さーて今日は夜の任務ないしたまには子供らしく早く寝っかな。

そんな事を考えながら腰に手をあて上体を後ろに反らしていた風呂上りのことだった。


学校へ行こう 




ポカポカ温まったからだは心地よく睡眠をいざなう。
軽い恒例のストレッチを終えた俺は首に引っ掛けてたタオルでガシガシと濡れた髪を拭いていた。
ちょーどそん時親父が歯ブラシ片手に俺の前をウロウロしだしたんだよな。

目的は俺の横にある流し台。
俺の用事はその隣にある冷蔵庫。
隣で親父がうがいする音が聞こえる。

ガラガラガラガラ・・・・。

その後の間がかなりあって怖い。
おい親父その水飲むなよ。

そんなことを思いながら冷蔵庫から出した牛乳をパックからそのまま流し飲み。
母ちゃんに見つかったら煩せぇからさっさと飲み終えちまわねーとな。


「ぶはぁ」
うーん風呂上りの一杯(←コップについでないから分からないが)はうめぇ。

さあって歯ぁ磨いて、今日は夜の任務ないしたまには子供らしく早く寝っかな。
親父が流し台からどくのを待つ間腰に手を当て背をそりかえした。
ぐぅぅと伸びる背中が気持ちいい。

うー。やっぱ疲れてんなぁ。9歳児のセリフとしてどこか(←全部)間違ってるような気もするがまぁそこは海よりも深い事情があるってコトで許せ。

ヨッと上体を起こせば、親父は俺を見たまま静止していた。

「なんだよ親父。終わったんならさっさとどけよ」
歯ぁ磨けねーだろ。


「やー。そういや言い忘れてたなーって思ってよ」
「何をだ?」
ニヤニヤした顔でそんなこと言われてもな。
何かたくらんでるとしか思えねぇ。

そしてやっぱり親父はたくらんでやがったのだ。




「や、大した事じゃねぇよ。おまえ明日から学校あんだから早く寝ろよ。ってな」



青天の霹靂。
っつーかうちの親はこんなんばっかだけどこれはヒドイと俺でも思う

「学校って・・・」
「アカデミーに決まってんじゃねーか。ナル坊の奴も明日から3年生だろ?やったな!!!1年とはいえ一緒に学校通えるぞ。同じ学び舎で1から勉強してこいや」
「な・・・」
「うん?ああ、わざわざめんどくさい書類の用意とかしてくれて感激のあまりに声もでねーってか?礼ならいらんぞ。可愛いバカ息子の為にやさしい親がちょっとばかし裏の手つかってアカデミーの入学試験免除なんてごり押ししてやったがいやいや礼なんかいらないからな。はっはっはー」

バカ親は言いたいことだけ吐きまくると馬鹿笑いしながら去っていった。

後には誉れ高いIQを誇るはずの息子が一人呆然としたようにたたずんでた。

おいおい聞いてねーって・・・

複雑な顔を片手で押さえ呟いた
「まじかよ・・・」


親父大好きだーー(笑)
04.11.6