ読んでると思わなかったなー」
「そうですか?僕の好きなジャンルですよ。ただちょっと・・・心理描写が強すぎて苦手な人は多いですよね?」
「うん。僕も最初は避けてたんだけど最近ちょっと面白くなってきたもん」
「そうそう。はまると徹底的にはまってしまうんですよ。同士がいて嬉しいです。来週確か土曜日お休みですよね?」
「うん。第二土曜日だから。」
「その日で都合がよろしければお昼頃迎えに行きますよ」
「ありがと。それじゃあ土曜日にね。」
「ええ。」
ようやく来た車に乗り込み二人は4人の探偵団を迎えに来た道を戻った。
今度は涼しい車の中で。




「・・・と言うわけなんですよ」
そこまで聞いて快斗の顔は最高潮にまでしかめられた。
(コナンちゃん無防備すぎっっ。一人で白馬の家に行くだなんてっっ)
うっかり会話中明日はコナンが来ると口をすべらせてしまった白馬はその成り行きを聞かれ、あっさりと口を開いた。
「俺も行く」
「・・・え?別にいいですけど小説の話しても横から嫌な突っ込みいれないで下さいね」
「なんだよ突っ込みって俺は漫才師かっ」
「失礼ですね。人を楽しませてくれる漫才師とあなたが一緒なわけないじゃないですか。」
「・・・・」
・・・どっちが失礼なんだよ。おい。




「・・・と言うわけなんですよ」
次の日どこかで聞いたセリフだなと思いつつ快斗はにこやかに嫌そうな顔をする少年に挨拶をした。
「やっほーコナンちゃんおっひさーぁぁ」
それでこいつも着いてきたってわけか。迎えにきた車に乗り込もうとしたところでコナンは後にちゃっかり座っていた快斗の姿を認め呆然とした。
「快斗・・・お前なんでここにいるんだ」
小声の質問が聞こえたのか前から白馬が説明をしてくれた。
だが説明になっていない気がする。
「だってね。コナンちゃんが心配だったんだもん。」
口もとにこぶしをあて可愛く体をよじる快斗にコナンは罵声を投げかけたくてしかたない思いにとらわれた。
後でその腹に何か蹴りつけてやるっ。

「この間も思ったけどおっきいねー」
「・・・・すっげー。ここまで広いと思わなかった。さーすがおぼっちゃま。」
家の中にはいり、白馬の部屋まで行くのに10分かかるというのは異常だろう。
その通り道微かに開いているドアをみつけ好奇心にかられたコナンがそっと覗いてみた。
「あっっあれっあれって」
慌てたように快斗を手招きしたコナンは部屋の奥に飾られている一枚の絵画を指さした。
「・・・・モネ?ルノアールもあるじゃねーか」
こんなもの美術の教科書でくらいしかお目に掛かったことがない。
「本物ですよ」
言われなくともコナンも快斗も分かったがとりあえずへーと返しておく。
「あれ?これは?」
大きな布の掛かったパネルが壁に立てかけてあった。
これも絵画か?そう尋ねる快斗に
「ひみつです」
含み笑いつきで白馬はそう言った。

隠されると余計に知りたくなるのが人間といったものだろう。
もちろん二人も気になって気になって、特にコナンなど普段の好奇心が今集中してこの布の下に向かっているようだった。
「ねっねっもしかしてすっっっごく高ぁぁぁい絵とか?」
「さあ?」
「なんだよもったいぶらずに―――――」
楽しげな白馬のようすに焦らして楽しんでるように見え快斗が文句をつけようとしたとき、その布がハラリと勝手に落ちた。
「「あ・・・」」
二人とも目が離せなかった。



「あーあ見られてしまいましたね。ギリギリまで内緒の予定でしたのに」
それに近づきそっと額縁に触れる白馬にようやく意識を取り戻したコナンがかすれた声で尋ねた。
「こ・・これって写真?」
「ええそうですよ。先週コナン君が帰った後に業者さんに頼んでここまで引き延ばしてもらったんです。ここまで画質を落とさないのは見事な腕前ですよね。」
同意を求められてもコナンは困ってしまう。
「あーあーーそのーーーこれはーーーいったいなんのために?」
「え?ああ。まだ早いですが誕生日にプレゼントしようかと思いまして―――――」
用意したものですと続けたかったが下から見上げてくる痛いほどの視線に白馬は口を閉じた。
「探お兄ちゃん」
「はい?」
いろいろな感情をおしころしてコナンが笑みをつくる。
「いらない」


