拍手ありがとうございます。
いつも拍手してくださってる方、感想下さっている方本当に感謝しております。
いつもいつも返信滞ってますが縁真の心の潤いになってますありがとうございます。

24.何もしない時間




「なにやってんだ?」
「んーごろごろしてんの」

キバ達の誘いに「今日は忙しいってば!」
と断り去っていった筈の金の髪の少年がなぜか自分のゆく手にいた。

それを知っているシカマルとしては・・・なぜここに?と疑問だらけ。

っつーか・・・・

「なにやってんだ?」


である。
思わずもう1度同じ質問をしてしまうくらいに疑問だらけだ。
忙しい?これが?どう見繕っても忙しそうには見えない。
思わず自分の目を疑って、それから先ほどの会話のほうを疑ってしまった。

「キョウハイソガシイッテバ!」

なにか変換ミスしたか俺?

そこまで考えていると

「だーかーーらーーーゴロゴロしてるんだってば!!」
コロリと芝生の上を転がってシカマルのほうに近寄ってくる。


「・・・・・だってお前キバとチョージに・・・」
「あ、聞いてたってば?ウン。俺ってば今日はチョーーーーーーーーー忙しいの」

おいこら俺のステキなIQ!
これの答えを出してみやがれ!

「・・・・・」

だがしかし、あいにく超人的IQでもこの理解不能な少年の考えることは思いつかな
いらしい。

ゴロゴロするのに忙しいってか?
それともこれから用事があるのか?


「な、なっシカマルも今日の俺の予定に参加するってば?」
「予定だぁ?」
「うん。うんうんっっ」

バフバフと自分の隣を叩きながら頷く金の髪の少年。

「寝ろってか?」
まぁ元々そのつもりで来たから異存はねぇけど。

「寝ないっ昼寝はナシ!ゴロゴロすんの!」

「いいじゃねぇかよ。昼寝もゴロゴロの仲間だろーがよ」
「だめーーーーー!今日の俺の予定は《なーーーーーんにもしない時間をつくるこ
と》だってばよっっっ」


「は・・・・?」

・・うわーすげーよお前。一瞬俺、意識飛んだぜ。

「寝たら昼寝になっちゃうってばっっだからごろごろっ考え事もしないでぼへーーー
ーってすんのっ。」
「なんでいきなしそんなお前に向かねぇことしやがるんだ」
それは俺がいつもしてる事じゃねぇか。

「敵を知るにはまず敵の気持ちを理解してみればいいってイルカせんせーが言って
たってば」
だから同じことしてみるのっ。
むんっとナルトが言張ったその言葉に眉間にしわがよる。

「敵だぁ?しかもその敵ぼへーとしてやがるってのか?」
「ウン。だからそいつの気持ちをちょっとでも理解しよーと思って」

へへっと照れたように笑う子供にちょっぴりム・・とする。

「で?誰のだ?」
訪ねる声も1トーン低くなる。
慣れない事をしてまで理解したくなる奴って・・・。

「へへーーなーーいしょ・・・だってばよ」
赤くなった頬が可愛らしいとはいえ内容は業腹。


「帰る・・・」
「ええっっシカマルなんでっ一緒にごろごろしよってばよーーーーー」
「うるせー帰るったら帰るんだっっ」

ナルトを腰にぶらさげたままシカマルはしかめっ面で帰ると言張り、ナルトは必死に
逃すまいとしがみつく。



うっかりそれをちょっと離れた所から見てしまったキバとチョージ、それにシノは。

「っつかあいつの敵ってのはよー明らかにシカマルのことだろ」
「うむ・・・」
「シカマル頭いいわりに鈍いんだよねぇ」

呆れ顔の三人は
(あー嫌なもん見た)
とばかりに無自覚のいちゃっぷりに肩をすくめその場を去った。

だからその後ナルトとシカマルが仲良く昼寝を始めたことは誰も知らない。