◇   降 臨  ◇











寒い寒いと言いながらコタツにもぐりこんだコナンはさっそくとばかりに
自分より高く積み上げた本を読破しにかかる。
  快斗はいつものようにホットココアとミルクたっぷりカフェ・オレをコタツ
の上に置くと自分そそくさとコナンの隣を陣取り車関係の雑誌を手に取った。
  もうすぐ十八。
車を買ってコナンちゃんとらぶらぶドライブすることを目標に(叶うかどうかは疑問だが)
ぱらぱらと捲っていく。
  おそらく車を買ったら拉致も同然にコナンをひっ攫い、いい人ぶって蘭に連絡するに決ま
っている。



コナンとらぶらぶドライブデート




本人が聞いたら持っている分厚い、それこそ人が殺せそうな本の背表紙をあいきゅーよんひゃく
の頭に叩き込んでくれたことだろう。幸いな事に心の中に留めただけだったが(賢明な判断だ)
  しばらくの間はしんとした空気が流れる。

しかしそれは突然コナンから発せられた言葉に途切れ、快斗は雑誌を手から落とした。
          
「警視総監になったら楽しいだろうな・・・・・」

「・・・・・・・・ごめん、よく聞こえなかったからもう一回言って?」

「だから、警視総監になったら楽しそうじゃね?」

あなたの言う楽しいは警察が手駒のように動くからではないのでしょうか・・・?
そしてどんなに無茶なことをしても誰も文句を言わない。否、言わせないからでしょう。

「えっと・・・・。苦労、とかするんじゃないでするかね?」
少なくとも現警視総監は胃薬を常備していると聞く。

  彼も苦労してるんだよ。

「はぁ?何言ってんだ??苦労するのは下っ端の仕事。命令を出すのは上の仕事だろ」

にやりと艶っぽく微笑むコナンにぽーっとなりながらもぞくぞくと寒気が襲う。
ぎゃぁ〜!ぎゃぁぁ〜〜〜〜っっ。コナンちゃんの後ろに邪神が降臨してるよ〜〜〜〜〜〜!!


「俺の頭脳と警視総監という立場があれば世界制服も夢じゃない・・・・」
どこかうっとりとした表情でふふっと薄笑いをする。
その笑いはどこか白衣を着た小学生(別名マッドサイエンティスト)のようだ。
         
「・・・・・・・・・・ヤメテクダサイ」

いや、マジ本気で・・・。

「あ、でもそうするととーーーっても平和な世界になるんじゃないかな」

というか、コナンちゃんは世界制服したら何するの?

「んあ?んーーーーーー。まず最初にバレンタインをこの世から消滅させる。
 次にホームズの誕生日を祝うっっ」

「あ、そ」

随分と本能にまみれた返事をされた。


「でもしないけどな」

「え?しないの??」

「ああ、ただこの本読んでたら思いついただけだ」

「思いつきで警視総監や世界制服をたくらむなよ」


でもそうしたら絶対絶対コナンちゃんの隣には俺がいるもんねーーーーー♪
(というか快斗、お前は例えコナンが何にしようにも隣に立つ気だろ・・・・)
  そしてコナンの手にあった本の題名は【これであなたも今日からリ○カーンv】
           後ろについてりるハートが胡散臭さをかもし出している。
そりゃあ、そんなもん読んだら俺でも考えちゃうかもv
 取り落とした雑誌を拾いながらコナンの横に無理やり体を入れる。
狭いと文句を言いながらも空いているスペースに移らないのはコナンの愛かもしれない。
思わず落とした雑誌だが優秀な頭脳はきちんと最後に読んだページを記憶している。

ま、いつまで経ってもコナンちゃんは可愛い可愛い小学生だけどねv

「あ、虫が・・・」

何かを感じ取ったコナンは快斗の頭に読んでいた本を勢いよく叩きつけたのだった。



「いっってぇぇぇえええええ〜〜〜〜〜〜〜っっっっ」


          快斗の叫び声がうるさくてコナンはコタツの上にあったみかんを無言で皮ごと口に突っ込んでやった。



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縁真様へ


            サイト開設時に素敵な小説を頂いたのでいつかお返しを
            しようと思いはや数ヶ月・・・・(汗)
             しかもこんな馬鹿らしいお話になってしまいました。
            
            なお、クーリング・オフは無効となっておりますので
            返品は不可です(笑)

            ゆりかより


あはは。ゆりか様ありがとうございます。
吹き出しました。
最初にバレンタイン消して、それからホームズの聖誕祭!!
見事ですっ。本当にやってくれたら縁真は
コナンさんの為に(←すでに間違ってる(笑))一生懸命ホームズ聖誕祭を祝いますよっっ
縁真より