「・・・・・は?」
「僕これいらないから」
「・・・あ・・・そうですか?」
困った顔の白馬にコナンは頷いた。
なにせ布の下から現れたのは大判の額縁に飾られたコナンの写真だったのだから仕方のないこと。
いつ撮られたのか盗撮であるにもかかわらず実にいい写りだった。

「置く場所に困るよこれって。」
白馬の家は天井が高いからいいが、毛利家では間違いなく天井すれすれまで場所をとるだろう。
いやその前に家に運びいれられない。
「そう言えばそうですよね。置く場所。考えていませんでした。」
「うんだからいらない。」

なかなかハッキリ物を言う子だと白馬は怒るより感心してしまった。
「それじゃあどうしましょうね。これ僕が頂いてしまっても構いませんか?」
「あ。うん。悪いけどお願い。」
捨てるのも一苦労なのだから任せたほうが楽だ。
そんなコナンの言葉にようやくフリーズから覚醒した快斗がつめよった。
「ずるいっっずるいずるいずるいーーー。なんで白馬だけーー」
以前コナンの写真を部屋に飾っていた快斗はそれを見つけたコナンに没収された。
それ以来コナンが遊びに来るときはかくしていたが、なぜ白馬は堂々としかもこんなでっかい写真を所持する許可をもらえるんだ。
「下心がないから」
そんな快斗にズバリと言ってのけるコナン。
「嘘だぁぁあるっ絶対あるっ白馬だって油断できないっっ。この写真使ってあーーんな事やこーーんな事されたらどうすんだっ」
「あんな事やこんな事ってどんな事だ?」
首を傾げ尋ねられ快斗は慌てて口を押さえた。
自分の行動をばらしてどうするんだ俺っっ。
どうやら心底不思議らしくコナンは思った以上に純真な瞳を快斗に向けた。
やめてっ汚れすぎた俺の心にその瞳は毒なの。


そんな快斗の一人パフォーマンスを楽しく見ていた白馬は、
「コナン君あんな事やこんな事というのは写真を売ったり、写真にらくがきしたりそんな悪い事のことですよ」
本気で言っているのか適当にごまかしているのか全く分からないところが実に怖い白馬探17歳。
「へーお前そんな事してやがったのか?」
「してません」
自信をもってそれは否定できる快斗。もっと悪い事に使ってました・・などと自白できるはずもなく、とりあえずその話は闇の彼方へほおむりさる。

「あっそうそうコナン君。誕生日確か5月でしたよね。他に用意したいのですが、何か欲しいものありますか?」
「うーんそれじゃあ探お兄ちゃんの部屋の一番右端にある本棚。あの中から一冊もらってもいい?」
頬をピンクに染めワクワク尋ねる。
膨大な量の本が保管されている白馬家だが、その中でも白馬が気に入ったものは白馬の部屋に置いてある大きな4つの本棚治められている。
「え?あれはすべて洋書ですよ?それでよろしければなんでも・・・・・」
言いかけて少し考えるそぶりをみせる白馬。
「そうだあの棚には・・」
慌ててコナンの写真のある部屋から飛び出し隣の自室へと駆け込んだ白馬。
それにヒョコヒョコと二人がついていくと、右端の棚を漁っていた白馬はやっぱりとつぶやいていた。
「なんでもいいですがすみません、この三冊だけは除外させてください」
と古く黄ばんだいかにも年代ものを指さした。
「まあコナン君がホームズの初版を読むなんてことさすがにありませんよね」
自分の慌てぶりに苦笑しつつ背後を振り返るとコナンの無言の笑みが待っていた。
内心「ちっ」と舌打ちをしていたかもしれない。

