手のひらは汗ばみかすかに脈が早い。ようするにただ今非常に緊張していた 目の前には先程呼び出した部下が一名 誰よりも小柄なその部下はまだ5歳という幼子だった ほんらいなら両親の保護の元、無邪気に転げ回るそんな年令。 だが彼には保護してくれる両親もいなければ、無邪気に転げ回れるような環境でもなかった。 彼がこんな無愛想になったのは仕方のない話。むしろよくぞこの程度のひねくれ具合で納まったと感心してしまう。 謝っても謝りきれないほどの罪は自分と里の大人達すべてにある。 そんな小さな子供に罪悪感がヒシヒシと。更には孫のごとく愛しく思う感情までプラスされ、現在とんでもないくらいジジバカになっている自覚がある三代目 冗談でも「嫌〜い」と言われらショックのあまり寝込みそうなくらいに だからこそ緊張しているのだろう どきどきとコメカミが脈打つ。 つとめて、そんなそぶりをめせず勇気を持って口を開いた 「お主には護衛任務についてもらう」 なんとか言い終えホッとする。 おかしいなワシは最高峰の火影のはずなのに。 目の前の子供に弱い自覚のある老人は内心自分の溺愛っぷりに苦笑しつつ、返答を待った。 「護衛?」 眉を跳ね上げ不振そうに尋ねた子供。 無理も無い。 子供に護衛任務を任せたことは過去数度。 数的にあまり多くない。 なぜなら護衛任務に必要なのは経験と、多大な精神力。 暗殺とは違い耐え忍ぶことが得意でなくて出きない。 その点この子供は体を動かすのが好きなだけあり、いつ、なんどき敵が現れるか分からない状況で数ヶ月もヒタすら見守る日々をすごしたり・・・ なんてコトをひじょーーに苦手としていた。 そんな過程を経て、この子供がこんな視線を向けてくるのだが、ジジイはシラッと頷いた。 「そうじゃ」 食えないジジイの返答にピクリと眉を動かし冷静に重要ポイントを尋ねる。 「期間は」 「最低で三年」 「・・・」 この無言が恐ろしい 3代目は思った 自分にいわれの無いことで里人から非難を受け、迫害を受け、それでも里を守る暗部という仕事をきちんとこなすこの子供。 この子供がどれだけの犠牲を払って生きているか。 この子供がどれだけの広い心で里の人間を許しているか。 この子供がどれだけの強い心で、辛い日々を耐え忍んでいるのか。 分かるまい。里人よ。 分かるまい。おろかな木の葉の住民よ。 何故この子供に全てを押し付けておきながら、この子供を責められる? お前らなら耐えられるか? 生まれたときからのこの暗闇に閉じ込められたかのごとく、拷問のような生活を。 心の中で幾度と無く繰り返した問い。 それは自分にも当てはまり、考えるたびに胸が重い。 だがこの子供はまっすぐに生きている。 殻に閉じこもって、泣いているただの子供じゃなかった。 それは・・・ 「オレ一人?」 この哀れな幼子にただ一つ。 たった一つの救いがあったから。 「シカマルは他の任務についてもらっておる」 一瞬にして怒気が膨れ上がった 「じゃ、やだっ」 互いを大切と思い合える親友という、最大の救世主が。 三代目はこの出会いを奇跡のようだと思う。 ナルトとシカマルはこの出会いを「必然」と言った。 「運命」だと言い切った。 三代目は思う。 どちらでもいい。 この二人が出会えたのだから・・・と。 互いという、よりどころが出来、ゆとりを持ったナルトとシカマルをみて三代目はきっと欲が出たのだろう。 もっと・・ もっと多くを・・・ 親友は大切。 きっとこの二人のつながりは一生のものだから。 だがジジイは思う。 親友は一人でいいが友は沢山いてほしい それはシカマルにも言えること。彼にはただいま別任務「幼なじみを作ろう」を実行して もらっている 奈良家は昔からの古馴染みがおり、そこに同じとしの子供がいる。うってつけだった。 「難しいものではない。それに期限は長いものの、一日中護衛するわけでもなし」 「なんだそれ」 「どうじゃ、引き受けてもらえぬか」 タヌキジジイ、とその唇が動いたのがわかったがそんな事でへこたれるジジイではない なんとか火影の権力で説得(?)に成功した3代目火影様は机の引き出しから手ぬぐいを取り出し、 冷や汗をぬぐった。 「ふぅ。なんとか第一段階成功」 ナル君の友達100人出来るかな作戦〜〜 ジジイはいつも気にしてるのです |
ジジーべた甘っす。
シカマルもナルトも両方とも孫のように可愛いのさ♪