29.まぶしい

「うがーーーまーーぶーーしーーーいーーーーー」
「うるせぇぞ」
「だって朝日が・・・」
「なんでカーテン閉めてねぇんだ」
「だって昨日へとへとで忘れてたってば」

確かに昨日の夜の任務はきつかった。帰ってきたのは一番鳥が鳴きだすころ。
冬だからまだ日は出ていなかったが、夏ならすでに太陽が顔をだすような時間だった。
とりあえず暗部服だけ脱ぎ捨てて手近な布をひっつかみ着込んで布団にバッタリ。


よく見ればナルトはパジャマのズボンと普段着のTシャツだった。
パシャマの上はそこらへんに悲しく転がっていることだろう。
それくらい疲れ果てていたのだからカーテンなんて忘れていても仕方あるまい。


「ったく。」

早朝から相方の騒がしい声にたたき起こされたシカマルはめんどくさがり屋とは思えない事に寝起き端に印を組み、ギュオオオと影を伸ばした。

シャーっと影に引かれるカーテン。
朝日が遮られた寝室は実によい感じになった。

「ほれ。これでいいだろ。寝ろ」
「うん。」
閉めに行けと言わないシカマル。
意外と朝に弱いナルトを思っての行為かもしれないし、文句を朝から聞きたくなかっただけかもしれない。
そんなシカマルに抱きついてコテンと二度寝。

「ふぁぁ。あと3時間は寝れるな」
「うー起こしてごめんってば」
「や、どうせそのうち眩しさで目ぇさめただろうしな。ほれ、寝るぞ」
「うんー。シカマルーーー」
「んぁ?」

「ありがと」
「・・・ああ」

ちょっと照れたようなシカマルのその声に、目を開けたい気がしたがあまりの眠さに瞼が開かない。

(あー照れたシカマルが見たかったなぁ・・でも眠い・・・)

「・・・寝たのか?ったく目覚めるのも早けりゃ寝るのも早い。得な性質だよなぁ」
しかも寝入りばなのほにゃほにゃの笑顔でお礼言われた日にゃ照れたって仕方ねぇっつーの。

未だ赤い頬をカリカリと掻いてギュッと腕の中の金の頭を抱きしめるともう1度ゆっくり夢の世界へ。


あ・・・・そういや目覚ましかけてなかった・・かも・・・・・


その日二人は昼の任務に遅刻したとかしないとか。