学校対抗
     チョーーウルトラスーパー
                バトルロワイヤル17




『・・と言うわけで今あなたたちがいるその場所に強盗グループが潜んでいる可能性が高いそうよ』
「って事はやっぱり俺たち以外の人間は・・・」
「人質にされてそーって事だよねぇ」
「っちゅーかこの場合俺らも人質に仲間入りする危険性が高いんやないか?」
『ええ。その通りよ服部君。犯人の正確な人数はわかっていないわ。最低3人以上。銃を保持している。それと・・すでに彼らは2人の人間の命を奪っているわ。それだけは肝に銘じて行動しなさい。』

とくに江戸川君。
と指定されコナンは肩をすくめた。

「気をつけるよ」
『今外には刑事が集まっているはずよ。私たちも呼ばれてそちらに向かっているけれど、多分このトランシーバーであなたたちと連絡を取るつもりなんでしょうね』
「んー中の状況を知りたいんだろうなぁ。ねーコナンちゃんどうする?」
「どうするもこうするも連絡が来たら応答するつもりだけど、目暮警部たちが俺たちにむちゃさせるわけないと思うからすぐに脱出しろっていうだけだろどうせ」
「んで脱出過程に人質救出が含まれてて、ついでに犯人も逮捕してくれたらラッキーみたいな?」
「さあな。そこまで望むかは知らないが、でも多分少しは期待してんじゃねーの?」

他の参加者の家族に連絡して携帯電話の番号を聞けば中との連絡はとれる。
だがそれをしないということは、自分が目暮達と知り合いである事と、それ以上に今までの江戸川コナンとしての実績が彼らに期待を抱かせてしまうのかもしれない。

「売れっ子はつらいねっ」
「っちゅーか子供に何とかしてもらおうっつー警察機関もどうかと思うけどな。」
「おいおい。お前の親父さんだって警察機関の人間だろうが」
「うちのおとんは別や。むしろ子供を介入させるの反対派。まーおかげでやりにくいことやりにくいこと。」
服部が眉をよせて愚痴ればコナンは納得した。
あのオヤジさんならそんな感じだよな。
でも何だかんだいいつつ自分の息子の探偵としての技量を見込んでるのだろう。
服部が警察の仕事を手伝っているのを知ってて見逃してくれたりしているのだから。

「ってことで適当に目暮警部たちはあしらっとくつもりだから」
心配すんなよ。と言ってやれば、
『別に心配なんてしてないわよ。』
とあっさり返ってくる。
いやもう灰原だよなぁ。
と納得してしまう返答。

「あーでもまさか哀ちゃんまで巻き込まれちゃうなんてねぇ」
『巻き込んだ張本人の言葉とはとても思えないわね黒羽君?』
「だってこんな事態予想してなかったもーん」
そりゃそうだろう。

だがしかし、
「俺はちょっとは覚悟しとったで」
服部がボソリとこぼせば、
「何かが起こるとは思ってた」
とコナンまで白状する始末。
『あなただけ呑気に構えてたと言うことかしら黒羽くん』
「まったっ。待って哀ちゃんっ。この場合仲間割れしてる余裕はないじゃないっ」
必死で言い募る。
「だって人質とられてるんだよ。犯人は拳銃持っててためらうことなく人殺しちゃうような人たちなんだよ。もっと時間を大切に使おうよ」
「一見まともな意見だな」
「ただの言い訳にしか聞こえへんけどなー」
辛辣な二人の意見にガクリと快斗はうなだれた。

『分がないようね黒羽くん。今江戸川君のパソコンに情報を送っているからそれを見てさっさと解決なさい。』
「アイアイードクター」
「どれ。あーサンキュウ灰原。すっげ助かる」
敬礼する快斗の横で、パソコンに送られてきたこの建物内の見取り図に歓喜するコナン。
『もう一つあるわよ』
その言葉にもう一つ添付されたファイルを開いてみれば望んでいた図面が現れた。
的確な情報にコナンは目を丸くした。
「これって・・・。よく手に入ったなこんなもん。」
コナンの感嘆の声に軽く含み笑いを返すと哀は締めとなる言葉を口にした。


