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このくそ暑い日に公園で騒いでいる2人
いや、騒いでいるのは1人だけだが
「ねぇ、行こうよ~花火大会」
学ランの青年にしっかりとランドセルを掴まれている少年は不機嫌な顔
「イヤだ」
もう何度このやり取りをしただろうか考えて・・・やめた
「行こう!!」
 それでも言い募る青年に少年は
「一人で行ってこい!」
ガッっと足のかかとで弁慶を蹴った
 
「~~~~~~~~~~~~!!!」
 
相手が押さえている隙にさっさと帰路につく、後ろで
 
「絶対に行くからな!!花火大会!!!!」
 
などと叫んでいたのは、聞かなかったことにした
 
 
 
 
 
花火だ!お祭りだ!!夏の風物詩??【1】
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

「ただいま」
いつものように小学校から帰ってきたコナンは扉を開けて固まった
 
そこにはエプロンをしている蘭・・・・・と、ちょびっとだけ認めてもいいかもしれない恋人の快斗がソファで寛いでいた
先ほど蘭が入れたと思われるミルクとお砂糖たっぷりのココアをほくほく顔で飲んでいる
 
 
 
「お帰りなさい、黒羽君来てるわよ。花火見に行くってどうして教えてくれなったの?」
腰に手を当てている姿はお母さんそのものである
 
「え~っと、忘れてたんだよ。ごめんなさい」
 
蘭に頭を下げるものの
(ったく、何で俺が怒られなきゃいけねえんだ!)
その目はしっかりと快斗を睨みつけている
 
分かっていつつもにやにやと笑っている快斗はソファから立ち上がった
蘭はこれから園子と買い物で夕方まで帰ってこない予定だったので嬉々として
コナンを快斗へ預け出て行ってしまった
 
 
 
「さ、着替えようか。コナン」
「へ?」
 快斗は持っていた紙袋とコナンを連れてズルズルとコナンを引きずりながら上の部屋へ移動した
 
 
 
 
 
 
 
「で?俺が、いつ、お前と、花火、見に、行くって、言った?」
 
ご丁寧に一言ずつ区切りるコナンにやばいと感じつつも快斗は負けなかった(そろそろ耐性も付いてきたし?)
 
「だってだって!コナンちゃんと花火見たかったんだもん!!もう今日が楽しみで昨日は寝れなかったの!」
 
 
かわい子ぶってもそこは所詮コナンである、つーーめたい目を返す
 

「ほぉ~、って事は昨日から企んでいたわけだ・・・・ふぅ~~~~~~ん」
コナンは腕を組んで快斗を見下している
目が怖いよう~!
 
「確かに蘭ちゃんの前では断れないって分ってたけどさ」
取り合えずぶうぶうと言ってみたりもするが
「だから?」
 
にっこりと言われて
 
「ごめん、ちょっと強引だったね」
 
おそらく耳があったらペタンとなっているであろうその哀愁漂う表情に
 
「うっ」
 

なぜか、罪悪感を感じてしまう・・・
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「ったく、しゃーねぇーな!」
 
結局は快斗を好きだから許してしまうのだ
それでもどこか悔しくて
コナンは袋を漁って浴衣を取り出し、大きい方を快斗へ投げつける
顔面にヒット・・・
 

「コナンちゃんの愛が痛いよう・・・・しくしくしく」
 
「そんなものは込めてない」
 ぐさぁあ
「ガラスのような繊細な俺のハートになんてお言葉を~」
右手で左胸を抑えてヨロッッとよろめく
背後ではガガ~~ンと言う効果音が流れていそうだ
 
 
 
「冗談、鋼鉄の間違いだろう」
 そりゃあもう胡散臭そうにコナンは快斗を見ていた
 
 
 
 
 
 
 

2人とも浴衣の着方は知っていたので罵声を飛ばし
それを茶化していたらすぐに着替えが終了した
 

「いや~ん!可愛い~vv惚れ直しちゃったよ~vvv」
「惚れ直さんでいい!!」
 
ぎゅむっと抱きついてちゃっかりお尻を触るのは誰がどう見ても変態オヤジだろう
 
 それでも奇跡的に(親に感謝すべき)顔のとってもいい快斗の浴衣は麻染めになっており夜に溶けるような色
 
柄は白い線が入っているだけのいたってシンプルなもの
 
一方セクハラを受けていたコナンは真っ白な生地に淡い色の満月の入った何かを連想させるような柄
 
「これって・・・・・」
 まるでどこかの誰かさんのよう・・・・・・
「そ!俺の手作り!!どう?気に入ってくれた?」
 きらきらと目を煌かせ感想を求める快斗に対してコナンは
「服を送るのは相手を脱がせたいって言う意味があることぐらい俺は知ってるぞ?」
 だから後で返す
 
