遠い日の誓い 6

予想以上に平和に挨拶も終わりホッとしたナルトだが
「いーかげん変化とけよ」
そのシカマルの一言にまた肩に力をみなぎらせた

「やっ」
可愛い反抗である。
それでもその意志はどんな人間より強い。
こりゃ手ごわいぞと内心呻きつつ説得を開始。

「母ちゃん知ってんだし今更だろ?」
「でもナル金色だからダメなんだもん」

狐の事を理解していても、髪と瞳の色に関するコンプレックスはどうにもな
らない。
うずまきナルトが金の髪と青い瞳を持つ子供だと知っている大人はこの二つ
を見て顔を歪めるから。

「バカな大人は気にすんな」
「1人や2人なら気にしないけどシカが言うバカが里の大半占めてるんだよ
?無理。」
「ほーーーお前は俺よりバカどもを優先するのか。」
「違うもんっっ。でも嫌だもんっっ」
「けっやっぱり俺よりバカどものが気になるんじゃねぇか。俺は金色のほう
が好きなのによ。」
「・・・・え?」
「お前のキラキラした金色の髪も深い綺麗な青い目もどっちも俺は好きだぜ
?お前にすっげー似合ってるし。」

サラッと決して10年後には口にできないだろう殺し文句を述べるシカマル
にナルトは目を開いた。

「・・ほんと?」
「本当だ。俺はお前に嘘はつかねぇよ。」
「そっか。うん。シカが好きなら、なるも・・嫌いじゃないかも・・・」




「あらまぁ・・・」 ようやく変化を解いたその姿は・・・ か・・・かわ・・・ かーわーいー過ぎー♪ 頭に花が咲いたとしか思えない間抜け顔でナルトを見つめる母。 ちなみにシカマルが初めてナルトを見た時と大差ない表情である。 さすが親子。 「かっわいーー」 金のフワフワ髪と空色の瞳。先程までの黒黒とは違う。本当のナルト。 「ナルちゃんっあんな色にするなんて勿体ないっ」 あんな色って息子と同じだったんですけどね。 「あう・・・」 ガバァと抱き着かれそうになり慌ててシカマルの後ろに隠れ・・ようとして とっ捕まった。 素晴らしい反射神経ですお母様。 「母さん、こんな子が欲しかったのよー!」 抱き着きほお擦りをかます我が母にシカマルは顔をしかめた。 「俺のに触るなよ」 「あらぁいつからシカのになったのよ?ナルちゃんに許可貰ったの?」 フフンと鼻で笑われシカマルは更に顔をしかめた。 「俺がいっちゃん最初に見つけたんだからな」 「早いもの勝ちなんて民主主義並に流行らないわよ」 流行る流行らないって問題ではないとおもうが 「ナルト。お前さ俺のもんになるの嫌か?」 「シカの?ナルものじゃないけど?」 心底不思議そうに首を傾げたその姿にとりあえずシカマルは撃沈した。 キョトンとした表情と首の角度。それだけで可愛さがアップするってどーゆ ーことだ!? 「はい。シカマルの負けー」 すでにこれだけメロメロになっているのだ。 きっとシカマルはどんな手を使ってもこの子と共にいるだろう。 たとえどんな横槍が入っても・・・。 「そーよねー。ナルちゃんは物じゃないわよねー」 ヨシヨシと撫でてあげれば戸惑った顔で見上げてくる。きっと慣れていない のだろう。 内心怯えてたりするのだろう。 それにジクジクと胸は痛むけれど。それよりも今後のナルトとの生活に夢が 広がる。 大丈夫よ。おばさんがその顔を笑顔に変えて見せるからね!! グッと拳をにぎりしめ強く決意をしたその時 「なんだその激マブちまっ子はぁぁぁ!!?」 ガバァと。 いきなり初対面の子供に抱き着きほお擦りかます我が旦那。 恥ずかしい。大人として情けないっ。 「くぉらっあたしのナルちゃんに触るんじゃ無いわよ!!」 引きずり離しラリアーット。 3秒とかからなかったその早業に目を丸くするナルトと呆れた顔のシカマル 。 「ふん。」 母とは強いものなのよ!←強すぎや


2008.6.10