学校対抗
     チョーーウルトラスーパー
                バトルロワイヤル




「ただいま・・・」

約5分後快斗が帰ってきた 

「お、おかえり」
その顔は驚くほど青ざめていて
(いったい何がっっ)
思わず恐る恐る青子を見上げてしまった

そのことをちょっと後悔する

満面の笑み
その顔に『あーすっきりした』と極太マジックでデカデカと書いてあるのがコナンには見
えるような気がした

そしてやっぱり思った

(いったい何がー)
非常に気になった。
でも、でも、
恐くてきけなかったーー(涙)
すまん快斗
俺は情けない男だっっ



「大丈夫か?」

せめてもの償いにそっと尋ねてみればガバリと抱きつかれ肩のあたりに額を押しつけられた
おいこら、調子にのるんじゃねー
と思ったら
「ふぅぇぅぅ」
肩口から押し殺したような泣き声が・・・

(そうかそんなに恐かったか)

この男をここまでびびらすとは・・・
さすが幼なじみと言うべきか

コナンは己の恐ろしい幼なじみを思い出した
もし、彼女に今の自分の正体がばれたら。


・・・・


・・・・・


涙が出そうなほどに恐ろしい。

快斗の気持ちがちょっぴりわかったような気がした。
幼なじみだけは敵にしちゃあかん!!


「泣けっ男でも泣きたいときはないていいんだっ」

なにやら実感のこもった熱いせりふに笑いがさそわれるが本人達は結構真剣だったりするので指をさして笑うのだけはやめておこう

こっそり思ったのか、白馬はさりげに二人から視線をはずした
「ああ良い天気ですねぇ」



そんな三人の心など全く解することなく青子は能天気にコナンにちかづいた。
腰をかがめて目線をあわせる
しがみついていた快斗の体が一瞬ビクリと跳ねたのはコナンの胸のうちでしまっておこうとおもう。

「コナン君だっけ」
「あ、うん」

突然よばれて心臓をドクリと鳴らせながら恐怖の対象を眺めやる

「あのね、このゲームのこときっと快斗から聞いてないんだと思うけど、すっっっっっごく危ないものなの!!」

なにを言い出すかと思えば今更なことを

「よくわかんないまま連れてこられたんだと思うけどね、嫌なものはちゃんと嫌って言わなきゃダメだからねっ」

めちゃめちゃ言いましたーーー


「快斗バカだから言わないとわかんないの」
なんかメタメタに言われてるぞ快斗君や。
ってかこいつバカだから言ってもわかんないの・・・

って言ってやりたかった

「それでもね、言ってもぜーーんぜんダメだったらね、青子のところに来るんだよ。快斗なんか片手でやっつけちゃうんだからっ」

ああ、それが言いたかったのか。
ようやく解った。
と、フイにいたずらが浮かんだ。
ああ、ちょっと楽しめそうだな。

っていうかここに来てさんざん好奇の目にさらされたのだからこのくらいの意趣返しはオッケーだよなー?
一人納得すると青子の胸に顔を埋めたまま、ほくそえんだ。

次の瞬間快斗の背筋を悪寒が走った

(なんだッ?)
自分の両肩を抱きしめ悪寒の根元をたぐればその先には唇を吊り上げて意地悪気に微笑む愛しのラヴぁーのお顔・・・
擬音をつけるなら
『にやり』

(なにーーーー?何をたくらんでいるのっっっ)

なんだか危険な気がします。
さすが相棒のことをよくわかってるね
そんな快斗の頭を自分の肩から無理やり持ち上げテイッとほおリ投げる(?)と
コナンは一瞬にして役に入り込んだ
さすが女優の息子っっ

「青子お姉ちゃぁぁぁぁぁん」
ああああなんて愛らしい声だろう
思わずむしずが走っちゃうわー


「どうしたの!?」
慌ててしゃがみこむ青子にキュッとしがみつくコナン
「あのね、あのね」
言いにくそうに口ごもる子供に青子は青ざめた
「ま・・・まさか」
いやでもまさか