・・・狙ってたんですね。
・・・狙ってたんだな。
二人同時に思うと無邪気さをよそおったしたたかな少年を見下ろした。

「やだなぁそんな難しそうな本読まないよ僕」
手を振って素晴らしい演技力で言ったが、もう遅い。
「・・・・・そうですか。」
「・・へーそう」
「うん。そーだなぁどれにしようかなぁ」
しらじらしいと知りつつも演技を続ける見た目可愛らしい子供に白馬はそっと快斗に耳打ちした。
「コナン君って・・一体」
「いや俺も未だ奴の本性は掴めてないし」
ヒソヒソやりだす二人をよそに自分の家にはなく、さらになかなか手に入りにくい本を探し出す。
(おっこれ掘り出しもんかも。)
背表紙を見てほくそ笑むとそっと手にとってみる。
「・・・・・・・決まったっっっ探お兄ちゃんこれ貰うね。」
バンッと見せたそれは白馬の顔が青ざめる品物だった。
「それは・・・」
さすがにさっき三冊を除外した手前それもダメなんて言えない白馬。もちろんそこまで見越してのこの行動だが。
「た・・大切にして下さいね」
震える声でそれだけ言った白馬にコナンは目を輝かせて頷いた。
「うんっっ」
その本はこの棚の中でも年代物だった。
発行数は多い物の、古いためここまで綺麗に保存されている物は珍しい。
この先一生探したとしてももう手に入らないだろうそんな珍物の一つだった。
心で涙を流しつつ白馬はようやくその本から目を引き離す。
高い誕生日プレゼントになってしまったな。
隣で気の毒そうに見ていた快斗は嬉しくて仕方ないといった表情のコナンに目を移し相好をくずした。

さてこの後は当初の予定通り小説のうんちく会である。
最初の1時間はなんとか耐えていた快斗はとうとう我慢の限界に達しつい口を開いてしまった。
それに二人が機嫌を害し、2対1で論議が続いた末に言い負かされて追い出された。
正確にはコナンに白馬の部屋からけり出されたのだ。
「しくしく。2対1なんてずるいやっ。どうせそろそろ帰るつもりだったけどさー」
「だから言ったでしょうどうせあなたは突っ込みをいれてしまうって」
「まあな。だって口がうずうずして仕方なかったしーそれにつまんなかったんだよなー」
「まあそうでしょうね」
ひたすら二人で和気藹々と話ていたのだから疎外感を感じても仕方ないと白馬もうなづく。
「だいだいここまで『おたく』はいってると思わなかったし」
「おたく?」
「あーそのーマニアみたいな感じ?」
「マニア・・・嫌な響きですね。」
「僕はおたくもいやだけどな。」
コナンの突き刺さるような冷気を感じ快斗はえへっと愛想笑いをふりまくと
「んじゃまたなーーーー」
速攻逃げ出す事にしたらしい。
彼もまだ命が惜しかったのだろう。


「・・・・」
「・・・・」
残された二人はというと顔を見合わせ思わず笑い出してしまった。
部屋に戻ると声をそろえて言う。
「「予想通り」」






そして逃げ出した快斗はというと。
そのころえっちらおっちら大きな荷物を運んでいた。
もちろんあの部屋に盗聴器を仕掛けておいた快斗はもし万が一白馬が突然コナンをおそっても助けにいけるようにポータブルMDにしか見えないものをポケットから取りだしイヤホンを耳に装着した。
「ま、そんな確率は俺がテストで0点とよるり低いけどな」
白馬をなめているのか信じているのかそんな軽口を叩きつつ。

『そういえばさっきの写真ですが本当に頂いてしまっても?』
『うん。いらないし』
『そーですか。せっかく仕掛けがしてあったのに残念ですね』
『仕掛け?』
『ええ。実は―――――と実物みたほうが早いですね。』
そこまで聞いて快斗はやべっと顔をしかめた。
なにせたった今その写真は快斗が担いでいるのだからその場にあるはずがない。
「しまったなあ。」
これでは二人にバレバレではないか。
あんなドデカイものをどうやって隣りの部屋にいた二人に気付かれず外へ運んだのか快斗はそれを近くの隠れ家にそっと持ち込んだ。
「うーん可愛い♪」

