招待状は父の罠?1


2班合同任務の日だった。
抜けるような青空。
サンサンと降り注ぐ日差し。

「いー天気ねぇ」
「そうだね」
「…良すぎだろ」

「まだ朝だって言うのに日があんなとこにあるわよ」
暑いはずよね。
「そうだねぇ」
「…や、もー昼だし」

1人突っ込みに回ってしまっためんどくさがり少年は周囲の温度がぐっと下がるのを感じた。

「っっるさいわよ!んなこた解ってるわよ!」
「ちょっとした逃避くらい見逃して欲しいよね」

いつも温和なぽっちゃり系にまで叱られてしまい思わず
「…わりぃ」
謝ってしまった世界のめんどくさがり屋代表(←言い過ぎ)シカマル。


「ったくいつになったらくるのよーーー!」

そう、今日はあの遅刻魔率いる7班との合同なのだ。
ちなみに彼らの担任はとっくの昔にやってきて、何本かタバコをすった後、
「・・・カカシん家行って来る」
とボソリと呟き去っていった。その後まだ帰ってきていない。


「予想していた事とはいえ、さすがに待たせすぎにもほどがあるでしょー!」
「お菓子無くなってすでに1時間…もつかな僕」
「飴でも舐めてなさい!」
重傷患者のようなチョージに鞄に潜ませていた袋入りの飴を投げ付けるイノ。
優しいんだか優しく無いんだか。

「やったぁこれで後10分はもちそう、ありがとイノー」
「一袋に20個は入ってるのよ。噛まずに嘗めれば20分はもつわよっ」
1個1分計算のようだ。

「噛まずにかぁ難しいなぁ」
「禁断症状味わいたくないなら根性で頑張りなさぃ」
「うーん頑張ってみる〜」
まるでどっかの熱血班のようなノリだ。
待ち疲れてハイになってるのかもしれない。

「ってあそこ歩いてるのサスケじゃねぇか?」

「え?」
「ほんとだー」

シカマルの言葉に慌てて振りかえった2人の目には優雅に歩くサスケの姿。

思わず最近までサスケフリークだったイノですら殺意を抱いてしまうくらいに暢気に歩いている。

「っつかあいつスーパーの袋持ってるぜ」
「買い物帰りってこと?お菓子あるかなぁ」
「そんな問題じゃないわよ!サースーケーくーんー」

いつものような黄色い声ではない。色で表すならば黒い。
ドス黒過ぎるイノの声に、呼ばれた人物はいつにない危機を感じた。

「…なんだ?」
呼ばれる理由が解らないが逆らうとどうな目にあうやらって表情を10班の面々はしていた。
先に言っておこう。

うちはサスケは純粋に被害者であった。




「や、休みですってぇぇぇ」
「…ああ。昨日解散前にあの変態上忍からそう言われたが」

「人を5時間も待たせておきながら休みを満喫してるわけね7班わっっ!」

間違ってはいない。
だが7班の生徒には1%も非は無い。重ねて言うが彼らも被害者である。

「イノー怒るなら原因の人だけにしないと」
「こいつらは丸っきし被害者じゃねぇか」

イノの形相に怯え切って腰引け気味なサスケのかわりに幼なじみがフォローを入れる。

「そうよね、律義なサクラが任務を忘れる訳ないし、ナルトが約束破るなんて思えないし」
サスケは?なんて突っ込みは親切にも胸の中に秘めておく幼なじみたち。
ちょっと黒髪の少年を哀れそうにみやればきっぱり彼は首をふった。

「安心しろ、煩わしい事が減って最近大分胃の負担が軽減している」
その心からの言葉が今までの苦労を思わせ、余計に涙をさそわれた(笑)




サスケが何だかナイスポジション(笑)