身辺調査は欠かせない! 2

午後1時。一時間前にやってきた紅率いる8班のおかげで資料の整理は当初思っていたより早く進んでいた。
「おー来た来た。ちゃんと昼にきたな。」
もっと遅れてくると思ったぜ。と、タバコを吹かしながら(資料が燃えるから消せと何度も言ったのに聞かなかった)扉の外の新たな人手を手招きするアスマ。

「っもー聞いてってばーー。俺たち朝の8時に集合させられたってばよっっ」
「聞けば12時からここで任務だったそうじゃないですか。」
「自分が遅刻するのを見越しては早めに設定しやがったらしい・・・」

「しんじらんねーーー!!」
「最悪ーーーーーー」
「ウスラトンカチ」


「きいてよーここに来るまでずーーっとこうやって文句言われ続けてたんだよー酷くない?」
「酷いのはてめーだよ」
「相変わらずだねカカシ。それにしても5時間も待ってたなんてあんたたち忍耐力あるわね」

シクシクと泣いたフリのカカシに同情するやつがいるわけがない。
アスマも紅もカカシをこけおろす。

「慣れだってばよ」
「そうねもういい加減慣れたわよね」
「・・・・・」
二人の言葉にサスケも無言で肯定する。
あまりのコトにアスマと紅はカカシをねめつけた。


5時間の遅刻に慣れるってどーゆーことだ?
きっとこの場にいた全員が思ったことだろう。

「ひっでーなお前らの担任」
「ホントあんたたちの担任って最悪ねー」
「うるさいってばよキバっイノっ」

予想していたよりあっさりいつもの対応が出来たことにほっとしていたイノは怒鳴りかえされてムッとした。
それはキバも同じらしい。

「なんだよお前らだってさっきさんざん言ってたじゃねーか」
「そうよそうよっそれにホントのコトじゃない。」
「何か人に言われるのはむかつくってばっ」
「ナルトーーやっぱりナルトったら先生のコト大好きなんだねーーー」

「ぎゃぁぁぁ離せってばぁぁぁ」

アスマと紅に絞られていたカカシは一気に復活してナルトに抱きつきほお擦りをかました。
それに即座に反応したのは驚いたことにシノ。

「ナルトは嫌がっている」
す、と前へでてナルトを助け出す。
ナルトが離れたその瞬間待ってましたとばかりにどこからかカカシに向かってクナイが飛んできた。

そちらを見れば・・・サスケくん?

「危ないでしょーサスケ。先生怪我したらどうするのー」
「いっぺん死んでこい。このウスラトンカチっ」
「酷いなぁ。それにシノー。俺のナルト返してくれるぅ?」

「貴様のではない。」
「っつーかナルトのやつ嫌がってたんだしカカシ先生のが悪くね?」

「そーだってばよっシノとキバの言うとおりだってばっっカカシ先生悪決定っっ」

ガァァンとショックを受けているカカシ。
その後ろで紅に制止されているヒナタの姿があったり。

「ヒナタ。ヒナタ。ナルトくんの危機は去ったから落ち着きなさい」
「いいえ。あの人は・・・やっぱり抹殺しておくべきです・・・・。」
「あたしもそう思う時がちらほらっていうかかなり大量にあるんだけどねぇ。あれでも一応忍びとして使えるから里の為に生かしといてやってよ」
「・・・・・紅先生が・・・そういうなら・・・」

命の危機を紅に助けられたことも知らずにカカシは地面に”の”の字を書いていた。

そのいつものごとき一連の騒ぎを見て、イノは今まで全く感じなかった気分を味わった。

(もしかして・・・・ナルトって結構人気者?)
いかにサスケしか見ていなかったかがわかるイノの思考であった。



「あっシカマル。チョージ。おはよってば。朝からこの資料整理ずーっとやってたってば?」
「ああ。思ったよりはめんどくさかねーぜ」
「もうこんにちはだよナルト。朝から待ってたってことはもしかしてナルトたちってお昼ご飯食べてないってこと?」
心配そうなチョージにナルトはにっこり首をふった。
「ううん。カカシ先生待ってる間にお弁当食ったから大丈夫だってばっ」
「お前らマジ大変だよな」
「うんうん。ドージョーいたみいるってば」

そんな会話を交わしながらシカマルに教えられて資料の整理を始めるナルト。
意外とちゃんと任務やるのね・・・。
てっきりこんなのやってらんねーとか言ってキバあたりと騒ぎだすと思ったのに。

「あ、この資料ってあっち?」
「んあ?ああ、シノんとこだな」

いつもめんどくさがりなシカマルですらちゃんと世話を焼くのだから大したもんだ。

「シノーこれお願いするってば」
「ああ、ありがとう」

シノもなにやら嬉しそう?
よくわかんないけど。
でもあの二人たまに一緒にいるし・・仲・・・いいのかしら?


