54.羨望
「コナン君ってやっぱり凄いです」
「うんっさすがコナンくんだよねっ」
二人の素直な賞賛に
「俺だって頑張ったってのに」
元太はぶぅっと頬を膨らませ不服を述べた。
確かにコナンの言うとおりに動いたから事件は解決したんだけどよー。
でもコナンだけ褒めるのはずっけーって
そんな元太に隣の少年は小さく微笑んだ。
「ああ。お前が頑張ったから事件は解決したんだ。よくやったな元太」
自分への賞賛はサラリと流し口々に自分たちの手際を褒めてくれる大きな眼鏡をかけた自分たちの友人。
彼がひときわ凄い人間だってコトは元太だって分かってる。
なにより凄いのはこんな時の気配り。
「へへっ」
そんな彼の一言で一気に機嫌が浮上してしまう自分がいて、親や、先生、他の誰に褒められるよりずっとずっと嬉しい。
それくらいそいつは俺にとってすっげー奴。
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