「とーちゃっかあしっっナル決めたってば」

ぎゅっとクレヨンを握り締めむんっと腕を振り上げ、一大決心を二人に告げた。



「なる。ウッホになるんだってば!!」


クレヨン  3


「「うっほ???」」

サルですか?
聞きたかったがそうでないことは確かなようだ

んじゃなんだ?


「知らないってば?ウッホってすっごくゆーメーなお絵描きやさんだってばっ」

お・・お絵かきやさん?
ゆーめー?


二人で顔を見合わせ

そして


あっと思いつく


「「ゴッホ?」」

「ちっがーーうウッホだってばっ」


「サクラちゃんが言ってたからウッホなんだってばっ」

同じクラスのお友達の名前に二人は納得する。
ナルトが尊敬するサクラはいろんなことを知っていて、盲目的にナルトは信じていた。


それこそ大好きなイルカ先生に
「それはゴッホじゃないのか?」
といわれても

「サクラちゃんが言ったんだからウッホなんだってばっ」
と言い返すくらいにサクラの言葉は絶対だった。


「えーっとウッホになるってことはナルトはお絵かきやさんになりたいの?」
気を取り直してカカシが尋ねる

「そうっいーーーーーーっぱいお絵かきしてみんなに見せてあげるんだってば」

「それはいいねぇなる君お絵かき上手だもんね」

「えへへ」

父の言葉に照れたように笑う。

「でもそしたら火影になるって言ってたのはどうなるの?」
「う?」
「一昨日までナルね、火影になるのーーって言ってたじゃない」

お父さんみたいになるんだってばっ
とキラキラした瞳で見上げてきたのに。

「・・・・・・忘れてたってば」

そう忘れちゃう程度なのね。

シクシクとお父さんは嘆く。

「夢は沢山あったほうがいいじゃないですか、どっちを選ぶのもナルト次第。ゆっくり考えるといいよ」
「うんっそーするってば」

にこぉと笑うとカカシにしがみつく。

「かぁしっ」
「え?」
「一緒にお絵かきしよっ」
「へ?」
「お・・お父さんは?」
「とーちゃはお仕事っなるはお絵かきやさんのおべんきょーっっ」

ビシッと指を突きつけ決して暇ではないカカシにクレヨンを持たせ

「虹かくんだってばっ」
最近マイブームの虹を一緒に書き始める。


最後に最近決めた自分のマークぐるぐるの渦巻きを書いて。
「かぁしもここに名前書いてっ」
「はいはい」
ナルトに合わせてマスクなんか描いてみて
二人でふふ、と忍び笑い。




「かんせーーーー」
じゃじゃんっ

「それどうするの?」
「明日サクラちゃんにみせてあげるんだってば」
「ああ、なるほど」

ウッホへの第一歩はサクラちゃんに認められることらしいです。


クレヨン第三弾〜
頑張ってウッホになってくださいナル君