学校対抗
チョーーウルトラスーパー
バトルロワイヤル19
「まったくあの二人はどこに行きよったんやっ」
眉を寄せたのは服部のみで、辰巳も乾も快斗を信じているためか、どんなに服部が違うと言っても快斗とコナンの走り去ったほうへと進む。
そうなると、はぐれてはならぬと他のメンバーもついていく。
「・・・・まぁ分散するよりかはマシな展開か?」
「そうですよ服部先輩。それにあの二人はこの状況下で意味なく道を反れるような人では無いと、彼らをよく知らない僕でも思うんですから、服部先輩ならもっとよく分かってるんじゃないですか?」
三好の見事な発言に服部は思わず苦笑を見せた。
「まあな。」
もちろん無意味に違う道に行ったなんて服部だって思っちゃいない。
だがそれなら反れる理由を一言なりとも言っておくべきではなかろうか?
あの二人は自分たちがいなくとも服部が道を知っているから大丈夫、とか思って反れたのだろうが、やめてほしい。
服部には彼らのようなカリスマは無いのだ。
いや、一般の人よりはあるだろう。
それでもあんな芸能人であればトップに立てそうな輝きは持ちえていない。
いつでも、どこでも、誰が相手でも指導権を無意識に譲られてしまう二人とは違い、服部のカリスマは時と、場と、人を選ぶ。
「まったく。この状況でじぶんらが抜ければまずあの黒羽フリークの二人組が大人しくしてるわけないっちゅーの。」
そこんとこ理解しとけや黒羽っくどーっ。
ため息をつきながら大人しく、快斗を追いかける軍団の最後尾をひた走る服部。
その横で三好はそんな服部にいつものごとき仏様のような微笑を浮かべた。
「黒羽先輩はっけーーん!!」
あまりの嬉しさに叫んだのは先頭を突っ走っていた辰巳である。
ちなみに言えばコナンと快斗を見失った彼らは、見事な辰巳の『黒羽先輩レーダー』によりここまで無事到着した。
乾は疑うまでもなく辰巳の
「俺の黒羽先輩レーダーによると・・・・・・黒羽先輩はこっちだ!」
の言葉に従い、自然後ろのメンバーは疑問なく着いてきた。
はっきり言おう。
服部は
「ありえへん・・・」
と、最後尾でうなだれていた。
よもや本当に二人にもう一度出会えるとは・・・。
っちゅーか『黒羽先輩レーダー』ってなんや?
ドラゴンレーダーの仲間か?
この世に存在するんか?
それともこのちんまい黒羽の後輩の体ん中に内蔵されとるっちゅーんかぁぁぁぁ。
いや、実にもっともな発言である。
ちなみに残念ながらそんな服部のもっともな疑問をまともに聞いてくれるのは服部ファンの三好くらいなものであるが。
だがいくら服部ファンとは言え三好はやっぱり三好だった。
フォローするわけでも、いっしょに愚痴を言い合うわけでもない。
ただ
仏のような笑顔で
「先輩この世は不思議に満ちているんですよ」
そんなことを言うだけである。
そんな言葉を悟りを開いたような笑顔で言われ、真剣に考えている自分が馬鹿みたいな気がしてきた服部はこの世の不条理に泣く泣く蹴りをつけた。
「そうやな。うん。三好の言うとおりや。あのちんまいのは『黒羽先輩レーダー』を搭載した新種の人間って思っとくわ」
「ええ、それが一番平和な考え方だと思いますよ」
そんな会話をなんとはなしに聞いていた、コナンと快斗。
ちなみに言えばこの二人、彼らがやってくるまですっかり置いてきた人間達のことを忘れていた。
『すまん服部』
服部の苦労に心のなかでちょっぴり『ごめん』とか思ったらしい。
「で、結局何しに走っていったんや?」
「あーまぁこの状況みてある程度はわかってんじゃないの?」
ちらりと縛られた少年達に眼を向ければ服部は腕を組み、大仰に頷いた。
「あらかたは解ったけどな、俺は、お前らの口からここにいる全員にきっちり説明をしてほしー思うとるんや。っちゅーかあんな奴等言い訳もなしに押し付けていった責任っちゅーもんをとらんかいっっっ」
「ごもっともです」
辰巳と乾があのメンバーにいたのが敗因であろう。
途中でアレはちょっと服部には扱いにくいかなぁと気づいたのだが、後戻りできないところまで来てたので「ま、いっか」とそのまま走ってしまった快斗は一応責任を感じていた。
「まぁまぁ平次兄ちゃん。だって平次兄ちゃんの苦労より人命救助のほうが優先されるのは当然のことでしょ?」
珍しいことにぶりっ子コナンからのフォロー。
それに迷惑をかけられた服部はこれまた珍しいことにギロリとコナンをにらみつけた。
「苦労くらい、そらいくらでも引き受けたるわっ。ただし説明は先にしてけやっ」
やぶ蛇だったか。しまったとコナンは思う。
まぁ確かに一言あってしかるべきだったのは確かであり、服部が文句を言うのは当然。この場合『たかが』と言えるミスだが、もしあの男達がもっと大人数であり、彼らが来る前に始末し終えてなければとーーーーーーってめんどくさい事態になったのは間違いない。
そうなった場合責任は、辰巳たちを押さえつけられなかった服部よりもそれに気づいていながら手を打たなかったコナンと快斗に有る。
と言う訳で、服部の文句は実を言うといろいろ考えた上での二人へのお叱りでもあるのだ。
この二人を『叱れる』人間もなかなかいないので貴重な人材である。
そしてこうして叱ってくれる友人というのも実をいうとかなり貴重であり、服部という人間は二人にとって、とてもありがたい存在であった。
「・・・・ごめんなさい」
だからこそコナンは彼にはありえないほど素直に謝罪の言葉を口にしたのだ。
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