「か、快斗兄ちゃんが・・・うっく・・・」
涙声で訴える幼子
最後まで言わず泣き出す芸の細かさ

後で「なんてことしてくれたのーー」
と文句を言っても
「は?俺なんにも言ってないぜ」
とか言い訳するのが今から安々と想像できてしまう自分がかなしい快斗。

「いいのよっ言いたくないなら言わなくても青子にはわかったからっっっっっ」
ガバリとコナンを抱きしめる青子。
いや絶対わかってないって
さらには周囲に大量発生している人々を気にもせず大声で恐ろしいことを叫びやがった。


「快斗ってばこんな小さな子にあーーんな事やこぉぉんな事するなんてっ鬼畜ーーー」
ギョっと周りの男共が振り返った。
それに慌てて反論する
「何の想像してやがんだ!!!!」

そんな楽しい想像自分だけでするなんてずっるーーーい!!

「いや、そういう問題じゃないっつーの」
ドビシッと青子の死角で裏手拳をかますコナン。
そんなコナンのしぐさに当然気づかなかった青子はキャンキャン否定の言葉を言い募る快斗に向かって更なる言葉の暴力を吐き出す。

「確かにコナン君こーーんなに可愛いいんだから気持ちはわかるよ。でもね可哀想じゃないのっへんたーーい!!」
「犯罪者ーー」
「そ・・それはいくらなんでもコナン君」
青子の文句にさりげなく便乗するコナンに冗談でなく「犯罪者」である快斗のことをおもんかんばって突っ込む

「ううん。白馬君っっコナン君を責めちゃだめっ。悪いのはぜぇぇぇぇぇぇんぶ快斗なのっっ」

俺が一体なにをしたっ?

「ってことで快斗のおたんこなすーーー」
「変質者ーーー」

「・・・コナン君・・」
先ほどの涙は一体どこへ、青子にしがみついたまま快斗を責めるコナンは明らかに楽しんでいる。
その顔が証拠だ。
白馬に解るくらいなのだから快斗はとっくに気づいているだろう
それでも

「えぐえぐ。コナンちゃんのバカァァァ。いじめっ子ーーー」

泣きながら地面に「の」の字を書き出す快斗はしっかりその言葉に傷ついているように見えた。

「ふっ思い知ったか青子様のちからーーーー!!」
「青子おねえちゃんカッコいい〜〜〜!!」

一体この二人はどこまで本気で言っているのだろうか?

大人の余裕で乗ってあげていると思いたかったが青子はともかくコナンの言葉に本気で打ちのめされているような快斗を横目に白馬は小さく微笑んだ。

「平和ですねぇ」


「どこがだーーーー!!」


「参加者のみなさーーん。開会式が始まりまーーす。学校ごとに並んでくださーーい」
「あっいっけなーい。白馬君いこっ。ほらっ快斗も座ってないで走りなさいっ。先に行ってるからねっ」
「・・えっと。黒羽君頑張って走ってくださいね」
青子に引きずられた白馬はコナンに軽く手を振りワラワラ集まる人の群れにまぎれていった


「ばいばーい」
「おのれ・・アホコ・・・おのれ白馬・・・」
背中を向けた後に敵意を示しても所詮負け犬の遠吠え。
ってか白馬のやつ悪気はまるきりないから。

「こぉぉなぁぁんんんんちゃーーーんっ」
見てよこの周りの哀れむような可哀想なものを見るような目っ
「んー暖かい視線だよなぁ」
「暖かい通り越して生暖かいわっっコナンちゃんのせいでこの大会中こんな目をずっと受けていくのね(涙)」
しくしく
「は?俺のせい?俺なんにも言ってないぜ」
ちょっと犯罪者ーとか変質者へとか言っただけでさ

フ・・予想通りのお返事ありがとー
「いいの。どうせ俺はいじめられキャラ。いいのどうせ俺はやられキャラ」
いじける快斗を見てコナンは腰に手をあて満面の笑みを見せた。

「情けないよ〜快斗兄ちゃん」
「俺いじめて楽しいですかコナンちゃん」
「うむ。実に有意義だった」
「良かったですねぇ(涙)」

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どこまでも苛められ続けてください快斗君(笑)
とりあえずリクエストかすかに終了?
ごめんなさい。まだゲーム開始してないんですけど・・(涙)
2003/10/5