学校対抗
チョーーウルトラスーパー
バトルロワイヤル21
「あー・・・で。人質をどうやって救出するかってのが問題だよねー。そうだなぁ・・・ねーキミタチぃ捕らえられた人をどこにやったか知ってるぅ?」
誰が持っていたのか知らないが(←コナンか快斗としか思えないが)縄でグルグル巻きにされた青年達はようやく意識を取り戻したのか、ううっとうめきながら快斗の質問に首を振った。
「ふぅん。白を切るんだぁ」
本当に知らない可能性もあるだろうに快斗は怪しい笑顔をみせたままコナンのリュックをがさごそ漁りだした。
思わずおびえる青年達(笑)
「何するんですか黒羽先輩っ」
俺もお手伝いしますっ。とキラキラ瞳で言い募る辰巳にニッコリ快斗は取り出したものを手渡した。
「じゃ思う存分やっちゃってくだされませー」
「・・・・・・・・黒羽先輩俺にも一本お願いします。」
「お、乾もやるか?なかなかこんな機会はねーからな。」
ハイと一本手渡したのは、
一本の油性マジック。
三人は嬉々として縛られた青年達の顔に落書きをしだしたのだ。
なんて哀れな。
「『僕は犯罪者でぇぇっす』と。」
頬にそんなことを書かれた青年はこれが消えるまで絶対人の前に出れまい。
「『変質者』『アブノーマル』『近寄ると危険』どれがいいです?」
「乾・・わざわざ聞いてやらなくてもいいじゃん。全部書けば?」
「いや、それじゃあバランスが取れないだろう」
うむっと真剣に考えている乾をよそに快斗と辰巳は楽しそうに書き散らしていく。
「まー人質どーのの前にこいつら警察に突き出したらなあかんやろ?」
同情しながらも止めなかった服部はコナンにどないするー?と尋ねて見る。
「ん、まぁそうだけど多分こいつらのリーダーが一部始終見てっだろーからそろそろアクション起こしてくんじゃねーの?」
その言葉を肯定するかのごとくアクションは即座に行われた。
『やれやれ彼らはそのまま置いといて貰えないかい』
明らかに自分たちに向られた言葉にコナン達は眉をよせスピーカーを見上げた。
見られていただろう事に気づいたとしてもむかつくものはムカつくのだ。
やっぱりテメー見てやがったか・・・・こんちくしょぅめ。って感じで。
ガガッと耳障りな雑音とともに建物内に取り付けられたスピーカーから流れ出た声。
歯切れよく、溌剌とした、好青年としか思えないその声は彼らのリーダーを名乗るにしては若そうだった。
さっき捕まえた青年達と同年代くらいか、下手をしたら10代とさえ思える。
「助けにこられたらやっかいなんだから放置なんかできるわけねーだろっ」
スピーカーに向かって辰巳が噛み付く。
「なぜ俺達があんたの言うことを聞かねばならないのか分からないな。」
乾もかなり抗戦的です。
『お願いのつもりなんだけどね。彼らはゲームオーバーだから参加の資格を無くしたんだ。もう君達を襲ったりしないよ』
「そんなん信じられへんわ。」
「なにより僕たちが安心出来ませんし」
服部も三好も当然ながら文句をもらす。
大体突然襲い掛かってきたのは向こう、このくらい当然の報復だろ?
と、捕らえられた青年の顔に喜々として今度は黄色のペンでカラフルに落書きしていた快斗は思う。
しかも殺害に関わってんだから放置なんてせず当然突き出すに決まってんだろと、相棒にピンク色のペンをさりげなく渡し(←協力的(笑))コナンは腕を組んでスピーカーを睨み付けた。
『うーんどうも分が悪いみたいだな。まぁいいや、じゃこっちは置いといて話しを進めようか。君達にゲームに参加して欲しい』
「は?」
『一応こちら側はもう始めているんだけどね。君達が僕の元にたどり着くまでに捕まえろって』
「当事者の許可も無しになにを勝手に始めているんですかっ」
白馬の言葉にスピーカの声は笑ってみせた。
『おや?許可なんて必要ないだろう?君達は参加せざるをえないんだからね。君達が彼らに捕まらず僕のところまでたどり着い時の為に賞品を用意してあるんだよ。』
「賞品って…まさか人質にされた人達のこと?」
青子はさっきの会話を思いだした。彼らは捕らえられた人間はゲームの景品になると言ってた。まさしく青子も賞品の仲間入りするところだったのだ。
快斗達が来てくれなければ。
そう思うとさっきまで遠く感じていた人質というその言葉が身近に感じる。
『察しがよくて助かるよお嬢さん。もし誰か一人でもここまで辿り着けたら半分開放してあげよう』
「全部開放しいやっ」
『それは更にゲームで僕に勝てたらね。楽しい時間になることを期待しているよ。道々にここの場所を印した暗号を用意しておいたから早くおいで。おっと制限時間を忘れてた。日没までってことで。じゃあゲームスタート!』
言うだけ言うとブツリと通信は途切れた。
「なっ」
なんて自分勝手な。
絶句する面々を眺めみて組んでた腕をといたコナンは頭の中に先程みた地図を広げた。
放送室の位置。
それから今のスピーカーの男が居座っていそうな位置。
そして・・・人質がまとめて置かれてそうな位置。
多分ここらへんだろうな。と思われる箇所を思い浮かべる。
リーダーと思わしきその男は楽しむためだけにこんな事をやっている。
それはよぉぉぉく分かった。
そして楽しむだけのためにきっと強盗も繰り返したのだろう。
ここにつかまった青年達も同様・・・・。
実に胸くそ悪い事件といえよう。
被害者が哀れでたまらない。
となると、この場合ゲームに勝つとかそんなことを考えるより、とっとと人質だけは解放しておかねばリーダーをとっ捕まえるときにめんどくさい。
あの余裕ぶっこいた声を焦らせてやりたいではないか。
っていうか「チョーウルトラスーパーバトルロワイヤル」と名が付くゲームよりも、よっぽどふざけたこのゲームをとっとと終わらせてやりたい。
そんでバトロワもとっとと終わらせて帰って寝る。
ああ、そうだ。それがいい。
そうしよう。
そこまで考えたコナンは落書きを終えて満足気な快斗を見上げた。
まぁこれが一番妥当だよな。
一人納得すると
「僕はここに残るよ」
この場にいる全員に爆弾発言を落とした。
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