12.音楽
江戸川コナンになって。
1番の苦痛はなんですか?
ともし問われたならば。
不自由な子供の姿ではなく。
蘭に姿を偽ることでもなく。
カワイコぶりっ子子供のフリをしなければならないことでもない。
なんと言っても。
もう開放されたと思っていた音楽の授業!
知ってるか?中学・高校はな、1人ずつの音楽のテストなんてねーんだよ!
小学校だけだぜあの歌を苦痛にしか思えない人間にとって地獄としか思えねぇ所業をしでかしやがるのは。
「さぁ次は江戸川君よ」
ニコヤカにピアノに座る担任が呼ぶ。
もうすでにこのクラスは知っている。
なんでも出来るスーパーカッコいい江戸川コナン君が。
破滅的な音痴だって事を。
だから。
「コナン君っ無理しないでね」
歩美の心配そうな顔。
「後で飴やるから頑張れよコナン」
元太の最大級の慰めの言葉
「コナン君。苦痛の時間はほんの数分ですっ。耐えてくださいっ」
ぐっとこぶしを握りしめ見るのも耐えられないといった風情の同情一杯の光彦の態度。
そしてクラス中の暖かな応援ムードの雰囲気。
その全てが苦痛となる。
「江戸川君のおかげでクラスは一致団結できるのね。素晴らしいわっ」
なんかほざく担任はほおって置いて、とにかくこの苦痛の時間が早く過ぎることだけを俺は祈るのだった。
音楽の時間なんて大嫌いだーーーーーーー!!
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