14.白紙
配られたテスト用紙。
それを眺めて二人は思った。
(めんどくさ・・・)
気分が良いときは適当に間違えた解答を書いたりして楽しんでいるのだが、本日は非常にめんどくさかった。
基本的にシカマルは5、6問答えておいて後は寝る。
ギリギリ赤点になるかならないかの点数だ。
怠け者の奈良シカマルにはちょうど良い点数。
対してナルトは精一杯全部を埋めて、そして全滅する。
基本的に赤点組みだった。
「こおらっナルトっシカマルッ今回のテストはなんだ!!」
次の日イルカに呼び出された二人は思い切り持っていた教科書で叩かれた。
「いってーー暴力反対だってばっ」
「うるさいっ」
「だってすっげーー痛かったってば。ヒリヒリするー」
ウルっと涙目でわざとらしく訴えてみればイルカはほだされたのか鼻の頭を掻いた。
「あーすまん。俺が悪かった。大丈夫か?」
心配そうにイルカに覗き込まれたナルトは照れ臭そうに頷く。
「へへ。全然へーき。」
「シカマルも・・・ってお前は全く平気そうだな」
「いや、十分痛かったっす。」
なんでもなさげな顔でそう言うシカマルにすまんすまんと頭をなで、
「もう一度聞くが、昨日のテストだ。これはどういうことだ?」
今度は落ち着いた声で尋ねた。
二人の答案用紙を両手でピラリ。
それを見て思わず二人は顔を見合わせた。
「お前も?」
「シカマルも・・?」
まったくの白紙の答案が二枚。
白紙なんてアカデミー入学以来始めての二人。
その日は単純に気分が乗らなかったので「あー後でイルカ先生に絞られるなぁ」と思いながら名前だけ書いて提出した。
だがまさか相方も同じ事をしているなんて思いもよらなかったのである。
「うっわー気が合うなっシカマルっ」
「嬉しくねーけどな」
シカマルの肩をたたいて喜ぶナルトにシカマルは苦笑しながら頷く。
「そーゆー問題じゃないだろっっ。なんで白紙答案なんか・・・」
眉をグッと寄せ返答を迫るイルカに、二人はキョトンとした顔であっさりと正直な胸の内を答えた。
「「めんどくさかったから」」
もう一撃今度は容赦ない雷が落雷した。
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