隣りの部屋に移動したせいで声が遠い。
多分開いた扉から聞こえてきているのだろう。
超音波ですら聞き取れてしまうような快斗の耳だからこそ聞こえたのかもしれない。
『あれ?おかしいですね』
『・・・大方どこかのバカが盗んだんじゃない?』
はーーいどこかのバカでーす。と飛び出しかねない快斗。
実はまだ白馬家から2.3分の距離にいる。
警視総監の家の目と鼻の先に隠れ家を造るとはなかなか良い根性である。
あまり受信状態がよくないためこれ以上の距離をとれない快斗はここでゆっくりコナンが帰るまで見張るつもりだった。
もちろん忍耐がいる。だがコナンの可愛らしい写真があれば3時間でも4時間でもここに居ることは出来そうだった。
快斗は耳元の声を頭の片隅で聞き取りながら目の前の大きな写真をうっとりと眺めていた。
『まあなくても説明できますけど・・困りましたねぇ』
『なんか危険な仕掛けでもしたの?』
まさか・・と苦笑を返すと白馬は仕掛けの内容について語りだした。
それにちょっぴり興味の出た快斗は遠い声を拾おうとイヤホンを手のひらで押さえ耳に神経を集中させた。
『あれはある日に発動するんです』
ある日?
『ある日?』
快斗の疑問をコナンが聞いてくれた。
『ええ。ある日としか言えません。ランダムに設定してありまして。とりあえず一番遅くて6月の半ばなんですけどそのXデイにカパッとある部分が開くんですよ』
開く?あの額縁がか?どこが開くんだ?
『中になにか入ってるの?』
今度は考えが重ならずコナンは別の事を聞いた。
場所が分かれば調べれるのにな。



「ええ実は鍵が一つ」
「鍵?」
なにそれ?といった顔のコナンに白馬は真剣な表情で詰め寄った
「鍵と言ってもただの鍵じゃありませんよ」
侮ってもらっては困ります。
「なんとコインロッカーの鍵です」
・・・ただの鍵じゃん。
そんな思いを素直に出すのは失礼かと思いコナンはなんとか押さえ込む。
「わーすごーいコインロッカー」
どこを重点に驚けばいいのか分からず適当に誉める。
それになにやら気をよくしたらしい白馬はニッコリ微笑むと
「そうですただの鍵じゃないんですよ」
それはさっき聞いた。
「コインロッカーの鍵なんです」
それも聞いた。
「それ以上は僕の口からは言えません。」
「・・・」
じゃあ誰に聞けと?いや別に特に知りたいとも思わないけどさ。
「どうしても聞きたいですか?」
聞いて欲しそうなのでうなづく。
「そうですかそうですか。仕方ありませんね。それでは彼の口から聞いてもらいましょうか」
彼?と眉をよせコナンは白馬の嬉しそうな顔を見つめた。
「ちょっと待ってて下さいね」
ウキウキ弾む足取りで部屋を出ていく白馬。どうやら隣の自室へなにかを取りに行ったらしい。



自室へ戻ったおかげで白馬の足音が大きく聞こえた快斗は顔をしかめる。
「ワトソンくーん出番ですよーー」
鼻歌まじりにガチャガチャと鳥かごをいじっているような音が聞こえる。
(まさかあいつ・・アレやる気か?)
引きつった顔でコナンの写真を見つめる。
一体この少年はアレを見てどう反応するのだろう?ちょっと興味深いことである。
いっそこっちの部屋でやればいいのに白馬は意気揚々と隣りの部屋へと戻っていった。





「彼です」
(鷹・・・)
どう見ても鷹にしか見えない。
さっき言った彼ってこれのことか?

『わて、ワトソン言いますねん。よろしゅー』
どこかふざけた調子の高い声がどこからともなく聞こえた。
「・・・・」
これって。
「こらこらワトソン。コナン君が驚いているじゃありませんか。口を閉じなさい」
『わてが口ぃ閉じたら困るのあんさんやないのか?あんさんの口から言えんこといわそー思ってんやからな』
「やれやれ。困った相棒ですねぇ。」
そんな一人と一匹を目を見開いて凝視していたコナンはようやく理解できたのか手をにぎりしめて振り回した。
「腹話術っっっっ」

すげぇこいつそんな特技もってやがったのかっ。興奮気味のコナンに白馬はフニャと本当に嬉しげに顔を崩すとワトソンを持ってきた籠に入れ、口を開いた。
「そうです腹話術です。独学なんですがなんとかここまで出来るようになりました」
「あれって凄く難しいんだよね?喉痛めたりするって」
「ええ、僕も結構練習したんですけどやはりパ行はマスター出来ませんでしたし。」
「どのくらいやったの?」
「そうですねぇあれは確か小学5年生のころ・・テレビで腹話術師を見てからですからかれこれ5年くらいですか」
・・・その根性も凄い。
「どうも腹話術と僕のイメージが合わないらしく、誰にやってもそんな事止めろって言われるんですよね。この間黒羽君に見せた時なんか笑われましたよ」
唇を尖らせる白馬にコナンも憤慨する。
「ひどいよねっ。こんなに一生懸命やってる事笑うなんて。」
「でも大方の人がそういう反応を返しますから。コナン君が初めてですよあんなに喜んでくれたの。」
こーゆーのは子供の方が受けがいいんですね。先週やればよかった。
そうつぶやかれコナンとしては複雑な気分だ。
子供・・・俺子供と同類なのか?
普通笑うのか?
いや待て、まだ子供受けすると決まったわけじゃない。だけど元太達が見たらきっとさっきの俺と同じ反応を示すに違いない。
そして灰原はきっと冷めた目で見るんだよ他の大人と同じように。
ガーーーーン。
俺子供のと同じ思考なのかぁぁぁぁぁ。



