「あーめんどくせー」
アカデミーに通う。
何がめんどくさいって朝起きること。
夜お仕事をしている身としては出来れば次の日は昼まで寝かせてほしい。

更にはチャクラの質をへぼへぼなものにかえなければならない。
指紋や網膜と同じでチャクラは一人一人違う。
まかり間違って暗部の自分を知ってる人間と出会ってしまったらバレる。
とはいえそこらへんのヘボな上忍程度じゃ気づかれねー自信はあるけどな。
まぁなんっつーか保険・・だな。
バレたらマジめんどくせーし。

そんなわけで変化よりめんどくさい忍術をつかわなければいけないのだ。


ああ・・・心底めんどくせぇ




学校へ行こう 



ワイワイキャーキャー。

あーガキってうるせぇ


新入生のためのイスに腰掛け、頬杖をついて眺めていると誰かが横から近付いてきた。

「なによあんた入学式の日くらいもうちょっとシャンとしたら?」

声だけでわかる。
出会った開口一番これかいな。

「んあ?」
とのんびり視線を右に向けてみれば、仁王立ちの少女・・・イノだ。
お前一応女なんだからその立ち方は止めたほうがいーんじゃねー?
言えばめんどくせー事になるのがわかってるだけに、口にはだせねぇ。

「何よ?なんか文句ある?」
だがしかし残念ながら長い付き合い故に視線だけで伝わったのだろう。
どっちにしてもめんどくさい事態になりそうだ。
はぁ。と内心ため息をついていると、

「いの。ほらあっちにイノが騒いでた子がいるよ」
「何よチョージっ・・・てきゃあっサスケ君っっ」

両手を組み合わせて乙女丸出しのイノが走りだした。
(助かった・・・)
心底思う。

「サンキュウな。ちょーじ」
「ううん。シカマルがだるそうなのなんていつもの事だもんね。イノがむちゃなんだよ」
「はは・・・」
ああ。本当にこいつがいてくれてよかった。フォローを入れてくれるチョージがいなければ幼なじみなんかムリだっただろう。

護衛任務だ。
とだまされて、この二人の護衛について早2年。火影様の罠に気が付いたのは二人と友人関係を結んでから、ほんの一週間後。


遅すぎた・・・。


すでにナルトはアカデミーに奪われていた。
どうりでなかなか会えねーと思ったぜ。

しっかし今年はすげーな。うちはに油目、それに日向か。犬塚もいるし、まぁそれ言やぁイノやチョージ、俺ん家もそうだけど。血統書付きがゴロゴロしてやがんな。
あいつも大変だ。

遠くで準備をしている最終学年の生徒達がワラワラいる。
思わずあいつの姿探している自分にちょっと苦笑がもれた。
めずらしくお菓子を手にしていない(式中は食うなと没収された)チョージが不思議そうに自分を見たが、あえて突っ込んでこない。
ホントありがたいよな。

「あ、みてシカマル。すごく綺麗な金色だよ。」
これまた珍しい興奮気味のチョージの指した方を見る前に俺は確信を持っていた。
そんな奴この里にたった一人だもんな。

「うわぁ綺麗だね」
チョージの純粋な称賛に気分がよくなる。
(そうだろそうだろ。あいつの髪は見た目だけじゃなくてフワフワしてサラサラしてすっげ良いんだぜ)
内心満足気に自慢する。
「あっもしかしてあの子がそーかな?」
「そーだろ」
意味深なチョージの視線に軽く頷いて見せる。
さぁお前はどういう反応みせる?できれば期待、裏切ってくれんなよ。
祈るような思いでチラリと視線を動かせば、ふとっちょの幼なじみはキラキラ瞳を輝かせていた。

(は?)

あまりの予想外な反応にもう少しで声に出るところだった。
「チ、チョー」
「うっわぁ初めて見ちゃったっ。お父さんが言ってたとおりだっ」
頬を赤めて何言ってんだお前?

「ナルトは可愛いぞーっていっつも自慢するからさー僕としては気になるじゃない?わぁ近くに行ってもいいかなぁ」

こいつが食物以外にこんなに興味を示した事があっただろうか?いや、ないっ(←自問自答)
まるでこの世に春が来たと言わんばかりの喜びように正直俺は引いた。
なんだ?
何パターンも予想してた反応のどれともかすりもしねーぞ・・。
いや、そりゃ嫌悪の感情が発生しなきゃいいなぁ・・・とか思っちゃいたけど・・・・。

どうして大喜び?
どうして頬を染めるっっ!!?

「あーでも残念だなぁせっかく同じ年なのに2年僕のほうが遅いばかりにクラスメートになれないや」
「・・・」
こんな時、幼なじみとしてどんな反応をかえせばいいんだ?
今まで読んできた大量の本のどれにも載ってなかったぜ。
自然無口になるシカマルに気づく様子も見せずチョージは唐突にイスから立ち上がった。

「よしっシカマル。行こう。」
呆然としていたシカマルを別人と化した幼なじみが引きずってゆく。
どーこーへー!?

いや聞かなくたって分かってるんだけどな。

チョージ好きだーー(笑)
まじ最近チョージ君大好きです。
04.12.6