学校対抗
チョーーウルトラスーパー
バトルロワイヤル5
「正解は×でーーす」
10問目終了。
すでに参加者は一割ばかりに削れていた。
「思った以上に減りましたねぇ。根性足りませんよーみなさーん」
時田は疲れて声も出ない様子の人々をへらへらと煽る。
人々は波に流れて○×に移動していた。
この人数だと人の多いほうに嫌でもカラダが流される。逆方向に行きたければ根性ださなきゃならないが、むしろ人が多いほうが正解なのだからそんな無駄なことをする必要は無い。
それなら何故人数が減ってるかというと
「高志ーーーー」
「すまん雄二っ俺はもうダメだーーうぎゃーーー」
「た・・高志っっっすまん助けにいけない俺を許してくれぇぇ」
移動中そこかしこで悲鳴が聞こえてくるのが実に怖い。
人々に押しつぶされた人間が移動しそこねそのまま一組さらばとなるからだ。
不正解の陣地に数名の死者・・・もとい負傷者が転がっている。
二人が正解の場所にいなければ当然失格。
さようなら〜だ。
怪我してボロボロの少年にむかってにこやかに手を振る時田の姿を何度見たことだろう。
「はーい題11問は〜ちょっと難しいですよー」
あくまで笑顔で時田は問題を読み上げる。
さすがに人数が減ってくると人に流されて陣地移動という手が使えなくなってくる。
そろそろ自力で○か×を判断せねばならない。
きっとそれを考えここらへんから問題を難しくしているのだろう。
更には人数が減ってくると○と×の陣地の距離がネックとなってきた。
移動するのに10秒は短い。
問題を聞いて答えがすぐにわからなければ勘に頼るしかない。
とはいえ、もちろん○×陣地の境目にいる人間もいる。
ちょっと動けばいいじゃないかと思われそうだが、そういう人間は向かい側の陣地から移動してきた人の波に押されて一番奥に追いやられるのだ。
気をつけよう。
人々の流れを見ていたコナンはうむとうなづいた。
(真理かな真理かな)
奥まで押し流された人々を眺め厳かに心の中でつぶやく。
本人は快斗に抱かかえれて移動しているので気楽なものだ。
質問を聞き取り即座に判断。
まぁ聞いてなくても白馬が「こっちですっっ」
とひっぱってくれるからいいけどなー。
この調子なら少なくとも一回戦はまともに通過できそうだな。
そんなコナンの予想通り
20問目終了
第一回戦通過
なんだか簡単に終わってしまった。
負傷者数十名。
運ばれた人々が医療班のテントでたむろしている。
うめき声やら悲痛な叫び声泣き声が実にむごたらしい
「あ〜あ。痛そう」
下手をすれば骨が折れているだろう。
運が悪ければ頭を蹴られて意識不明
人々は遠慮のかけらも用意していない。
もちろんそれは医療班も司会者も
「はいはいっここでは応急処置しかしないからさっさと帰りなっ帰って自分で病院に行くんだねっ」
世の中って冷たい
でもこれが最初に判子を押したあの誓約書の内容のことなのだろう
『 3.ゲーム中の事故、怪我等の責任はいっさい当方では負いません
4.何が起こっても知りません 』
ここにいる人みんなあの誓約書に同意しちゃったんだもんねぇ文句も言えないよ
11問目からは普通に正解を間違えた人間もいたせいで加速度的に人数が減った
かなり専門的な問題もあったのでそれも仕方あるまい。
移動するのに全力失踪したせいかかなり体力を奪われた人間もいる。
コナンを抱えて走っていた快斗はそれにも関わらず息一つ切らしていないけれど
「快斗はー体力バカだからー」
「中森さん黒羽君のは体力バカとかそんな生易しいものではありませんよ」
「白馬・・お前なにげに青子よりきついよな」
「え?そうですか?」
当然体力限界の青子は力尽きたとばかりに地面に座り込んでいる
動きやすいようにジーンズで来たのは正解だっただろう
白馬はというと体力バカには劣るものの、コナンを抱えていない分のパワーが残っていたのだろう、快斗並に平然とした顔をしていた。
「探お兄ちゃんも体力沢山あるんだねー」
「ええ、探偵は足で情報を稼ぐものですからね。体力がなければ始まりません」
「すごーい」
どちらかというと持久力のないコナンは
(これだけ走ってそれだけ余裕のお前も体力バカの仲間入りだよっ)
心の中でそっと白馬を体力バカのカテゴリーに振り分けた。
「でもさすがにコナン君を抱いて走ったら途中で力尽きてたでしょうね」
快斗には負けると苦笑する。
(いや、こいつ人外だから)
こいつに勝ったら俺引くぜ。
「快斗兄ちゃんもすごーーい」
でも、ま、とりあえず楽できたしぃ
また走る事があったらよろしくなぁ
カワイコぶりっこしながらも、その目がしっかりそう語っていたのを快斗はきっちり読み取ったのだろう。
「ハイハイ、アリガトネェ」 乾いた笑いとともに心のこもらない返事を返した。
第一回戦の感想(コナン)
どうやらさっきの戦いは知識と運動神経を必要としていたようだ。
全く気づかなかったが。←労せず勝利!!(コナンだけ)
「一回戦突破の皆さんおめでとうございますー。まだまだ先は長いですからこんなところで喜んでちゃだめですよー」
ザクっと思い切り釘をさす時田。あんたこれ以上敵増やしてどうすんの?
「第二回戦は知力体力ゲームです。知力の部屋と体力の部屋に分かれてもらいます。パートナーと相談してどちらに行くか決めてくださいねー」
ざわめく人々。
まさか分かれるとは思わなかったのだろう。
「快斗ー大丈夫なの?」
青子が心配そうにコナンを見た。
「大丈夫ですよコナン君でしたら。」
なにやら嬉しそうに胸を張る白馬。
「ちょっとなんで白馬が答えるわけーー。コナンちゃんなら大丈夫なのは確かだけどさー」
不服なのは快斗だ。
それは自分が言うべきせりふだと言うのにずるいっっっ
バカーー
って感じで白馬をにらむ
「でも快斗と離れちゃったら苛められるかもしれないじゃない」
さっきからの視線にさすがにお鈍の青子も不安になってきたらしい。
「大丈夫だよ青子おねえちゃん。僕一人でも頑張れるから」
コクリと首をかしげて上目遣い。
愛らしいしぐさとけなげな言葉に青子は胸をつまらせた。
なんてなんてなんて可愛いのーーー
「あ、青子が守ってあげるからねっっっっ」
「え?うん」
なぜか闘志を燃やした青子に抱きつかれコナン不思議そうにうなづいた。
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