6.リンゴ
「今日の任務はリンゴ狩りでーーすっ」
「やったぁぁあリンゴ狩りだってばよーーーっっ」
大喜びなのは金の髪の少年だけ。
黒い髪の少年もピンクの髪の少女もうろんな顔で担任を見上げた。
「それってこの園内のりんごを全部狩れってことですか」
「何ヶ月かかると思ってる。このウスラトンカチ」
「まっ!先生がそんな可哀想なこと生徒にさせると思ってるの?」
可愛くほっぺに手を当てて驚いた顔をしてみせた担任に二人の可愛い生徒は
コックリと頷いた。
「可哀想と思う心があるのなら毎日毎日まーーーーーいにち三時間も四時間
も可愛い生徒を待たせたりしないと思います」
「同感だ」
否定できなかった。
ので、すぱっと話題転換←あかんがなセンセー
「ま、それは置いといてぇ。今回狩るのはここの一画だけだから安心してネ。」
その言葉に生徒たちは胸をなでおろした。
一人良くわかっていない金の髪の少年だけそんな三人のやり取りを首をかし
げながら見ていたが。
「りんごが1つーりんごが2つーー〜」
背中に背負った大きな籠にポイポイ入れていく子供は大きな声で数え始めた
。
止まることのないその声をバックに仲間もりんご狩りに集中し始めた、担任は
読書にいそしんだ。
日も陰り、そろそろかな?とパタリと読むフリ(本当か?)をしていた本を閉じ立
ち上がる。
「はーいしゅうりょーお」
の担任の合図に延々続いたその声はようやくピタリと止まった。
「せんせっ俺ってば367個も採ったってばよっっ」
偉い?偉い?
瞳をキラキラ輝かせて子供は見上げる。
「おー頑張ったネー。どれどれ。」
ナルトの籠の中は美味しそうな色合いのりんごばかりが採られている。
さすが現在進行形で主婦業をしているだけあって食材を見る目がある。
「んーゴーカック。」
「やったあぁぁ」
サクラは一個一個を採るのに時間がかかってしまい、サスケはナルトより大量
に採ったものの、まだ青いものや腐りかけたものが入っていたので減点。
今日の勝者はナルトーーー
二人に勝利し、ご機嫌のままお礼にもらったりんごを抱え走っていたナルトは
視線の先にホテホテ歩く相棒を見つけちょうどいいと笑った。
「シーッカマールーおすそ分け〜」
ていっと飛んできた赤いものをナイスキャッチしたシカマルは相方の突然の登
場に驚くでもなく(慣れきっている)、
手の中の物体に目を落とし、ポツリと呟いた。
「アップルパイが食いてーー」
「あっ俺も俺もっっ」
「じゃ母さんに作ってもらうか」
「やったー俺も手伝うーー」
その日の夜のデザートは出来たてホカホカのアップルパイでした。
お前りんご狩りで勝利したくらいでそんな大喜びしてどうすんだ?
いいのっ嬉しかったんだからっ
|