あの宣言からほんの2日ばかしたった日のできごと。
任務が終わってナルトの家の温室へ向かっていたイノはたまたま偶然であった7班に嬉々として近づいた。
だって未来の旦那様が居るのだから。

           それがあたしのファイナルアンサー 4


でんっと門番よろしくたちはだかるのはイノの親友であり、7班の紅一点。
彼女は当然のようにいつもの文句を叫んだ。

「サスケ君に近寄るんじゃないわよイノブターっ」
「安心なさいデコリン。今回のターゲットはサスケ君じゃないから」

その言葉にサクラは眉を寄せ、

「サスケ君じゃない?・・・・とすると・・・もしかしてカカシ先生?」
「でぇぇこぉぉりぃぃぃんちゃーーーん。あの覆面親父に対してあたしが何をどう感じるというの?それこそありえないわよっ」
「一応あれでも上忍なんだからオヤジはやめてあげたほうがいいんじゃないかしら?」
「おやじじゃないのっ30でしょ?」

「違うもーーんっまだ26歳だもーんっ」
遠くから聞き捨てならない言葉を拾い飛んできたカカシが、とても26歳とは思えない口調で反論する。
だが、次のイノの容赦ない一言で元暗部のチョー強いはずのカカシは撃沈した。

「あら。四捨五入すれば30じゃないの。変わらないわよ」

「がぁぁぁぁん」

「いの・・もうちょっと手加減してあげてくれない?この後迷惑をこうむるのはあたし達なんだから」
「それもそうね。カカシ先生。大丈夫よ30だってまだまだ若いって」
「全然フォローになってないわよ」
「あれ?」

撃沈したままのカカシを他所に二人はそのまま元の会話を続けることにした。

「それにしてもカカシ先生じゃないとすると・・・・・あんたまさかっ」
「ナルトに決まってるじゃない」
「駄目よっ」
「はぁ?」
「ナルトに近寄るんじゃないわよっっ」
「何いってんのよ。あんたはサスケくん目当てでしょ?あたしがナルトに流れたら万々歳じゃないの」

「とんでもないっっ。あんたにナルトは渡さないわよっ」
「はぁぁぁ?まさかサクラあんたまでナルトに心変わりしたっていうの?」
「それこそまさかっね。あたしはサスケくん一筋よっ。ナルトはあたしにとって・・そうね、弟なのよっ。大事な弟を毒牙にかける女は追い払うに決まってるでしょ」
「誰が毒牙にかけるですってぇぇぇぇ」
「あんたに決まってるでしょ」
「あーむかつくわよサクラっ。」
「なんと言われようと譲りませーんっ」

「ふんっ。あんたがなんと言おうとあたしはナルトの嫁になるのよ。知ったこっちゃないわ」
「・・・・・・・なにあんたそこまで本気なの?」
「当たり前でしょ。ファイナルアンサーだものっ」
「・・・・ナルトのこと好き?」
「好きよ多分ね。でもまだちゃんと仲良くなってないからこれからよ。だからそこどいて」
「・・・・・うーん。ナルトにはひなたが良いと思ってたんだけどなぁ」

あごに手を当て勝手な予定を口走る。

「言っとくけどここ1ヶ月見た限り、ナルト狙ってやつは多いわよ」
「ええ。そうなのよ。私も最近気づいたんだけど・・・・男が多いのよね」
「そうね」
「ひなたが動く前にそん中の誰かに掻っ攫われるかもしれないし・・・それに比べたらあんたのほうがマシよね・・」
「あんたねーそれかなりあたしに失礼よ」
「うーん・・でも一途にナルトを思うヒナタの事を考えると一概に・・・・うーん」
「サクラー?でーこりんっ」

腕を組み熟考体制に入ったまま中々抜け出さないサクラにおーい、と声をかけて見ると、ようやくパチリと目を開いた。
そして桜色の髪を持つ少女は目の前の親友に向かって今出た結論をビシィッと言い放った。

「やっぱ駄目よ。うん。あんたじゃナルトが尻に引かれるの目に見えてるものっ」
「なにそれ」
「姉として、ナルトの幸せの為にイノっあんたは却下よっっっ」
「男よりマシって言ったじゃないの」
「マシってだけでヒナタと比べたら月とすっぽんねっ」
「なんですってぇぇぇぇぇ」



「あーまたやってるってば。イノもサクラちゃんもサスケなんかのどこがいいんだかっ」
全く会話を聞いていなかったのだろう。ナルトはプクゥと膨れて、ギャイギャイやる二人の少女を見やったト。

隣にいた喧嘩の原因を知っているカカシとサスケがフイと視線を泳がせる。


2人がナルトに真実を告げることはなかった。


やっぱり未だ自覚なしのナルト(笑)