身辺調査って難しい



最近気になるのが山中イノ。
どうもあいつは最近おかしい。
うん。おかしいって言うと変かもしんないけど他に言いようがないし。
うーん。やっぱり変だ。



うずまきナルトにとって彼女のプロフィールは
サクラちゃんの親友。はたまた山中のおっちゃんの娘。
ついでに言えば「サスケバカ」
そんなもんだ。
他に特筆すべきものは無く、もしかするとルーキーの中で一番遠い存在かもしれない。

その彼女が、である。
なぜか最近自分の周りをウロチョロしているのだ。
なーぜー?

「何やってるってば」
「わっ何であんたがこんなとこにいんのよっ」
前方約30メートル先にいたはずなのにっ。そうつづくのだろう言葉を辛うじて飲み込むことに成功したイノは明らかな動揺をみせつつ
「さ、サスケ君を探してるのよ」
ヒジョーに疑わしい言葉を口にした。
「ふぅん。ちなみにサスケの奴は向こうにいるってばよ?」
視線を向ければその先に一心不乱にクナイを投げる少年の姿。
うーん頑張ってるねぇ。

「あらホント。さっすけく〜〜ん」
イノはというと本気で今まで気付かなかったらしき態度で相変わらずのミーハーぶりを発揮する。
っつかあんたさ、今さっきまでずっと俺の後つけてたじゃん・・・。
とてもサスケを探していたとは思えない
「・・・んですけどねぇ」
跳ねる金がかった栗色の髪を見やりながらンーと体ごと首を傾げそれから
「ま、いっか」
あっさり忘れる事にした。
そういう奴である。







「あー危なかった。」
後つけてたのバレたかと思っちゃったじゃない。←バレバレ
胸を撫で下ろしカモフラージュにサスケにまとわりつく。
「イノーなにサスケ君にひっついてんのよー」
来た来た。予定どおり。
「ああ〜らデコリンちゃん。あたしのサスケ君に何かご用かしらぁ?」
「誰があんたのですってぇぇ。」
「ふふん。だってあんたよりあたしの方がお似合いじゃない?」
「調子に乗ってんじゃないわよイノブタァー」
あーほんと頭良いのに挑発にのりやすいわよねサクラって。
そこが可愛いんだけど。

「やるっての?」
ふふんって鼻で笑ってやればサクラは即座に反応する。
「やったろーじゃないっ」
二人で向かい合ってファイティングポーズ。
戦いのゴングが聞こえた瞬間にあたしのこぶしが唸る。
同時にサクラの蹴りも炸裂。
ホントあたし達いいコンビよねぇ。


「はぁ・・・今日はまたすげーな」
呆れたようなシカマルのつぶやき。
「ってゆーか俺ってばサスケが気の毒で・・・」
間で疲れた顔をするサスケを見てナルトもつぶやく。
「確かにあの立場にはなりたくないよね」
ボリボリとお菓子を頬張りながら同意をしめしたチョージ。

「でも最近イノの態度ってちょっと違うよね」
「ああ、まぁ以前と少しばかし違うな。」
「何がだってば?」
「うーん何て言うか・・・当て馬?」
「いや、言い過ぎだろ。確かに言い得て妙だけどよ」
「イノが当て馬だってば?」
「ちげーよ。イノにとってのサスケが・・・っとめんどくせー事になりそうだからやめとく」
言い掛けたまま突然会話をぶちきったシカマルは背後からプスプスと突きささる視線を感じ取っていた。
サクラと勝負しながらよくそんな余裕があるものだ。

「サスケが当て馬・・・?何でだってばイノってばちょーサスケバカなのに」
「いや理由は聞くな。自分でわかれ」
「そうだよね。こう言うのは人から聞く事じゃないから」
ナルトって凄く疎そうだけど・・・。ささやかにイノを哀れみながらチョージも口をつぐむ。
「はぁ?シカマルもチョージも何言ってんだか全然わかんねーってば。」
そーだろうな。
そうだろうね。

予想どおり鈍いナルトに内心ふかぁぁく頷いてしまう。

「わかんなくても別にいーだろ?めんどくせーし」
「そうだね。まだイノもよくわかってないみたいだしね」
「うがぁ気ーにーなーるぅ」

(っつーわりにあんまり気にしてねーんだよなこいつって)
(とか言ってあんまり気にしてないんだよねナルトって)
幼なじみである彼らは互いの目に同じものを読取り軽く肩をすくめあった。

イノさん調査は進展しているのかしら?
きっとご両親に聞いた方が早いんだろうけど、聞くに聞けない今の状況っ
聞いたら最後、嬉々として延々夜中まで語られそうだよなぁ(笑)