「・・・と、来た来た。」 詳しい説明はあとで・・・と合図があったので当たり障りない会話でさきほどの 電話は終了したのだが。 何ゆえ中森ケーブまで!! 巻き込んでほしくない人たちを思いっ切り巻き込んでくれちゃってまぁ。 ため息しか出ないってなもんだ。 PCに届いたメール。 そこにはコナンが現在知りうる限りの情報がミッチリ惜しげもなく書かれていた。 とりあえず当日に送られてきたのは彼らの国に関する説明。 推測も加えられ、それを元に快斗もいろいろ調べてみた。 どうやら鉱山から取れる鉱石で国は生計を立てているらしい。 未来の女王様である少女の写真も送られてきて、 「あらー。コナンちゃんには劣るけどなかなか可愛らしいお子様じゃん。」 なにやら深く考えれば怖い言葉を呟く。 誰も聞いていなかったのは幸いである。
赤いバラが咲いた小国 8
「探しものがある人。それがスカウトの条件の一つ。もちろん使える人材じゃなければ即 却下だけれど。」 たまたま偶然、今のメンバー全員がそういう人だった。理由はそれだけだが縁だとも思っ ているらしい。 だからナイトメアは快斗を、そしてコナンを勧誘する。 「本気で探している人は藁にも縋るわ。誰にも言えない、警察にも頼れない。そんな仲間 がいれば手分けして探せるじゃない」 世界中だって。 確かにコナンも快斗も完全にその条件にヒットしている。 『ナイトメア』と呼ばれる石を知ってるかしら? そう聞かれたのは昨日の話。彼女(彼だが)の所属する組織での通称の由来は捜し求めて いるその石から取ったとメアは言う。 悪夢と呼ばれる石を悪夢と呼ばれる怪盗が捜す。 実にシュールだ。 しかし快斗は思った。いやー多分手口の嫌らしさから警察が付けた名前じゃねえか? 小さな子供はもっと失礼な事を思った。その変態じみた生態から(←どこまでも失礼)仲 間が呼び始めたのでは、と。 さすがに真相は尋ねられなかったが。 「あたしはそれを探してるの。あなたと同じようにね。」 12個でワンセットだというその石はほおっておくとやっかいな事態を招きかねないと言 う。 一見ただの宝石だが傍に居る人間の脳に影響をおよぼすらしい。 簡単に言えば「負の感情を増幅する」らしい。 俄かには信じられないが世の中には不老不死の石とか言うマユツバ物が幅をきかせている くらいなのだ。 何があってもおかしくはない。 誰もを魅了する輝き。その石は心の弱みに付け込む魔の効力を持っていた。 「お伽話じゃない?」 「イヤーなくらいに現実よ。詳しく言えば脳波に影響を与えるの。負の感情に強く反応し てしまう石らしいわ。」 胡散臭さバリバリに尋ねた快斗にナイトメアはゆっくり首を振り説明した。 なんだそりゃ ってなもんである。 パンドラ以上にやっかいな付加価値。 「うちで代々厳重に封印して保管していたの。それをどっかのバカが盗んだらしくてね。」 管理を任されていた祖父に頼まれたのだ。 『どうか世界に影響をあえたる前にすべてを取り戻してくれっ』 世界っすか・・・。 しかし負の感情に影響を及ぼすということは下手すると地位のある人間がそれを手にして 世界戦争に・・ なんて無いとは言い切れない。 「今見つけたのは3つ。まだ9つもあるのよー。」 先は長いわ。と 「とにかくいやーな感じがするの」 あなたたちなら解ると思うわ。 ナイトメア(自称メアちゃん)はそう言った・・・らしい。 その言葉を信じるならまさにそれ。 こんなタイミング良く?と尋ねられたら 『それが俺の悪運の強さだ』 と胸を張って言える。 むしろこんなタイミングだからこそその疑惑を自分は持つのだ。 そうコナンは言い切った。 快斗も全く持って異論は無い。 コナンちゃんだしねぇ。 事件ホイホイだしねぇ。 何が起きてもぜぇぇんぜん驚いたりしないよ。うん。 かるぅく、そう返信してみせたら向こうから怒りのお返事が返ってきた。 ええーなんで怒られなきゃいけないのぉ。 プクッと膨れつつもPCから伝わってくるコナンの元気さに安心する快斗だった。





     つづく  小説部屋

ご無沙汰してます。快斗の方はサラリと(笑)
コナンちゃんの方がお話のメインですからー。って全然進んでないんですけどね(涙)
すみませんっっ
2008.3.16
By縁真