 
「チッ!」
 

快斗がワザとらしく力いっぱい舌打ちをしたのを聞いたコナンは盛大にほくそえんだ
(そうそう良いようにされてたまるかよ)
 

浴衣を着たままで汽車に乗るのがイヤだと言うコナンの言い分に快斗は寺井に頼んで車を持ってきてもらった
もちろん運転するのは快斗だが、運転できることを知っているコナンは何もいわなかった
 それに、コナンも運転が出来るのだ、さすがに小学生で運転するわけにもいかないがその腕前は中々のものだったりする
 
 
 
 
 
 
 

「花火は7時からだから時間はたっぷりあるし、何か買っていく?」
屋台が並ぶ中、人ごみが嫌いなコナンは眉を顰めながらも快斗の後をとてとてを付いていく
 しかし、そこは所詮コナンの足だ、歩幅が合わないことと人に流されることですぐに快斗を見失いそうになる
ふわっと、自分の体が浮き上がったかと思うとコナンの近くに快斗のか顔があった
いつもなら放せと暴れるコナンもこの状況では文句も飛ばない
 
 
 
快斗に奢らせる気満々だったのでお金を1円だって持ってきていないので快斗にリンゴ飴と綿菓子、それから水風船を買わせた
その水風船に小さな魚が書かれているのを釣ったコナンは確信犯であろう
 
「参加者イベントでもうすぐおみこし担げるんだよぉ~♪」
 
ウキウキとしている快斗の頭にはしっかりとハチマキが結ばれており、後ろの方には『祭』の団扇なんかがあったりする
(このお祭り男が)
 
コナンがそう思っていると野外ステージが設置されている方に人だかりが出来始めていた
 
周りの人たちも自然とそちらの方に足が進んでいく
 
「行ってみるか」
快斗はコナンを抱きかかえたまま流れのままに向かった
 

「はいは~い!皆さん注目~!!」
 
 まるでこれからイルカショーでもしそうなお姉さんが野外ステージの上で声を上げた
顔はまぁ、普通だろう、しかし
 
「アニメ声だな」
一体どこから出ているんだ?と聞きたいような子供声
「俺は結構好きだよ?」
可愛いじゃん
「お前はショタコンだからな」
「違うもん!快斗君はショタじゃないもん!!ただ純粋にコナンちゃんが好きなだけだもん!」
それをショッタって言うんじゃ・・・・
「俺、今年で7歳なんだけど?」
「愛に年齢は関係ないさ!」
グッとこぶしを作って断言する
「いや、ありまくりだろう」
 
 
 
 
 

「私の後ろに書いてあります暗号を解いた方に賞金差し上げたいと思います!」
 
その時コナンの目が光った!
 

キラリーン☆
 

「なに!暗号!!!」
 
コナンの大好物の単語が聞こえた
 
だが暗号に惹かれたのはコナンだけで他の見物者は賞金に惹かれていた
 
「まぁ、俺もコナンちゃんもお金なんて掃いて捨てるほどあるしね~」
などど刺されても文句の言いようが無い事をさらっという快斗
 
 
 
 
 
 
 
 
 
お姉さんの後ろに大きな旗があり、そこに大きな字で書かれていた
 
 
 
『えそおうぃじももねんあばらきいぎみしうらいにろとほねきお』
 

「ヒントは仲間はずれのKと【4】と言う数字です!分かった方は本部までソレを持ってきてください!賞金と交換されます!!」
 

途端、コナンの目が据わる
 
「ハッ!なぁ~にが暗号だよ」
 
鼻で笑った後最後にケッ!というオマケ付のささくれようである
 
「きっとあれでも司会者側は一生懸命考えたんだよ」
 
貶しているのかフォローしているのかよく分からないしみじみとした快斗の言葉にコナンもそうだなと言って返す
 
周りでは散らばって移動したり、暗号を考えている
 
だが、2人は興味がなくなったため
 
屋台を回ることにした
 
 
 

コナンが星で時間を判断すると6時過ぎ
 
「そろそろ行こうぜ。どうせ場所取りしてんだろ?」
 ぐいっと髪を引っ張る
 
 
 
「はいはい、まったくうちのお姫様は相変わらず我侭さんですね~」
 
 コナンの言うとおり快斗はすでに場所を取ってあるのだが(本当は寺井ちゃん)
後になって人ごみの中に飛び込む気はさらさらない
 
取っておいた場所へ向かう
 
その後ろから付いてくる人影に人だかりの所為で、さすがの2人も気付けなかった
 
 
緑真さまへ
 
うにょ~、今回は無理を言って友人にイラストを書いてもらいました。
今回はカッコイイ快斗君を目指したいと思っております!!
 
夏が終わるまでには完結できたらいいな。

ちなみに人影はあの人です!!