そこまで聞いていた快斗は聞こえないと思いつつも笑いをひっしにかみ殺した。
ショックうけてるショックうけてる。ぜっったいあいつショックうけてるっっ。
白馬が悪気無く言ってるのが分かるだけにコナンも怒れまい。
しっかし白馬の奴あのことまだ根にもってやがったのか。
つい最近突然あのばかげた行為を見せられ快斗は反応に困った。
というよりあいつのキャラじゃねーよな?
片手に人形持って漫才しだすんだぜ?
指さして笑ったとしても自分だけのせいではないと快斗は思っている。

それで結局あの鍵の話はそこでヒソヒソやり始めたせいで快斗の人間の限界を超えた耳でも聞き取れなかった。
「ちぇー別にいいけどーー」
コインロッカーに何がはいっているのだろうか?コナンの好きそうなものなのか、それともまた写真とか・・・?
うわっそれむちゃくちゃ欲しいじゃねーか。
っつーかあいついつ写真撮ったんだ?最近偶然再会したはずなのになぁ。





「コナン君ここまでは成功です。後は当日どこまで彼が行動してくれるか、とあなたの演技力にもかかってますからねっ」
自室に盗聴器を仕掛けられている事なんて百も承知の白馬はわざわざ写真を見に来たフリをして隣りの部屋へと移動したのだ。
そしてたとえあの快斗でも聞こえないだろう声でヒソヒソコナンの耳に囁く。
「分かってる。当日だね。その日までに準備の方は任せたよ。それよりコインロッカーの中って何が入ってるの?」
「準備の方は任せて下さい。」
胸を叩いて言った後、白馬はそっと眉を動かした。
「ま、あの中には彼の気を引く物が入ってる・とだけ言っておきます。間違いなく引っかかってくれると思いますよ」
えらく自信満々な白馬にコナンは首を傾げるとまあいっかと思い直し二人の密談は終わった。


鍵が出てくるXデイ。
さっきはランダムと言ったがきちんと設定してある。
それは6月の21日―――――そう彼の誕生日だ。
元々計画を練っていた白馬はコナンと偶然出逢ったとでっちあげ、彼をはめるべく着々と任務を遂行していた。うっかり今日コナンが来ると口を滑らせたのももちろんわざと。
コナンの嫌そうな顔も演技。
唯一予定外なのはコナンの誕生日プレゼントくらいだ。あれはさすがに痛い・・・。
だが他の事についてはあまりに予定通りに事が運びすぎて怖いくらいだ。
特にあの写真を持って帰ったあたり。大きすぎて盗んでくれないんじゃないかと思いつつも、彼ならやるかな・・・そう思い白馬は賭けて見たのだ。
結果は言うまでもない。

「あんな一時間以上かかるところまで散歩に行く時点でおかしいと思わなかったんでしょうかね?」
「・・・」
おまえならやると思ったんだろ?そう思ったがコナンはニッコリ微笑みあえて返事は返さなかった。

今日と言う出来事はXデイへのタダの伏線。
彼の驚く顔が楽しみですね。
二人の共犯者の顔はひたすら無邪気で裏があるようには見えない。

「裏?ないですよそんなもの。だって悪いことするわけじゃありませんし」
自分の理にかなっていれば悪も正義へと生まれ変わる白馬の理論。だから天然はあなどれない。
「そうだよねーー」
でも相方のコナンはすべて分かった上でこれだけ可愛らしい笑みを浮かべられるのだ。
だから・・女優の息子も侮れないと言ったところなのだろうか。
もしかするとこの二人結構良いコンビなのかもしれない。


えーっと・・
果たしてリクをクリア出来たのか超絶疑問なのですが、
とても楽しく書かせて頂きました。
最近私も白馬君ラヴ♪なもので(笑)
By縁真
2002.3.16