11.答え



〜里を抜けない訳〜

その日俺らは大きな木の下で疲れたからだを暫し癒してた。

「疲れた」
「だな」
「次は?」
「北のバカ一掃だな」
「・・・・・・気分転換になるってば?」
「さぁな。むしろただめんどくせぇだけじゃねぇ?」
「・・・・・・・・・・・寝てたい・・・」
「同感」

ポテンとシカマルの肩に頭を乗せて、泣き言を呟く。
さすがに今の状況なら誰もがこのくらい言っても仕方ないだろう。
なんで木の葉の忍びはこんなに使えないのばっかなんだぁぁぁぁぁぁ。


「抜けたいこんな里」
深刻である。

「抜けるか?」
相棒も半分真剣かも。


「・・・・・ふ・・くく・・・・・・」
「は・・・はは」

思わず二人で笑い出す。
なんだかやけっぱちな気分だった。

「「抜けれるわけねーって・・・」」

単純に3代目への恩返しのため。
複雑には微妙に微妙なラインで発生する里への愛着のため。

「あー泣き言終了。今日もガンバリましょ」
「だな。ナルト。母さんからこれ」
「あっおにぎりっっ」
「さすがに夜飯ぐらいはな。」
「昼食べる暇なかったもんなぁ。そんでもアオが差し入れにシュークリーム持ってきてくれたから助かったってば」
「ああ。さすがアオ。だがあの時俺はもっと腹に溜まるものをくれって正直思ったぜ」
「わーぜーたくだなシカマルは」
「お前だって一瞬足りないとか思っただろ?」
「げっ顔に出てた?」
「やー後でアオにこっそり聞かれちまったからな。もしかして二人ともお昼食べてない?とかよー」
「あちゃーバレバレ。ま、いっかアオだし」
「ああ。アオだし。次はきっと良い物を持ってきてくれるはずだ」

あっさり解決。
なんだかアオ様様である。

「うまーい」
「間違いなく腹には溜まるな」
「シカはもうちょっとミヨちゃんに敬意を表すべきだってば」
「へーへー」
こんなうまいおにぎり作ってくれるんだからっっ。

黒い装束姿で、でも変化はといて。
二人はもくもくと夜ご飯。

「ごっそーさん」
「ごちそーさまでしたっ」

さぁて北に巣くうバカな盗賊団をつぶしに参りますかねぇ。

ポンッと変化して夜空を舞う。
隣には大切な相棒。
大好きな家族ともいえる相棒のお母さんの手作りおにぎりを食べて腹は満腹。
このサイコーの状態があるから。

(やーこれだから里は抜けられないってばよ)


なのである。