最近のイノの趣味はお菓子作りだ。
趣味と言うには些か疑問を感じるが本人がそう言うのだからそうしておこう。
うちのイノちゃんは実に前向きな人間で
「あたしは自分より料理上手な夫なんて嫌よー!」
と叫んだかと思えば、その日から料理の猛特訓。←何があったか聞かずとも
わかってしまった山中夫婦(笑)
いっそ清々しいまでの直球である。
そこがまた可愛いんだけど♪
「くぬぅ」
「い・・・いのちゃん?」
「ダメ。この程度じゃだめなのよっ」
「パパはとっても美味しいと思うけど?」
正直な胸の内を述べたのだがギッと睨みつけられてしまった・・・。
「甘くつけても平均点よ!90点台の敵には余裕で敗北だっての」
ギリギリと唇をかみしめ目の前の自作クッキーを睨みつける愛娘。
敵が悪かった、としかパパには思えないけどね。
あの完璧魔人の少年を思い浮かべ苦笑するしかなかった。
フツーに美味しかった。
感動なんて出来るわけがない。
だいたい感動するほど美味しい食べ物なんて滅多に出会えない物なのだ。
実際イノだって過去を浚ってみても数度あるか無いか。
その数度に入りこんだヤツの腕前がおかしいのだ。
「いくら毎日ご飯作っててもよ?ふつーお菓子作りの腕前まで上がる?」
激しい疑問は実に正しい。
真相はたんにナルトが凝り性なだけだが。
イノにとっては迷惑な話しである。
くっそー
「今に覚えてらっしゃい!」
敵は遥か彼方。
それでも猪突猛進なイノは迷わず突き進む。
「可愛いなぁ本当にうちのイノちゃんわ。やっぱりナルト君の嫁にはイノちゃんし
かなれないね」
そんな娘の性格をパパはとっても評価しているのだった。
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