学校対抗
チョーーウルトラスーパー
バトルロワイヤル22
「僕はここに残るよ」
その言葉に驚愕を示したのは爆弾発言をかました本人をのぞく全員だった。
「なに言ってんのコナンちゃんっ」
快斗の悲鳴に近い問い掛けにコナンは首を傾げてみせた。
(カワイコぶりっこポーズだぁぁ何を言う気よコナンちゃんっ)
そんな快斗の内心を知ってか知らずかコナンはかわいらしい唇を開いた。
「だって僕足手まといになっちゃうから…」
内容も可愛い…実に可愛いのだが…
(なんか怖っっ)
愁傷な言葉に怯える者が計3名。
「な…何たくらんでるの。はっまさか爆破!?」←最近多かったから(笑)
「は…犯罪の片棒は担がへんでっっ」
「人死にだけはどうか出さないでくださいね」
快斗、服部、白馬。
コナンをよく知るその3人は少々…いやかなり失礼な発言をかます。
「…」
あまりに激しい反応に
(こいつら俺を何だと思ってやがんだ)←コナン様(笑)
と、憮然としつつコナンは上を指差した。
「あそこで待ってるから」
ふいに見上げた指の先
そこにあるのは
「通風孔?」
「そう」
視線を戻せばニヤリと笑う子供がいた。
それにハッとしたのは快斗。ここらへん下手な探偵なんかよりよっぽど推察力があるなぁ。と相棒の反応に満足気に笑う小学生。
「あそこで待ってれば安全だと思うし」
何かあったら携帯で連絡も取れる。
「だから早くあの声の人探してぶったおしちゃって」
ね?と説明すれば
「そっかぁあそこなら安心だね」
「まぁ確かに一緒に行動するよりは…」
各々に同意していくなか唯一人、
「反対反対反対反対反対はんたいーーー」
残る理由を察した筈の彼が抵抗を示した。
「コナンちゃんが残るなら俺ものこるー」
「快斗はあん中入れないでしょ!」
確かにコナンがコンパクトでスリムボディだから入れるのだ。ゲンタですらちょっときついだろうに高校生男児が入れるわけが無い。。青子のもっともな発言に快斗は子供のようにだだをこねた。
「何考えてるんですか黒羽先輩っっ」
「何って一番効率よく事態を収拾する方法に決まってんだろ」
コナンが居ないと自分が全く使い物にならなくなると自信満々の快斗←情けない(笑)
そんな意味をこめた言葉を当然ながら関係者以外が理解できるわけがない。
「これのどこをどーしたら効率うんぬんが出てくるのかオレにはぜんっぜんわかんないっすよ」
辰巳の困惑混じりの怒りに快斗はほほえんだ
「わかんなくて結構で〜っす」
「大人げないで黒羽」
「大人げないですよ」
「快斗ってばこっどもぉ」
幼馴染とクラスメート、そして戦友の三人の呆れた瞳にさらされた。
「いいんだもんッ大人げなくてもかまいませぇぇん。離れたらまたコナンちゃんいなくなっちゃうかもしんないじゃんっっ」
ヒシイッッとコナンに抱き着く(←むしろしがみつく?)快斗に他の面々からも呆れた視線が集まる。
「くどー…こいつまさか」
「ああ、まだトラウマが解消されてねーな」
服部の口にしなかった続きの言葉にコナンは小さな声で同意した。
「…はぁ難儀なやっちゃ。どないする?」
「どーするもこーするも」
しゃがみこんで人の腰に手を回す高校生男児のつむじを見下ろしながらコナンは溜息をついた。
「おいこらバカ。そんなにお前の相棒が信じられねーか」
「うっ」
「以前なら信頼して送り出してくれた」
「うう…」
「絶対大丈夫だと誓うから好い加減情けない姿を見せるのをやめろよ」
そんな姿も気に入ってたりするが(笑)
「だってぇぇぇ」
「かいと」
子供の瞳は強固だ
自分ごときが覆せる意志の強さではない
わかってるけど無駄な抵抗のひとつでもしておきたいじゃない?
「やだ」
だめと言う否定のことばじゃなく自分の気持ちを述べる
それが一番ささやかな抵抗
「いいからやれ」
↑どうやら通風孔まで持ち上げろと命令しているようだ(笑)
この命令に逆らえる人いますかぁ〜〜?
子供独特の高い声音なのにそうとは思えない程の鋭い響きたかが自分のわがままごとき軽く吹き飛んでしまう。
ああさすがオレの相方っ
悔しいけど・・・悔しいけど・・・・やっぱりカッコいいっっっ←惚れ直したか?(笑)
「えーん離れ離れだよぅぅぅ」
シクシク泣き出す困った男に呆れながら服部は肩を叩いた。
「まぁあいつのこっちゃ。大丈夫や」
「一人でムチャばっかするんだよ。安心できないーーーっ」
「・・・やっぱそうか」
今回もどーせ考えあっての居残り発言だろうとは思っていたがこの男すでに何をするかまで検討付いているようだ。
「何する気や、くどーは」
「んー邪魔を取り除きに行ったの」
この場合『ジャマ』とは何を示すのだろうか?
リーダー格の男なら自分達が今から向かうのだし、他の下っぱもたいていこちらに向かってくるはず。
警察陣もジャマにはならない。
ってことは。
「・・・・・人質か」
「そ。あれすっっごくジャマでしょー?」
すごい言われようである。
確かにそいつらのせいでコナンと離れてしまったのだが、それほど悔しいか・・・。
「男なら自力で逃げ出せってねー」
(や、フツー無理だから。)
快斗の心からの言葉に対する反論は口に出すのは控えておいた。
だってなぁ
(言うだけムダムダ)←そのとーり
「みてー快斗ッ。なんか問題が貼ってあるー」
青子の大きな声に二人はそちらに視線を向けた。
すでに他の人たちはその紙に群がっていた。
「・・・黒羽。さっさと解いて終わらせたろ」
「うん。そーする。そんで早く帰ってコナンちゃんに甘えまくりだーー」
意気込む快斗には悪いが
(それは色んな意味で不可能やな)
いや、きっと快斗も気づいてはいるのだろう。
心なしか顔が引きつってるし。
早く終わらせても事情聴取がある。
仮に早く帰れても、あの・・・あ・の・江戸川コナンっちゅー少年が甘やかすと思うか?
服部には無謀な願望としか思えなかった。
「ま、ガンバり黒羽。」
「何言ってんの。西の探偵なんでしょへーちゃんはっ」
もちろんシャカリキ頭働かせてもらいますよーー
バカ力で右腕をひきづられた服部はため息をつく。
八つ当たりだろうか?
絶対そうだ。
後でこっそり見た服部の右腕には赤い指の跡がくっきり残っていた。
「・・・・・ホラーやな」
快斗の怨念が篭もってるかもしれない(笑)
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