80.同時


天気の良い日だった。
シカマルとのんびり草原で転がっていたナルトは小さな子供たちの襲撃をいつものごとく返り討ちにすると楽しそうに笑い出した。

「ふっふっふーー木の葉丸ー甘いってばよー」
「ちぃっまた負けたコレー」
「やっぱナルトの兄ちゃんは強いよなぁ」
「まだまだ僕たちの鍛え方が足りませんね。」

うむうむと敗北を認めている三人をナルトとシカマルは微笑ましく見守る。

「ナルト兄ちゃん修行だコレ!!」
「俺ってば今日はお休みなのっ。休養日だってば」
「「「ええーーっ。」」」

三人の不満そうな声を耳にしてシカマルと目を合わせる。
シカマルは伺うようなナルトの視線に苦笑をもらした。

「まぁ少しくらいならいいんじゃねーか?」
「っし。シカマルありがとってば。じゃー三人とも一時間だけだってばよ」

「「「やったーー」」」


それは突然だった。
修行というなの遊びをしていた彼らはフイに気配を感じ子供たちを呼び寄せた。
次の瞬間ザザッと黒い影が木の上から降ってくる。

「お前が火影の孫だな。その命ちょうだいする」

「な、なんだコレっ」
周りを見渡せば黒服の忍びが沢山。


子供たちを庇うように立っていたナルトとシカマルは冷静にその数を把握する。
「9」
「ああ、後援に3だな」

互いに頷き確認を終えると彼らはほぼ同時に言い放った。

「「そんなことはさせねーよ」」

振り返った子供たちに二人は小さく苦笑した。

「木の葉丸。二人をつれてすぐにアカデミーに行けってば」
「あ、うんっ。ナルトのにーちゃんはどうするコレ?」
「俺とシカマルはこいつらの相手するからすぐにイルカ先生呼んできて欲しいってば」
「わ、わかったコレ。すぐに呼んでくるからナルトのにーちゃん達負けんなよっ」
「誰に言ってるってば」

不適に笑うナルトに木の葉丸たちは嬉しそうに笑った。

「さあーかかってこいってばよ」
「まーめんどくせーけど。適当に相手してやるぜ」

二人は同時にニッと笑った。