『何にしても即座に行動しなさい。警察が動いてるのだから。』
「ああ。」
気重に頷いた瞬間向こうから明るい声が響いてきた。
『あらぁ警察機関はあたしがなんとでも押さえちゃうわよ〜だから焦らず怪我しないで解決しちゃってね。Jr。ついでにおちびちゃん』
綺麗な英語。ちょっと低めの女性の声。
まぎれもない、これはつい最近聞いたばかりの悪夢の声っ。

「「な、ナイトメア!!!?」」
『もーメアちゃんって呼んでって言ったでしょー』
「なんでそこに・・・」
『二人の事調べてたらこのちっちゃなドクターの事が検索に引っ掛かったのよ。だからスカウトー』

またか!!!

『だっておちびちゃん仲間にするのに不可欠なんでしょ?Jr手に入れるにもおちびちゃんが不可欠だし〜芋蔓式?ってかんじ』

そのまま芋蔓式に他のやつらに色々バレそうで怖い。
『ま、詳しいことはまたあとで。がんばんなさいな』

プツリと切れた通信に二人で盛大にため息をついているとメアの事をしらない服部が「誰や?」と首をひねった。

「まぁ何にせよ、必要な情報は揃った。」
「ねーこの図ってなーにー?」
「なんや線が交錯してるだけに見えるけどな」
快斗と服部の疑問に、
「あ?ああこれは・・・この先必要になる地図だ」

にやりとコナンはこたえた。
 



「は、白馬君。なんか囲まれてる?」
「これもゲームの一環・・・」
ざっと見た限りで7、8名。
多勢に無勢、更には武器を携帯しているらしい事を見て取り即座に否定の言葉を述べる。
「・・・ではなさそうですね」
「うん。絶対違うよー」

「まだ残ってる侵入者がいたとはな」
「リーダーが言ってた最後の組なんじゃない?」
「筋肉マッチョな男共ばっかだったからなぁ。ちょっと意外かも」

「他の参加者をいったいどうしたんですか」
白馬が口を挟んだ。
情報収集の為おとなしくしていようと思ったが黙っていられなかったらしい。
「殺しちゃいないよ」
「ただ人質として捕らえさせてもらってるだけ」

「人質って・・・」
不吉な言葉に青子が眉を寄せる。
「何の為にそんなことを?」
白馬も顔をしかめながら尋ねた。

「今からするゲームの優勝商品だよ」
「ゲーム?」

「そう。まぁお前たちはあんまり強くなさそうだからゲームに参加する資格はないだろ。」
「じゃ捕虜決定〜」

陽気に笑った一人の男に手を引っ張られ即座に青子は威嚇するように叫んだ

「っきゃーーーーーーー!!はーーなーーしーーーてーーーー」

ちょっとひるんだ8名の若者たち。
10代から20代にかけてまばらな年齢層。
どういう知り合いだろうかと内心疑問に思っていた白馬はそれどころじゃない事態を悟り慌てて青子を助け出し、口を開いた。

「ま、待ってください。ゲームっていったいなんなんですかっ君たちはいったい誰で、リーダーという人は一体何を考えてらっしゃるんですか。」

捕まる前にせめて情報を、と。
青子を背に庇いながら時間をかせぐように口早に尋ねまくることにした。




プツリと切られた通信機に不適な笑みを浮かべたのはコナンだけ。
快斗は相変わらず飄々と、服部はコナンが見せた図面を眺め首を傾げている。
他の人間は、というと・・・・漏れ聞こえた情報に思わず皆で無言になってしまっていた。
なんか起こってるとは思ったけど、あの今話題の強盗団がこの建物に潜んでる?信じがたい事実を耳にしてしまったせいか、いろんな不振な点を見落としてしまった。
コナンの態度とか
コナンの口調とか
コナンの電話の相手の事とか
コナンの・・・
コナンの・・・・



いや突っ込みどころが多すぎて突っ込めなかったのかもしれないが。

ということであっさりそれらについては無視することに決めた単純思考の辰巳が真っ先に口を開いた。
「早くここから脱出しようっっっ」

実に建設的な意見だった。



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ナイトメア参上!!(笑)
哀ちゃんとどんな会話交わしたんだろーってちょっと気になる縁真です



04.11.28