「どうしたのよイノ。手が止まってるわよ」
「え?あ、ごめん。ねーサクラ。もしかしてナルトとシノって仲いいの?」
「ナルトとシノ君?んーそうねたまに休みの日とか一緒に遊びに行くらしいし仲いいんじゃない?どうして?」
「だってなんかイメージ的に合わないじゃないあの二人って。」
「んーそう言われてみればそうかも。どっちかって言うとシノ君のほうがナルトを相手しなそうよね」
「そーそー。煩いの嫌いそうじゃない」
二人でねーねー。と話し合っているとそっと隣で会話を聞いて楽しんでいたヒナタが口を開いた。

「あ、あの。ナルト君はシノ君が話さなくても分かってくれるから・・・」

「「・・・そうなの?」」

「うん。だ、だからシノ君も一緒にいて気が休まるって・・前にそう言ってた・・よ」

「へー意外」
「ナルトがねぇ。」
イノとサクラでひとしきり感心した後、

「あーでもあのめんどくさがり屋のシカマルですら一緒にいるくらいだからそうなのかも」
シカマルって面倒見悪くはないけどああやってずっと一緒って嫌がるのよね。
ある程度距離を置いて付き合うのが得意なシカマルがチョージとあたし以外で珍しく傍に置く人間。

そうよね。
結構最初からそうだったのに何で気づかなかったのかしら?
って、全然気にもしてなかったからだけどさぁ。

「キバなんてもーナルトと一緒にいたずらするのが趣味ってくらいナルトと行動してるしねー」
「サスケくんもなんだかんだいってたまにナルトと一緒に修行したりしてるみたいだし・・」
「ち・・チョージ君もよくナルト君と甘味どころに行ったり・・してる・・よね」
「えっそうなの?」
「うん。お買い物に行くとき何度か・・・」
見かけたから・・・そう続けるヒナタに驚きが隠しきれない。

「し・・知らなかった・・」

そりゃ「太るから甘味どころなんて誘わないでよっ」とかむかぁぁし言った記憶あるけど。
そっかーシカマル甘いの嫌いだしねー。
ナルトと行ってたんだぁ。

そして納得したところで本題。
さっきも見てて思ったけどねー・・・

「何より。あ・のっカカシ先生。ナルトにべったりじゃない?」
「・・・・・(怒)」
「そうなのよ。ナルトもよく耐えてるわよね。あたしならセクハラよーーってぶんなぐっちゃう」
「・・・・・」
「ヒナタっヒナタっ。そんな怨念こもった空気放たないでーー。ナルトなら大丈夫だからっ。」
「・・・・・日向に古来から伝わる特性わら人形があるの。・・・・・今度カカシ先生の髪の毛数本もらえるかな・・・」
「あげるっ何十本だって持ってきてあげるから。ねっ」
「ありがとうサクラちゃん」
必死に宥めたサクラの甲斐あって朗らかな笑みをようやく浮かべたヒナタ。
それを見ていたイノは背筋がひやりとした。
「・・・・何する気よヒナタ・・・」

「話題を戻しましょ。えーっと何の話だったっけ?」
「な、ナルトくんの仲良しな人の・・・・」
「そういえば、うちのアスマ先生もヒヨコみたいで可愛いとかナルトのこと褒めてたわよ。たまに一緒に公園で囲碁指すんだってさ。」
「褒めてんのそれ?ってゆうかナルトが囲碁ぉぉ?意外だわ」
「でしょ。ま、大抵シカマルとアスマ先生の勝負を見てるだけらしいけど」
「ああ。それなら納得。へーアスマ先生とも仲良かったのねあの子」

「く・紅先生も・・弟にしたいって・・・・な、ナルトくんの苦手な幻術の特訓・・一緒にしたりしてるから・・・か、可愛いって・・・」
「え?うそっナルトったらそんな事してたの!!?もー言ってくれれば修行つきあってあげたのに」
「う、うん。演習場で会ったときとか・・」
「へぇ頑張ってるじゃない」

思わずイノは感心してしまった。
苦手を克服。
うんうん。いいコトよね。
しっかし紅先生とも仲良かったとはねぇ・・・

・・・って
あれ?
これって全員ってこと?


そして次の瞬間三人で思わず目を合わせた。

「「「・・・・・・・・」」」

誰もがもの言いたげ。

あたし達抜いたら全員がナルトと仲いいんじゃない?
なにそれ。


「ら・・・ライバルがいっぱい・・・」
「ヒナタ安心なさい。その仲で唯一の女性は弟にしたいって言ってる紅先生だけなんだから」
もっともな事をいうサクラ。
でもねぇ。

ねぇそれって本当に安心できるの?

何故か胸がざわざわした。

ごめん。これをアップするのかなり悩んだ。
下手だからうまく表現できないのっ(涙)
ってことで
絶対間違えちゃうだろうからここに宣言!!
これ全然恋心と違うからー。
例えていうなら「小さな子供の独占欲〜」
あたしのお母さんとらないでぇぇみたいなぁ。
あたしの婿候補なんだからあたしだけのものじゃないのー。
って感じ?でもまだ恋は到来してません(←きっぱり)
もう少し・・ね。