光のかけら2

side K
「うわぁぁ。すごぉぉい。ゴオジャスゥーー。」
自宅前に到着した車を見た瞬間目を丸くして喜ぶ幼なじみと対照的に俺は目の前がくらくらした。

どこの世界にたかだか山にバーベキューに行くためにベンツ乗ってくあほがいるんだ?
まあ、ここにいるけど。普通、山っつーたらワゴン車が定番じゃねーか?いやそりゃこいつにワゴン車ってのもかなり想像出来ねーけどよ。


「お待たせ致しました?さあ、乗って下さい。あっ荷物は預かりますよ。」
素直に喜ぶ青子にキザ野郎こと白馬探が車の助手席から優雅に降り立った。
「ありがとぉ白馬君。あー快斗ってば。なにしゃがみ込んでるの?
お腹痛い?」
あまりの脱力感にやれやれと座り込んだ俺に相変わらず見当違いの言葉をかける青子。

「なんでもねーよ。」
よいしょと立ち上がり男の荷物は死んでも持たないだろう白馬によっと朝の挨拶をする。なにが入ってるのやら大きな青子の荷物を担ぎつつ白馬は優雅に挨拶をかえしてきた。
「おはようございます。何か用があると言ってましたがそちらは大丈夫なのですか?」
「あー。」
まあな。コナンのドライブをのぞきに行こうと思ってたがそんなこと言える筈もない。
目を彷徨わせ

「まあ大した用事じゃなかったしな。」
と答えた。
「そうね大した用事ではなさそうね。」
「うおっっ」
背後から声が響き俺は冗談じゃなくビビッタ。こ・・・この声は・・。
「おはよう黒羽君。」
「・・・紅子・・なんでここに・・。」
背後を振り返りそこに立つ予想もしなかった人物を指さした。
二三歩後じさる俺にいつもの不気味な笑みを浮かべる紅子。

「こらっ快斗っ人を指さしちゃいけないんだぞっ」
青子が相変わらず的はずれな事を言っているのはほおっておいて。
焦る俺にホホホと楽しげに笑う紅子
「あら?聞いてらっしゃらなかったのかしら?私もバーベキューに参加させて頂きますのよ。」
「な・・・な・・・」

驚きのあまり声もでない。紅子がバーベキューぅぅぅ?いつもそんな子供っぽい事は出来ませんわ。とか言ってるような奴がバーベキューだとぉぉぉ?なんで俺がいる時に限って参加しやがるんだぁぁ。おいおいーーこのメンバーで行くのかよー。信じらんねー。助けてパピィィ。
「そんなに喜んでいただけるなんて嬉しいですわ。黒羽君。」
そうじゃないことを分かっていながらフフッと笑う紅子に俺は喜んでないない。と首を振る。
「というのは冗談で・・・。さっ行きましょ。」
腕をとられ車にひっぱりこまれた。こいつのペースにはまってるぞ俺っ。
いやそんなことよりこいつさっき俺の用事知ってるような口振りじゃなかったか?
気のせいか?


だいたいなんでこんな事になったんだよおいっ。
「ごめんね白馬君。青子が突然バーベキューしに行きたいなんて言い出したから。」
「いえいえ。僕も丁度山に行きたい気分でしたからいいんですよ。」
俺の右に座る青子が助手席の白馬に手をあわせてあやまる。
そうか・・・こいつが元凶だったのか。秘かに右隣に白い目を送ってやった。
鈍感青子は予想通り俺の視線に気づく事なく白馬と楽しげに会話をかわす。

しっかし白馬も白馬だ。なーーにが僕も山に行きたい気分だった・・だ。
ありえないね。絶対に。
どうせ二人で行くつもりだったんだろうな。お鈍の青子が「それじゃあ快斗も誘っておくねぇ。」とか何とかいったんだろうな。そんな事を簡単に想像できてしまう。白馬哀れな奴め。
断ろうとしたが白馬と二人で行くとか言われてつい行くっなんて言っちまった俺も俺だけど。

「黒羽君・・黒羽君っ。」
「快斗ぉ紅子ちゃんが呼んでるよぉ。」
青子が右から肘で攻撃を仕掛けてきた。本人は軽くつついたつもりなのかもしれないが、もろ鳩尾はいったぞ・・。
「うおっっ?」
どうやら自分の世界に入り込んじまってたみてーだ。
青子に文句の一つもつけてやろうと思った時真剣そうな紅子の声が左から聞こえた。

「黒羽君。一つだけ忠告させてちょうだい。
今日行く先に強い光が見えるわ。あなたが探していたとても強い光。
それによってあなたの何かが変わるわ。
良い意味でも悪い意味でも。
自分を見失わないで。どんな時でもあなたを忘れないで。
あなたの影もまたあなた自身の一部なのだから。」

またもや意味不明な言葉を聞かされた。
俺は眉をへの字に寄せると、首を傾げ尋ねる。
「は?お得意の占いか?」
光?俺が探してた?何を探してたって?
「ええ。そんな所よ。」
詳しい事は教えない。いつもの意味深な笑みで全てを見透かしたように笑う紅子に
俺はなんとも言えない嫌な感じを受けた。
なんか一波乱ありそうだな。



ひとこと。
  さあ、快斗君& 他キャラ登場っっ。
  果たしてその人物を生かしきれているのかっ。
  でも人多すぎだわ今回。失敗したかなぁ。
  今更だ(笑)
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